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猫写真家ケニア・ドイさん直伝!  “じゃまねこ”を撮影するコツを公開

飼い主の都合はお構いなし! 新聞紙の上やキーボードにのっかたり、ときには予測不能な行動で飼い主(人間)のじゃまをしてくるキュート猫たち。そんな猫たちの自由奔放、傍若無人(?)な姿をとらえた写真集『じゃまねこ』がマイナビ出版より1月に発売しました。同書の制作にあたり、あくまで猫の自然な姿を撮影したというカメラマンのケニア・ドイさんに “じゃまねこ”を撮影するコツをききました!

じゃまねこ撮影のコツは○○!?

編集部:「“じゃまねこ”は狙って撮れるような写真ではないと思いますが、撮影する際のコツはありますか? 教えてください」

ケニアさん:「いくつか写真を撮っていてその中に、『これってじゃまねこなんじゃない?』となるのがじゃまねこ写真だと思います(笑)。撮影のコツを強いていうなら、シチュエーションのわかる引きの画と寄りの画を2枚撮影することで、じゃまされている状況をわかりやすくすることかな。ほかには、最初は遠くから撮影して、『この子は逃げない子』だとわかったら徐々に距離をつめて撮影していく方法。今回の撮影でもそうでしたが、ねこの中には撮影できることできない子がいるので、撮影向きじゃない猫を見極めるのもじゃまねこを撮るコツだと思います。また、猫は取れなくて当たりまえなのでそれを念頭におくことも大事。自分が希望する構図で撮影しようと思ってもできないので、猫に任せる姿勢が必要です」

基本猫には近づかないで望遠レンズで撮影するというケニアさん(『じゃまねこ』P18より)

基本猫には近づかないで望遠レンズで撮影するというケニアさん(『じゃまねこ』P18より)

編集部:「“じゃまねこ”が出現しやすいシチュエーションなどはありますか?」

ケニアさん:「同書でもたくさん掲載していますが、パソコンを使っていると大抵じゃましにくるので(笑)、そばでパソコンを使うといいかも。あとは、カメラカバンに入る猫が多かったので、狭い空間が好きな猫の習性を利用してみるのもいいですね」

PC作業をしていると邪魔しにくるという猫(『じゃまねこ』P6より)

PC作業をしていると邪魔しにくるという猫(『じゃまねこ』P6より)

編集部:「なるほど。猫の習性を利用するんですね。そのほか、猫を撮影するのにケニアさんが工夫していることなどありますか?」

ケニアさん:「猫を飼っている知人が引越ししたときに『新居のニオイに猫が落ち着かなかったが、猫用スプレーを使用したところ落ち着いた』という話を聞きました。そこで猫の撮影をはじめたばかりのときは、猫用スプレーを体に吹きかけていました。」

編集部:「猫用スプレー!?」

ケニアさん:「猫用フェロモンスプレーです。だけど、望遠レンズで撮影するスタイルになって、スプレーしてもしなくても関係ないと気づいてからは使用していません」

編集部:「ケニアさんも最初はそんなことをされていたのですね(笑)」

★ケニアさんに聞いた、じゃまねこを撮影するコツ★

・じゃまされていることがわかるよう、「引きの画」と「寄りの画」を撮影する
・猫が逃げないよう最初は遠くから撮影し、徐々に距離をつめる
・撮影むきじゃない猫をみきわめる
・猫は基本自由に。任せる姿勢が必要
・猫用スプレーは使わなくてもOK

ケニアさんが撮りたい今後の猫写真は?

『ぽちゃ猫ワンダー』(河出書房新社)や、雑誌『ねこのきもち』で連載をもつケニアさん。そんなケニアさんに、今後撮影してみたい猫写真をお伺いしました。

ケニアさん:「犬を撮ってみたいですね」

編集部:「犬!? 猫ではなくて……」

ケニアさん:「挑戦してないことに挑戦してみたいです。いつかそれをモノにしたとき、撮影の幅が広がるので猫以外も撮影していきたいです」

編集部:「猫の撮影をとおして、撮影の幅は広がりましたか?」

ケニアさん:「もともと人物を撮影していて、撮影は屋内が多かったんです。そのため以前は被写体やライトの位置にすごくこだわっていたのですが、猫を撮るようになってからは屋外での撮影の日々。太陽の位置や猫の位置は動かせません。おかげで『ライトがなくても撮影ができる』ということや、『構図のきめ方』がうまくなりました。また、昔はあまり得意じゃなかった屋外で人を撮影するのがうまくなりました」

編集部:「太陽という自然光で撮影するコツをつかまれたんですね」

ケニアさん:「はい。また、望遠レンズで猫を撮影しているので望遠レンズが得意になりました。以前は人を撮影するならこのレンズっていう“人物撮影用のレンズ”があって、そのレンズ以外は使用しなかったのですが、今ではどんなレンズでも撮影ができると気付けました。」

編集部:「ケニアさんにとって望遠レンズで撮影する写真の魅力はなんですか?」

ケニアさん:「望遠で取った写真には、実際には写ってはいないけれど、被写体との間の空気感が写っているような気がします。その目に見えない空気感が好きです」

編集部:「目に見えない空気感ですか……。なんだかステキです!」

猫の撮影をとおしてご自身の写真撮影の幅が広がったというケニアさん。今後の活躍がますます楽しみですね!

今回お話を伺ったカメラマンのケニア・ドイさん

ケニア・ドイさんプロフィール

写真集『ぽちゃ猫ワンダー』(河出書房新社)のほか、フェリシモ猫部「猫又トリップ」、雑誌「ねこのきもち」猫びと巡り、女子SPA「猫写ニッキ」で連載をもつ猫カメラマン。

ケニア・ドイの仕事場

http://kenyadoi.com/
■ぽちゃ猫ワンダー
https://www.facebook.com/pochanekowonder
■猫又トリップ
http://www.nekobu.com/blog/cat1/
■Twitter:@Kenya_DOI 
■Instagram:Kenya_DOI

『じゃまねこ -じゃまするねこはイラかわいい♪』(マイナビ出版)
ケニア・ドイとじゃまねこ編集部(著)
価格:1296円

(取材・文:梅津千晶/マイナビウーマン編集部)

※この記事は2016年02月02日に公開されたものです

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