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「できちゃった婚」と「できてないのに婚」、長続きさせる秘訣とは?【後編】

五百田 達成

働く女性にとって気になる話題やトレンドワードをピックアップ。男女心理の専門家である五百田達成氏が、ユーザーのリアルな声とともにひもときます!

前編では、できちゃった婚に対する反対意見に多い「家」を重んじる立場と、賛成意見に特徴的な「子ども」を重んじる立場、両者について見てきました。

では次に、「お互いの関係」「付き合っている2人の気持ち」にフォーカスを当てると、どのようなことが見えてくるでしょうか?

■きっかけを待っている2人

賛成意見に多かったのが、「結婚へのきっかけ」を支持する声。

・「何かしらきっかけは必要だし、ダラダラ付き合って結婚のタイミングを逃すよりはいいと思う」(33歳女性/医療・福祉/専門職)

・「晩婚化の今の時代それがあと押しして結婚に踏み切るケースも多いから」(32歳女性/その他/クリエイティブ職)

・「今どき、結婚する理由なんて何でもいいと思う。少子化だし、恵まれたものに関しては喜んで受け入れるべき。ただ責任はしっかりとってほしい」(30歳女性/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)

・「それで覚悟が決まるならいいと思う」(29歳男性/金属・鉄鋼・化学/技術職)

・「結婚に踏ん切りがつかない人たちの、きっかけになるので」(32歳男性/学校・教育関連/事務系専門職)

社会の多様化が進み、「結婚しなくてはいけない」というプレッシャーも弱い現代において、付き合っている2人が結婚に踏み切るのには、何かしらのきっかけや理由が必要、というわけです。

■「責任をとる」ではうまくいかない?

いっぽう、反対意見の中には、その「きっかけ」に異議を唱える声があります。

・「もとから結婚する気であればいいが、子どもをきっかけに結婚はうまくいかない気がする」(27歳女性/情報・IT/営業職)

・「相手への責任も子どもへの責任もない行為なので。子どもを作るっていうのは人間ひとりと命をかけて向き合うこと。できたから結婚して子どもを産むというのは責任感の欠如であり、子どもをまともに育てて幸せな家庭を築ける気がしない」(27歳女性/情報・IT/技術職)

・「子どもができたことだけで結婚すると失敗すると思います」(30歳男性/電機/技術職)

・「責任とった感が否めない」(28歳男性/小売店/販売職・サービス系)

結婚しようと思っていたカップルが「きっかけ」にするのはいいけれど、それが直接の理由になってしまい、責任を取って仕方なく結婚するという意識では、長続きしないのでは、という意見です。

■「できちゃった婚」と「できてないのに婚」

こうして見てみると、「できちゃった婚」は、「家」「子ども」「当人同士」という、結婚制度を構成する3つの視点が含まれた、深いテーマであることがわかります。だからこそ、メディアからの注目も集まるというわけ。そのうち、“普通”の結婚のことを「できてないのに婚」(私の造語です)と呼ぶ時代が来るかもしれません(笑)。

もしあなたに結婚を考えている相手がいるなら、芸能ニュースなどをきっかけに、このテーマについて話し合ってみるといいでしょう。

「あり」「なし」を皮切りに議論が盛り上がり、「式も披露宴も盛大にやりたい」「将来は親と同居」など、パートナーの意外な結婚観が浮き彫りになるはずです。

怖いかもしれませんが、その衝突を避けていては、長続きする結婚は望めないのです。

(作家・心理カウンセラー:五百田達成)

※画像は本文と関係ありません

※『マイナビウーマン』にて2015年4月にWebアンケート。有効回答数183件(22歳~34歳の働く女性)

※マイナビウーマン調べ(2015年4月~5月にWebアンケート。有効回答数101件。22歳~39歳の社会人男性)

※この記事は2015年06月14日に公開されたものです

五百田 達成

作家・心理カウンセラー。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て独立。「コミュニケーション心理」「社会変化と男女関係」を専門に講演や執筆。近著『察しない男 説明しない女 男に通じる話し方 女に伝わる話し方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が、22万部を超えるベストセラーに。

●五百田達成オフィシャルサイト:http://www.iotatatsunari.com/
●Twitter:https://twitter.com/ebisucareer
●Facebook:https://www.facebook.com/iotatatsunari.net

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