【女性の働き方ラボ Part3】女性管理職を増やすためには? 受け身にならず、一人ひとりがアクションを!
女性と仕事との関わりは十人十色。私らしい働き方、私らしい生き方を模索するイマドキ女性たちに、識者の見解や企業の取り組みを通して、女性を取り巻く社会環境を読み解きます。
『僕らの時代のライフデザイン』(ダイヤモンド社)などの著書を持つ米田智彦さんに女性の働き方・生き方についてお聞きする連載の3回目。今回は、女性管理職について考えてみましょう。
政府は東京五輪が行われる2020年までに女性管理職を30%まで引き上げる「202030」政策を打ち出しています。2012年における日本の女性管理職の割合は11.1%(総務省統計局の「労働力調査」)。アメリカ(43.1%)やフランス(39.4%)などに比べ、非常に低い数字となっています。
日本では、まだ産休・育休復帰後の職場理解が欠けていることもあり、女性が長く働きづらい企業も少なくありません。長く働ける女性が少ないことが管理職の少なさにもつながっていると考えられます。
その一方で言われるのは、自ら管理職を志望する女性の少なさ。これまで企業の中で女性の活躍が期待されてこなかったから、ということもあるのでしょうが、自ら進んで責任や役職を希望する女性はまだ少数と言われます。「日本の女性は受け身」「誰かにチャンスを与えられるのを待っている」と言われることも。米田さんは、どう思いますか?
「もちろん、日本の職場が女性にとってまだやさしくないということはありますので、そこは絶対変えていったほうがいいと思います。それを前提として、仕事をするならやはり責任や役職を求めていったほうがいいですね。なぜなら、そうしないと自分が伸びないからです。意志や自助努力によって人はなかなか変わらなくて、地位や環境によって変わっていくものです。人って弱くてすぐさぼったり自分を甘やかしたりする。それを最初から認めて、あえて責任あるポジションについて環境を変える。そのほうが自分を変えていけると思いますよ」
先日、アメリカ国務省が選ぶ「勇気ある女性賞」が発表され、日本人として初めて小酒部さやかさんが受賞。小酒部さんはマタニティーハラスメントの被害者支援に取り組み、「妊娠しないでください」とはっきり言われることもある日本の現状を世界に訴えました。
小酒部さんほどのアクションではなくても、日本の女性一人ひとりが小さなアクションを起こし続ければ、もっと働きやすい社会になるはずです。米田さんが言うように、責任を求めることで自分が変わり、自分が変わることは会社や社会を変える一歩となるのではないでしょうか。
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(小川たまか/プレスラボ)
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※この記事は2015年05月11日に公開されたものです