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【女の嘆き】女子力ブームが鬱陶しいのですが……これでは女として怠惰ですか?

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
世の中の、“いつまでも若く女性らしい見た目”を礼賛する風潮が嫌いです。長い髪をなびかせ、爪を整え、ばっちりメイクで、脱毛したつるつるの身体に女度の高い服をまとう。そういう女性を見ると、「男性目線を意識するのが女子力ってこと?」と斜に構えてしまう自分がいます。かといって、“こじらせ”とかいうカテゴリーをあてがわれるのも不本意です。私は年相応の女性として静かに暮らしたいのですが、これでは女性として怠惰だと言われてしまうのでしょうか。

アンチエイジングの流行以来、「○歳に見えない」「子どもがいるように見えない」などが褒め言葉になり、女を諦めていない女性を評価する風潮があるのは事実。しかし最近では、ウェルエイジングという考え方も台頭してきています。誰にでもやってくる老化や退化を受け入れられず、若いころと同じ姿でいようと躍起になるのではなく、若いころとは明らかにちがう今の自分を受け入れ、必要なケアをしながら心地よく暮らすことを目指すものです。「若いときも、年をとった今も、そのときどきで素敵ね」と思われるような生き方は、女性性への強いこだわりというより人としてのあり方のひとつ。

下記に、世の中で女子力とひとくくりにされている「女性性」を、ちがった角度から理解する視点をご紹介します。自分なりの女性性を育むヒントにしてみてください。

<女の嘆きへの処方箋>
●その1 「女性性は進化するものだ」という視点を持つ

実は女性性にも進化のプロセスがあります。諸説あるのですが、肉体的なセクシュアルな面を持つ女性性、清純でロマンチックな女性性、包み込む母性という女性性、性別を超越した精神的な存在としての女性性、などのプロセスをたどると言われています。もちろん、どの女性性を強調するかで引き寄せる男性も変わってきます。たとえば女性側が肉体的な魅力やセクシーな面ばかりを強調していると、性的な関わりを求めてくる男性にはよくモテるが、人格を持った女性として大切にされにくいというようなことが起こります。また、清純そうなイメージを強調しすぎると、女性を理想化しているような男性を引き寄せますが、そういう男性は実際の女性が持つ現実的でたくましい面を見た途端に萎えてしまうことも。

現実世界をともに生きるパートナーと出会いたいなら、男性側から見た理想の女性像に自分を合わせるのではなく、肉体的にも精神的にもバランスのとれた現実的な女性性を発揮して。それが関係を長続きさせる秘訣です。

●その2 「多面的な女性性を楽しむ」という視点を持つ

「女、女って、うるさいわよ!」というように、感情的に強い反応を示すものは、自分にとってコンプレックスであることが多いと言われています。自分に与えられた性別をどう受け入れ、どう表現するかというのは、誰にとっても大きな課題です。でも、かたくなに一貫した自己イメージを示そうとすると、もともと豊かな多面性を持つ女性のよさというものが発揮されにくくなります。

そこで、さまざまな女性性を「しっくりくるかどうか試しに演じてみる」気持ちを持つことをオススメします。ときにはモテにこだわって、セクシー路線や清純派に走ってみてもいいし、精神性を高めるために寺巡りにはまってもいいのです。娼婦の顔、乙女の顔、母の顔、菩薩の顔、そして強い男性性を内包した顔、これらの顔を臨機応変に使いこなして深みのある女性の人生を楽しんでほしいもの。

恋愛や結婚でも、漫画やドラマのような男女の恋愛イメージと比べて一喜一憂せず、自分が心地よく暮らすなかで無理なく付き合える男性と出会えればラッキーと考えて。女性性より男性性のほうが強く出やすいと自覚のある女性なら、パートナーとして女性的な面をもつ男性を選ぶのも、もちろんありです。

(心理コーディネーター:三吉野愛子)

※この記事は2014年12月22日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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