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【女の嘆き】うまい付き合い方って? “さとり世代の部下”を戦力に変える2つのヒント

三吉野愛子

「あの子っていいなぁ! 私なんて……」「今、私ってどう見えてるんだろう」など、他人と比較して自己評価が下がったり、同性・異性の目に自分がどう映っているかを気にしすぎたりすること、ありますよね。心理コーディネーター・三吉野愛子が、そんな複雑な女ゴコロを解説し、嘆きの処方箋を出します。自分らしく輝いて生きるヒントをチェックして!

<今回の嘆き>
昇進して部下ができ、ようやく業務が楽になるかと思ったら、逆に仕事が増えてイライラすることが増えた気がします。試行錯誤やチャレンジを避け、自己主張もせず、何を考えているのかわからない不気味な部下。これって、いわゆる“さとり世代”の特徴なのでしょうか。

一緒に仕事をする人に気持ちよく動いてもらうのは、いつの時代も難しい課題ですね。上司になったその日から部下がスイスイ動いてくれたら楽ですが、そんな部下ばかりでは上司が成長する機会がありません。部下の扱いに悩むということは、自分のコミュニケーションスキルを上げるチャンスがやってきたということ。不満を感じている相手からこそ、多くを学ぶ。この視点を忘れると仕事人としての成長ができず、気づけば同僚や部下に大きく差をつけられていた……なんてことにもなりかねません!

<女の嘆きへの処方箋>
●その1 相手が迷いなく動けるような「お願いの仕方」を心がける

例:納期間近で、関係各所からの連絡が多い日に限って社内会議も重なる。そんなとき、あなたなら部下をどのように活用しますか?

部下は所有物だと思っている上司Aの対応

「(部下と何もコミュニケーションをせず、会議で一日席をはずして戻ってきて……)私が会議で終日いないのはわかっているでしょ。代わりに仕事を進めるくらいの気を利かせられないかな? もうっ、しっかりしてよ~」

部下はパートナーだと思っている上司Bの対応

「(会議に入る前に、部下と一日のスケジュールを確認する時間をとって……)今日は会議が多くてデスクには戻れなさそうなのよ。今日は電話やFAXも立て込むはずだから、私のところで仕事の流れが止まっちゃうと困るのよね。それで、相談なんだけど、私がいない間にきた電話やFAXの相手と内容をチェックして仕分けてくれないかな。そうすると、戻ってからの各所への対応がスムーズで助かるんだけど」

上司Bのようなコミュニケーションをすると、部下には、「上司が困っていること、そして自分の力を必要としていること」が伝わります。このプロセスを面倒がると、部下には「気を利かせたほうがいいのだろうけど、余計なことをして邪魔するのもどうか」という葛藤が生まれます。助けてほしいことは具体的に伝えたほうが、相手も気もちよく動けるのです。

また、「何のために動けばいいのか」という目的や必然性が共有されていれば、部下は工夫や提案をしやすくなります。たとえば、「先輩は、自分のところで仕事の流れが止まるのが困ると言っていた。じゃあ、急ぎの要件のときは会議室まで行ってメモで知らせたほうがいいかも」などの展開です。

●その2 一方的ではなく、相互に発信するコミュニケーションを心がける

例:上層会議で決まったスケジュールを部下に伝えたところ反応が鈍い。部下が納期や自分の仕事を把握しているのかどうかが不明なとき、あなたならどうしますか?

部下は所有物だと思っている上司Aの対応

「(その場はそのままにしておいて、部下が的はずれなことをしているときに注意する)ちょっと、何やってんの? 優先順位がめちゃくちゃじゃない。スケジュールは先週伝えたでしょう。もうっ、しっかりしてよ~」

部下はパートナーだと思っている上司Bの対応

「(スケジュールを伝えたあとに、部下に提案をする)これが、この先のスケジュールなんだけど、納期が近いものも重なっているし、私が今伝えたことも十分じゃないかもしれない。そこでね、○○さんに私たちのスケジュール管理票を作ってもらいたいの。抜けているところがあれば私が補足するから、まずはざっくりでいいから作ってみてくれない? スケジュールを共有できているとわかっていれば私も安心だし」

上司Bのような対応をすると、部下は耳で聞いたスケジュールについて、理解したことを示すアクションを求められている状態になります。十分理解できていれば、スケジュール管理表を上司に提出するアクションにつながりますし、よく理解できていなければ、スケジュール管理表を作る過程で、上司に確認や質問をするアクションにつながります。

人間同士のコミュニケーションは、一方的に情報を伝えたら終わりではありません。「きっと伝わっているはず」よりは、「基本的に伝わっていない」という前提でコミュニケーションをすると腹も立ちません。また、自分が伝えるばかりでなく、相手の話をしっかり聞くことも大事です。人は、自分の話をきちんと聞いてくれる人の言うこと(指示・命令含む)を優先的に聞くのだそう。ぜひ、よりよく伝え、よりよく聞いて、部下との厚い信頼関係を構築してください。

※画像は本文と関係ありません

(心理コーディネーター:三吉野愛子)

※この記事は2014年10月30日に公開されたものです

三吉野愛子

1978年、福岡県生まれ。2001年、東京学芸大学教育学部を卒業し、教育系広告代理店に勤務しながら心理カウンセリングを学ぶ。2005年より心理カウンセラーとして活動するかたわら、TV、ラジオ、雑誌の企画監修などを手がける。著書に『恋愛ダメ子の診療所』(日経ウーマン選書)。現在、東京を拠点に、現在、心理カウンセラーとして活動中。

●三吉野愛子カウンセリングオフィス ブログ
http://blog.goo.ne.jp/dearlife_2015

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