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あなたはガタガタ? フラット? 意外に知らない基礎体温のヒミツとは

妊娠・出産というと、まだ遠い先の話かもしれませんが、産む産まないに関係なく「産むのに必要なカラダ」について知っておいて損はないはず! “そのとき”が来たら、はたして自分は産めるカラダなの? そもそも、妊娠・出産ってどういうもの? 自覚症状がないまま進むカラダの異常って!? 知らないことだらけの「いつかそのとき」のために、ぜひ女子のみなさんに見ていただければと思います。

「基礎体温を測ってみましょう!」とよく女性誌などでいうのを見かけますよね。何となく知識では知っていても、いざ測ってみると、これは異常? セーフ? 意外と見方ってわからないもの。それどころか、そもそも基礎体温って「う~ん、必要なの?」というホンネもチラホラ。

22~34歳の働く女性にアンケートで聞いてみたら、「自分の基礎体温が、いいのか、悪いのかよくわからない」という声が圧倒的に多いことが判明! そこで今回から数回にわたって、将来の妊娠を念頭においたときに基礎体温をどう活用したらいいのか、生殖医療がご専門の片桐由起子医師(東邦大学医学部准教授)に聞きました。実践的な知識を身につけましょう!

◆読者から寄せられた基礎体温にまつわる素朴な疑問

こんな声が寄せられました! あなたはどの声に共感!?

「そもそも、子どもを望む人以外が基礎体温を測るメリットは?」
「生理不順な人は測る必要がないと思うのですが?」
「自分の基礎体温が正常かどうか見てもわからない」
「起きる時間がちがったら正確に測れないもの?」
「高温期になるときの上昇の仕方が鈍いのは異常か」
「仕事上不規則な生活をしているので、同じ時間に測れないし、睡眠時間も3~4時間のときがあり、それできちんとわかるのか疑問」
「いつが妊娠しやすいの?」
「そもそも、体温の変化が何を意味する?」
「一応2相にはなっているが、体温の上がりと下がりがゆるやかなのは平気?」
「かなりガタガタで、高温期が短い状態で生理がきたり、低温期で生理がきたりする。これが正常なのか」
「けっこうジグザグなので、排卵日がいつだかわからない」
「カーブになってはいるが、ガタガタなのか健康なのかわからない」
「薬を飲んでいるけど、きれいに2相にならないのはそれが影響か?」
「体温の変化がほとんどない」
「体温計は、予測式、実測式、水銀どれがいい?」

アンケートへの回答は次回以降、順番に解説しますね。今回はまず基礎体温の見方からスタート!

◆基礎体温の理想的な波形は?

―まずは基礎体温グラフで理想的な波形を教えてください

一定の期間基礎体温をつけたときに、いちばん注目したいのはグラフの「波形」です。何℃だったかという絶対的な温度ばかりを気にされる方もいますが、じつは、本当に重要なのはグラフの波形なんです。数字は体温をグラフにするためのツールで、数字そのものが重要ではありません。

◆波形に見る正常・異常を見わけるポイントは?

(1)高温期と低温期にわかれていますか?

1周期分の基礎体温をとってみましょう。それをグラフにしたときに「高温期の平均」と「低温期の平均」の温度差が何℃ありますか?

高温期と低温期にわかれているかを見わけるには、それぞれの期間での平均の温度差がどれくらいあるかを見てみましょう。

※基礎体温専用の用紙には赤い基準線が引いてあって、これより下とか、上とかで高温か低温かを判断している方がいますが、これは間違いです。大切なのは、線より上か下かではなくて、低温の時期と高温の時期があるかどうかです。日ごろの体温が低い方は、高温期でも体温は基準線より低く記録されることになります

(2)温度差が0.3℃以上ありますか?

高温期の平均と低温期の平均の温度差は、0.3℃以上必要です。高温期と低温期が0.3℃以上ありますか? あれば「排卵アリ」だと推測できます。

(3)高温期が10日以上ありますか?

高温期が10日未満だと、黄体機能不全という黄体ホルモンの分泌不足が疑われます。それが原因で妊娠しにくくなっていることもあります。

★理想的な基礎体温の波形

 

<check! 異常な波形を見わけるポイント>

・高温期と低温期にわかれていない
・高温期と低温期にわかれていそうだけど、温度差が0.3℃未満
・高温期が10日より短い
・高温期の平均や、低温期の平均を出すのが困難なほど、波形にガタつきがある

★異常な基礎体温の波形

 

基礎体温の記録がどんなときに役に立つのかいますぐ知りたい場合は、こっちの記事もチェック!

※マイナビウーマン調べ。2014年4月有効回答数205件

(取材協力:片桐由起子、文:小池直穂、イラスト:macco)

※画像はイメージです

※この記事は 総合医学情報誌「MMJ(The Mainichi Medical Journal)」編集部による内容チェックに基づき、マイナビウーマン編集部が加筆・修正などのうえ、掲載しました(2018.07.05)

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

産婦人科医 片桐由起子(かたぎりゆきこ)先生

 

 

1992(平成 4 )年 3月 東邦大学医学部医学科卒業
1992(平成 4 )年 4月 東邦大学大学院医学研究科入学
1996(平成 8 )年 3月 東邦大学大学院医学研究科修了
1996(平成 8 )年 4月 東京都立荏原病院(現:財団法人東京都保健医療公社荏原病院)勤務
1998(平成10)年 7月 東邦大学医学部産科婦人科学講座研究生
1999(平成11)年 3月  東邦大学医学部産科婦人科学講座助手
2001(平成13)年 7月  Center for Reproductive Medicine and Infertility Weil Medical College, Cornell University 留学
2005(平成17)年 4月  東邦大学医学部産科婦人科学講座助手復職
2007(平成19)年 7月  東邦大学医学部医学科産科婦人科学講座講師
2010(平成22)年 7月 東邦大学医学部医学科産科婦人科学講座准教授
2010(平成22)年12月 東邦大学医療センター大森病院リプロダクションセンター副センター長
2010(平成22)年12月 東邦大学医療センター大森病院臨床遺伝診療室室長 兼任
現在に至る

日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
日本生殖医学会 生殖医療専門医
日本人類遺伝学会、日本遺伝カウンセリング学会 臨床遺伝専門医
日本周産期新生児医学会周産期(母体胎児)専門医
日本内分泌学会 専門医

※この記事は2014年10月11日に公開されたものです

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