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家事代行サービス最前線 失敗しない業者選び5カ条「得意分野を確認」「担当者に会う」

掃除を代行する女性女性の社会進出やライフスタイルの多様化により、家事代行サービスに注目が高まっています。にわかに利用者が増えたことによって新規参入業者も増えており、今年8月には全国で初めて「一般社団法人全国家事代行サービス協会」が設立されました。

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文字通りさまざまな家事を代わりに行ってくれるものですが、「掃除だけでしょ?」「高いんじゃ?」とまだ誤解が多いのも事実。そこで今回は、家事代行サービスを専業主婦、働くママなどタイプ別に人気のサービスを紹介しつつ、自分に合ったサービス、業者を選ぶコツをご紹介します。

■そもそも「家事代行」って、何?

家事代行サービスとハウスクリーニングのちがいは、大きく次のようにわかれます。

○ハウスクリーニング
自分たちではできない、換気扇やレンジフードなどの専門清掃が主である。

○家事代行
自分でもできる家事をお願いできること。業者にもよるが、掃除、洗濯、買い物、料理、中にはペットの散歩やベビーシッターまで、広く家事全般を行ってくれる。

独居世帯や夫婦共働きの世帯は家事に割ける時間が限られていますし、体力的・精神的な負担も大きくなります。そこで、日中留守にしている間に家事代行サービスを利用するという人が増えているそう。昨今は待機児童の問題や高齢者の独居世帯の増加などにより、世代を超えて幅広く家事代行サービスに対するニーズが高まっているのです。

■どんなサービスが人気?

しかし、家事代行サービスにはどのようなサービスがあるのか、よくわからない人も少なくありません。家事代行サービスの現状について、株式会社ベアーズの専務取締役であり、全国家事代行サービス協会の副会長を務める高橋ゆきさんにお話をうかがいました。

高橋さんによると、家事代行サービスの需要が高まっている一番の理由は、女性の社会進出。「家の中の仕事は女性がやるもの、といった考え方は既に古いものとなっています。とりわけここ6~7年、法整備などを通じて女性の自立が重視され、またライフスタイルの多様化により、家事をアウトソーシングしようと考える人が増えてきました」(高橋さん)

特に日常の掃除関係の利用が多いそう。「サービスを提供する会社によって『料理を専門にしている』『子ども関連を扱っている』など得意分野はさまざま」とした上で、高橋さんはそれぞれの世代に人気の、あるいはオススメのサービスを次のように具体的に教えてくれました。

「未婚で一人暮らしの方の場合は、夜、寝に帰るだけというような方が多く利用しています。たとえば月に2回だけでも来てもらって、溜まったアイロンがけと水周りを依頼する、といった需要が多いですね。

既婚でお子さんがいる場合は、子どもの送り迎えと留守番をして、その間にできる家事をやりながら両親どちらかの帰宅を待つ、といった利用法がオススメです。もちろん十人いれば利用法は十通りなので、一概には言えませんし、子ども関連のサービスは取り扱っていないという業者もあります」

■どうやって頼めばいいの?

「利用法は十人十色」ということですが、どのようにして頼めばいいのでしょうか。実際にシミュレートしてみたいと思います。

まずは家事代行業界大手のダスキン メリーメイドでは、「お掃除おまかせサービス」「家事おてつだいサービス」「おかたづけサービス」の主に3種類のコースから選択できます。

電話か店舗に問い合わせをすると、折り返し連絡が来て日程を調整したのち、お店の担当者が自宅に来訪。打ち合せと見積りは無料となっています。

家族構成や掃除の頻度、よく使う場所などをヒアリングしてから、どのコースで利用者の要望に答えられるか判断し、実際の作業日を決定。定期利用コースのほか、単発での利用も可能です。料金の一例としては、2カ月に1回、計3カ所の掃除箇所を選ぶ定額サービスで1回21,000円~25,200円です。

ダスキン メリーメイド開発部サービス開発室の有馬奈歩さんによると、「お掃除おまかせサービス」の場合は、持参の清掃用具を使用する「プロの清掃」となります。「家事おてつだいサービス」の場合は、清掃はもちろん家事全般を依頼することができ、利用者の自宅にある清掃用具を使用し、利用者の掃除の仕方に合わせて、指示を聞いて作業を行うそうです。

一方、「家事代行サービス」という言葉を14年前に使用し始めたという業界のパイオニア、株式会社ベアーズでは、フリーダイヤルもしくはホームページのフォームから問い合わせると、折り返し連絡が来て、一度サービス案内のために営業担当者が利用者の自宅へ来訪します。

家族構成や間取り、特に困っていることなどをヒアリングし、実際の汚れ具合などを見て回った後、「週に○回、○時間あれば、水周りとフローリングとここまでができます」と具体的なプランを提示してくれるそう。家事代行サービスの料金は1時間2,350円(税抜)から、無料で見積もりが可能です。

前出の高橋さんによると、ベアーズでは掃除に限らず、資格または経験を持つ専任スタッフによるキッズ&ベビーシッターサービスや、高齢者を家族介護する家庭での支援など幅広く行っており、それぞれのニーズに応じた対応が可能とのこと。例えば、子どもを見てくれている間に家事もやってくれるのは、一石二鳥ですよね。

■サービス利用時の注意点は?

家事代行サービスは便利とは言え、「見知らぬ人を自宅に上げるのは不安」「どの業者がいいのかわからない」と二の足を踏む人もいることでしょう。そこで、一般社団法人全国家事代行サービス協会設立の経緯も含め、そうした不安を高橋さんに尋ねてみました。

協会設立の目的は、「さらなるサービスの品質向上と人材の育成」。具体的には、勉強会や研修を行い、加盟企業への支援を行っているとのこと。将来的には認証マークのような制度や検定試験の導入などを通じて、「全国家事代行サービス協会に加盟していることが信頼の証」となることで、「安心してサービスを利用してほしい」と高橋さん。

そこで、安心してサービスを利用するための、業者選びのコツをうかがいました。

「業者によって、実際のサービス開始までのプロセスはさまざまです。一番重要なのは、たとえば『水まわりを特にきれいにしてほしい』『小さい子がいるのでホコリが気になる』など、利用者が何を重視しているかというポイントをしっかりと伝えること。ホームページに惑わされずに、担当者と面会し、応対に直接触れて確認してみることも重要だと思います」(高橋さん)

自宅に人を上げるのが不安だという声に対しては、昨今家事代行サービスを行う会社は、たとえば清掃専門の会社、保育の会社など他業種から新規参入している現状があり、「正直に申し上げるとすべての業者について保証はできません」と高橋さん。

しかし、少なからず家事代行サービス協会に加盟している企業においては、各社ともしっかりとした研修・人材育成を行っているそうです。

同様の質問をダスキンにも尋ねたところ、身元が確かで、ダスキンのお店と雇用関係を結んでいる、メリーメイドの研修・教育を受けた家事経験豊富なスタッフがうかがうとのこと。また、直接作業する人とは別に、お店の担当者を介して契約を行うため、サービス内容についての要望やクレームが伝えやすいよう配慮しているとのことでした。

これらをもとに、業者選びのコツをまとめると以下のポイントが挙げられます。

~失敗しない業者選び5カ条~
1.業者によって異なる得意分野を事前に確認する
2.自分が特に何を重視しているかを明確に伝える
3.定期利用を希望しない場合、単発の使用が可能か確認する
4.サービスを利用する前に担当者と直接会ってやり取りをする
5.見積もりは事前に出してもらう

■家事代行サービスは「ちょっと何かあったときの心の保険」

「家事代行サービスとは、その作業自体の提供よりも、利用される方々に心のゆとりを提供したい、というのが真の目的です。会社によっては単発での利用も可能ですから、気ぜわしい、夫婦互いの連携がなかなか取りづらい現代における『ちょっと何かあったときの心の保険』として家事代行サービスを活かしてほしいです」と話す高橋さん。

パートナーを思いやる気持ちの体現として、家事代行サービスは大きな可能性を秘めているように思います。

一見、「富裕層向けのサービス」と思ってしまいますが、高橋さんによると一人暮らしの利用者も増えており、年齢や収入を問わず幅広い世代に浸透し、リピーターも増えつつあるとのこと。お金持ちのためだけのサービスという時代は終わったと言いきれそうです。

今回ご紹介したダスキン、ベアーズともに、サービスを利用できるチケットをプレゼントできるギフトサービスを行っています。もうすぐ来る11月23日・勤労感謝の日には、旦那さんから奥さんへ、あるいはお子さんからご両親へ、家事代行サービスギフトを贈ってみてはいかがでしょうか。

全国家事代行サービス協会
http://www.kaji-japan.com/
ベアーズ
http://www.happy-bears.com/
ダスキン 家事の代行サービス
http://www.duskin.jp/service/merrymaids/index.html

(OFFICE-SANGA 鈴木亮介)

※この記事は2013年11月08日に公開されたものです

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