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セラピストとは?「マッサージ師」と「セラピスト」の違い徹底解説。資格はいるの?

ストレス社会の昨今、整体やマッサージを行い心身のストレスを癒やすセラピストという職業が注目されています。ではこのセラピストにはどうすればなれるのでしょうか? またマッサージ師とは違うのでしょうか? セラピストを養成する、日本ボディーケア学院の学院長・谷口光利さんにお話を伺いました。

マッサージ師とセラピストは違うもの

――マッサージ師や整体セラピストになるにはどうすればいいのでしょうか?

谷口さん そもそも、マッサージ師とセラピストは違うものなのです。まず、マッサージ師は「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格が必要となります。

――マッサージ師は国家資格が必要なものなのですね。マッサージ師の資格を取得するにはどうすればいいのでしょうか?

谷口さん 資格を取得する専門学校などで数年間学び、その後、国家試験に合格することで取得できます。この資格を有していれば、マッサージのお店などを開くことができます。しかし、私たちが行っている「セラピスト」というものには、国家資格は必要ありません。独自にマッサージの方法などを教えているものです。

――資格の有無が一番大きな違いなのですね。

谷口さん そうですね。街中でよく見かける「エステ」などもセラピストにあたります。ただ、マッサージ師もセラピストも線引きがあいまいでして、「マッサージ」とひとくくりにされているのが現状です。

――確かに、いま国家資格のお話を伺うまでは、全く同じものだと思っていました。こうしたマッサージ師やセラピストになりたい人というのは、増えているのでしょうか?

谷口さん マッサージ師は国家資格なので、毎年多くの人が受験し、合格しています。ただ、近年ではセラピストも増えていると思いますね。マッサージ師になるためには数百万円もの学費が必要ですので、国家資格を有する方がいいと分かっていても、国家資格のいらないセラピストの道を選んでしまう人もいるようです。

――施術内容が似ているのなら、費用がかからない方を選びたいと思ってしまうのでしょうね。

現場ではしっかりと学べないケースも……

――セラピストになるには、どのようなことを学べばいいのでしょうか? 初心者がいきなりマッサージを行うお店に入り、そこで教えてもらうこともできるのでしょうか?

谷口さん お店などでも教えてもらうことは可能でしょう。しかし、業務が慌ただしかったり、手間をかけられなかったりで中途半端になってしまうケースが多いようです。うわべの技術だけ教えてそれでおしまいという場合もありますからね。

――現場で学べないことはないけれども、一から十までしっかりと学べるケースは少ないのですね。

谷口さん しっかりと教えることのできる体制が整っているお店は少ないですよ。お店で十分に学べなかった人が、マッサージとはどんなものか、技術だけでなく知識も身に付けたいとの理由で当学院に入校するケースも多くあります。

学院では技術だけでなく、ホスピタリティも教える

――日本ボディーケア学院ではどのようなことを教えているのでしょうか?

谷口さん 私自身が、針灸師、マッサージ師、また柔道整復師という事もありまして、当学院では東洋医学を中心とした内容を教えています。ツボや気の流れ、また基礎的な解剖学も教えています。

――解剖学ですか。

谷口さん 骨や筋肉の付き方などをちゃんと理解していないと、正しい指圧やマッサージを行うことはできません。

――単純にマッサージするのと、なぜこの部分を施術するのか理解してやるのとでは、全く違うでしょうね。

谷口さん また、接客方法も教えています。技術や知識も大事ですけれど、やはりお客さまがどんな施術を求めているのかをしっかりと聞き、それに応えてあげることが一番だと思っています。

――人と触れ合う仕事だけに、本当に大事な部分なのでしょうね。

谷口さん また、「お客さまからお金をどうやっていただくのか」というのも指導させてもらっています。セラピストとして従事する方は真面目な人が多く、対価をちゃんといただくことに控えめな人もいます。ただ、それがずっと続くと、セラピストの仕事を続けていくことはできません。

――下世話な話ですが、お金は本当に大事なものですからね。

谷口さん お店をつぶしてしまうことが、お客さまに対して一番やってはいけないことだと思います。そうならないためにも、ちゃんと対価をいただくことを教えています。

――街のサロンでは、こうしたしっかりとした接客やお金のいただき方を教えてもらえないかもしれませんよね。

谷口さん ただ、お金をいただくからには、しっかりと技術も知識も身に付け、お客さまに満足していただかないといけないと思います。

――そう考えると、うわべの技術だけのお店があるのは悲しいですね。

谷口さん 本来マッサージというものは、国家資格を持った人が行うものです。しかし、今の日本は先に述べたように線引きがあいまいです。無資格とあるとはいえ、純粋にお客さまのために施術を行った場合で、罪に問われたという話を聞いた事がありません。資格を有する人からすると腹立たしいことだと思います。

セラピストの人たちは、そういった幸せな環境であることを理解し、謙虚な気持ちで取り組んでもらいたいですね。

まとめ

マッサージ師とセラピストの違いや現状、学院で学べることなどを伺いましたが、いかがだったでしょうか? 昨今注目されている職業だけに、読者の皆さんの中にも「セラピストになりたい」と思っている人がいるでしょう。そういった人たちは、ぜひ谷口学院長が述べられたような「謙虚な姿勢」を意識しながら、セラピストとして活躍してもらいたいですね。

監修:日本ボディーケア学院
日本ボディーケア学院は、独立開業しフリーランスとして活躍するセラピストを育成、サポートします。詳細は、HPをご覧下さい。また、YouTubeでも、毎日、講義の様子や健康情報を動画でお届けしています。

(貫井康徳@dcp)

※この記事は2013年10月16日に公開されたものです

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