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オーパーツのウソと本当!「クリスタルスカル:偽物」

「オーパーツ」という言葉を知っていますか? Out Of Place Artifactsの略で「OOPARTS」、「場違いな工芸品」という意味です。本来はその時代にあるはずがない工芸品、製造過程が不明な工芸品がこう呼ばれるわけですが、「もしや宇宙人が……」といったオカルチックな想像がされがちです。さて、このオーパーツ、本当に来歴不明なのでしょうか。

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●クリスタルスカルの伝説

映画『インディー・ジョーンズ4』にも登場した「クリスタルスカル」。水晶を彫って作った骸骨です。実は、クリスタルスカルは世界にいくつもあって(13個といわれています)、最も有名なものは「ヘッジスの水晶どくろ」と呼ばれるものです。

これは、イギリスの探検家フレデリック・アルバート・ミッチェル・ヘッジスという探検家が、ユカタン半島の古代マヤ文明の遺跡ルバアントゥンを発掘調査した際に発見したということになっています。

しかし、実はこれが非常に疑わしく、確証はないものの、おそらくルバアントゥンで見つかったものではないことが定説になっていました。そして2008年、スミソニアン博物館で調査が行われました。

その結果、ダイヤモンドの研磨剤を用いた痕跡が発見されました。つまり、古代マヤとは何の関係もない近代の工芸品であることが分かったのです。残念ながらインチキだったわけです。

●アカンバロの土偶

1945年7月、メキシコのアカンバロという小さな村で、土偶が発見されました。1個や2個ではありません。なんと3万体以上という大量の土偶です。その中には恐竜のようにしか見えない土偶があり、これが後に「アカンバロの恐竜土偶」といわれるようになります。

この土偶の破片を年代測定にかけたところ、紀元前4500年前までさかのぼる結果も出たとのことで、「ここから人類と恐竜は実は共存した時代があったのでは?」というロマンあふれる話になっています。

しかし、この土偶がくせもので、学者が調査した結果、土偶の発見現場には明らかな埋め戻しの跡があり、ねつ造されたことが分かっています。

また、土偶は恐竜に見えるもののほかに、カバのような顔をした半獣人の土偶があるなど、さすがにそんな生き物がいたとは思えず、結論からいえば全く信用の置けないものなのです。

●黄金の飛行機

古代にはオーバーテクノロジーがあった! という主張のたびに引き合いに出されるのが、この「黄金の飛行機」です。最近では、「黄金のスペースシャトル」とグレードアップして呼ばれることもあるそうです。

コロンビアで発見された黄金製の装飾品で、デルタ翼、垂直尾翼、水平尾翼がある、まさに飛行機にしか見えないものです。鑑定によれば、紀元500-800年にあったシヌー文化の遺物といわれています(もっと古いという説も)。

しかし、実は同じように発見された他の装飾品は、このような見事な飛行機の形をしてはいないのです。尾翼がなかったり、ヒレや羽の模様が施されていたりなど、エイや鳥、魚をモチーフに作られたもののうち、たまたま一つだけが飛行機に似ていた、という説が最も有力なのです。

ですから、この装飾品だけで古代にオーバーテクノロジーがあったなどというのは、明らかに早計に過ぎますね。

●アンティキティラ島の機械

正体が分かって「素晴らしい!」と評価が一転した、おそらく唯一のオーパーツがこれです。1901年に、ギリシアのアンティキティラの沈没船から発見された、歯車式の謎の機械で、紀元前150-100年に製作されたものと推定されました。

今から2100年ほども前のもので、さびついて部品も失われていたため、何に使ったものか、またどのような来歴のものなのか一切が不明で、オーパーツとされてきました。

しかし、近年その謎が解かれたのです。「アンティキティラ島の機械研究プロジェクト」では、この機械を丁寧に調査し、失われた部品を推定、当時のままに復元する試みがされました。その結果、天体の位置を予測可能な「アナログ天文計算機」あるいは「太陽系儀」であると結論付けられたのです。

このアンティキティラ島の機械に関しては、「オーパーツだ!」と騒がれて良かったようです。というのは、もしそんなふうに騒がれなかったら、注目も集まらず、一生懸命研究する人はいなかっただろうといわれているからです。皮肉なものですね(笑)。

(C)Nemequene

(高橋モータース@dcp)

※この記事は2013年10月11日に公開されたものです

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