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お楽しみ出費が将来の自由を損なう!? 趣味&貯蓄のバランス術

花輪陽子

恋愛、転職、結婚、出産……、さまざまなライフイベントに、マネーの悩みはつきもの。なかなか人には相談しにくいお金とライフプランのお悩みを、編集部が読者に代わり、FP花輪陽子さんにガチンコ相談!

スノーボードにケーキ教室と趣味も充実。楽しさいっぱいの生活を送っているように見える、つなさんですが、将来のお金のことを考えると心配になることもあるとか。貯蓄はあるものの、果たして、これで十分な額といえるのかどうか……。趣味と貯蓄の両立について、さらに詳しくFP花輪陽子さんに聞いてみました。(取材・文/島影真奈美)
※つなさん前編はこちら

  • 「24歳になる前に何かはじめたい!」と一念発起し、スノーボードをはじめてから今年で6年目になる、つなさん。2012年は年10回参加。仲間と一緒に日帰りプランを活用することが多いそう。

編集部 今回の相談者であるつなさんの悩みは、ある時期から貯金が増えなくなってしまったことです。社会人になってすぐのころは奨学金を毎月一定額返済しながら、さらにまとめて一括返済できるよう貯金もできていたとか。

花輪 奨学金は今も返済し続けているんですか?

編集部 一括返済のために貯めていたお金で、社会人5年目にさしかかったころに全額返済しています。毎月一定額の返済のみだと、34歳まで返済を続けなければならなかったので、貯金しておいて繰り上げ返済したそう。ただ、その後は、これといって貯蓄の目的も見つからず、“あればあるだけ使ってしまう”というクセがついてしまったようです。

花輪 奨学金の返済が終わったことで安心してしまったのかもしれませんね。しかも、貯金もゼロになったわけではなく、約300万円ありますし。

編集部 つなさんご本人も「貯金が約300万円あることで安心してしまっているかも」と言っていました。ちなみに、貯蓄300万円は29歳という年齢を考えたときに“安心してもOKな金額”なのでしょうか。

花輪 同世代の貯蓄額を知りたいときは「家計の金融行動に関する世論調査」(金融広報中央委員会)※ が参考になります。平成24年の調査結果を見ると、30代貯蓄額の平均は499万円。中央値は150万円です。

編集部 「平均」と「中央値」はどうちがうんですか?

花輪 平均値の場合、すべての数字を足して人数で割ったものなので、極端に貯蓄が多い人がいると、数字が簡単にはねあがってしまいます。一方、中央値は数字を小さい順に並べていったときに、“ちょうど真ん中”に来る数字を指します。平均値だけを見て一喜一憂するのではなく、中央値もあわせてチェックすることをオススメします。

編集部 つなさんの貯蓄額は、同世代と比べてかなり順調なほうだと言えそうですね。

花輪 そうですね。ただ、気をつけたいのは、30代になると結婚や出産、仕事を続けるのか、そもそも仕事を続けられるのかどうか、といった決断の連続。選択肢によっては今よりもお金を貯めづらくなる可能性もあります。自分は今までどおり働き続けたいと思っていたけれど、家族の事情でパートで働かざるを得なくなったり、彼の収入だけで生活しなくてはいけなくなったりするかもしれないんです。

編集部 自分だけの意志ではどうにもならないことも起こりうるんですね。

花輪 そうなると、今ほどぜいたくはできなくなるし、今持っている貯蓄の中から少しずつ崩して使うことになります。

編集部 今のうちから、もう少し貯蓄に回す金額を増やしたほうが安心でしょうか?

【次ページ】独身時代と結婚後では「支出の優先順位」がガラリと変わる

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