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2021年02月15日 12:31 更新

【知育】『ぐりとぐらのおきゃくさま』でダイアロジック・リーディング『ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』Vol.6

ハーバード大学をはじめ、アメリカの大学で長年研究されてきた「ダイアロジック・リーディング」。その手法について紹介した書籍、『思考力 読解力 伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版)より、子どもの能力を伸ばす読み聞かせメソッドを紹介します。最終回は絵本『ぐりとぐらのおきゃくさま』で実例を紹介。

絵本『ぐりとぐらのおきゃくさま』でダイアロジック・リーディングに挑戦

Lazy dummy

読み聞かせの定番。探偵気分で子どもとワクワク

「ぐりとぐら」シリーズは、日本のみならず、世界中に多くのファンを持つベストセラーです。
ほどよく情報量を絞った絵と、ワクワクする話の展開で、子どもの興味を引くように描かれています。ちなみに「ぐり」と「ぐら」という名前は、フランスの絵本に登場するネズミが「グリッグルグラッ」と歌っていたことに由来しているそうです。
ここで紹介する『ぐりとぐらのおきゃくさま』は、外でたまたま見つけた大きな長靴の足跡をたどって、まるで探偵のように少しずつ手がかりを見つけながら、その長靴の主を見つけるまでのお話です。その正体はまさかのサンタクロースなのですが、あえて本文には「サンタクロース」という単語は出てきません。
ぐりとぐらのおきゃくさま
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この作品にかぎらず、「ぐりとぐら」シリーズは、子どもの想像力を搔き立てやすい物語が多いので、親子で一緒にいろいろ話をしながら読み進めるのに最適です。
また、絵の場面展開もはっきりしているので、子どもにアドリブで読んでもらうのにも向いています。
作品自体の魅力に加えて、子どもにとっても楽しクリスマスの記憶とも結びつくこの絵本は、大人になっても大切な「思い出の1冊」になることでしょう。

では、具体的なやりとりの例を挙げていきましょう。

何質問

ぐりとぐらが穴を見つけて驚くページでは、「これなんだと思う?」とか「これ何かと似てない?」と聞いてみましょう。

子どもの生活と関連した質問

長靴の足跡だとわかってたどっていくシーンでは、「〇〇ちゃんだったらどうする?」など、内容を自分に引き寄せて考えさせる質問をしてみてください。
「僕も探しに行く」と言ったときには、「ママ(パパ)にちゃんと教えてね。知らない人と行っちゃだめだよ」といった安全について考えてみるのもいいことです。
ようやく長靴にたどりついたところでは、ぐりとぐらの大きさを長靴と比較してみましょう。「ぐりとぐらの背と同じ高さの長靴を履く人って、どんな人だろうね?」という質問をして、子どもに考えさせます。
また、「前におうちへ帰ったときに大きな靴があって、『あ、誰かきたかな?』って話したの覚えてる?」と話を膨らませるのもいいでしょう。
そして、真っ赤なコートや帽子が出てくる場面で「誰かわかった?」と聞いてみると、子どものサンタクロースに対する理解度がわかるかもしれません。
真っ赤なコートを着た白いひげのおじいさんが出てきたら、「これ誰でしょう?」とか、「これ誰か知ってる? 」「〇〇ちゃんのところにもこの人くるかな?」「〇〇ちゃんのところにも去年きたね? 」などと聞いてみるといいと思います。
本文にはサンタクロースという単語は出てこないので、こういった質問によって子どもの語彙力もわかるはずです。

決まった答えのないやりとり

カステラのにおいに気づくページでは、「誰が焼いてるのかな?」と、子どもの想像力や予測能力をたしかめる質問をしてみましょう。
そして、最後のパーティーのシーンにはたくさんの動物が出てくるので、それぞれの名前をたずねたり、「〇〇ちゃんはこんなにたくさんの動物がおうちにきたら楽しいかな?」とか、今年のクリスマスについて親子で考えてみてはいかがでしょう。

書籍『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』について

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いつもしている絵本の読み聞かせに、「親子でやり取りをすること」をプラスするだけで、子どもの能力が飛躍的に伸びる「ダイアロジック・リーディング」について解説した本。子ども自身が情報を読み解き、自分で考え、その考えを相手に論理立てて主張する力を育てます。効果を最大化する工夫やコツのほかに、「この絵本では、こういう問いかけをするといい」といった具体例も紹介されているので、忙しいパパ・ママでもすぐに実践できるのがポイントです。

(文:加藤 映子『思考力・読解力・伝える力が伸びる ハーバードで学んだ最高の読み聞かせ』(かんき出版)より一部抜粋/加筆修正マイナビ子育て編集部)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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