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2021年01月22日 21:00 更新

【2021年1月】絵本のプロが選ぶ 0~3歳年齢別おすすめ3冊「おしくら・まんじゅう」ほか

東京は神保町にある絵本専門店「ブックハウスカフェ」が全面協力! プロが選ぶおすすめの絵本をセレクトして、毎月紹介します。

0歳向け

【写真左】ごろんご ゆきだるま(たむら しげる/福音館書店)

ふわふわした雪の中に、ごろごろごろんご、雪だるまができました。
著者のたむらしげるさんがご自身で染めた布で1針ずつ縫って描かれた絵は、布の質感と手作りの雰囲気が雪のふわふわ感を演出します。寒い日のお話のですが、ぬくもりがあってほっこり。少しずつ雪だるまが完成していく様子は、まるでアニメーションのようです。

【写真中】へっこぷっとたれた(構成・文:こが ようこ、絵:降矢 なな/童心社)

「おいっちに」のリズムが愉快な、わらべうたの絵本です。「わらべうた」と聞くと、とっつきにくいイメージを持つ人もいらっしゃいますが、実際に言葉を声に出してみると自然とリズムにのったフレーズになるので、ぜひ赤ちゃんと一緒にお楽しみください。
この絵本は、「わらべうたでひろがるあかちゃん絵本」というシリーズの1冊。20年以上、子どもとお話をつなぐ活動に携わってきた、こがようこさんが選んだわらべうた絵本のシリーズなので、初心者の方にも特におすすめです。

【写真右】あかちゃんごきげん きらきら(作・絵:新井 洋行、監修:山口 真美/ くもん出版)

「生後7~8カ月の赤ちゃんは、光沢感があってキラキラした金色を好む」という、中央大学の赤ちゃんラボ、山口真美先生の研究をもとに誕生した絵本です。
夜空を連想する黒の背景に、新井洋行さんの描く可愛い金色や白のお星さまが登場します。そこに「きらー!」や「ぱっ」などのオノマトペが散りばめられていて、イラストにも言葉にも赤ちゃんが喜んでくれそうな要素がいっぱいです。

1歳向け

【写真左】おふろでちゃぷちゃぷ(文:松谷 みよ子、絵:いわさき ちひろ/童心社)

「あひるちゃん どこいくの」「いいとこ いいとこ」とあひるちゃんが向かったのは、お風呂でした。
1970年に出版され、長く愛されている絵本です。あひるちゃんが「はやく おいで!」とお風呂に誘ってくれるので、お風呂タイムの前におすすめです。その後に「まって まって」とセーターやズボンを1枚ずつ脱いでいく男の子の姿がとても愛らしい。いわさきちひろさんの淡く優しい絵が、お風呂の湯気のように心をあたたかくしてくれるようです。

【写真中】くつしたくん(作:中川 ひろたか、絵:100%ORANGE/ブロンズ新社)

赤と黄色の仲良しくつしたが、一緒に遊んでいるうちに、うさぎさんに出会いました。
“くつした”という小さいお子さんにとって身近なものが主人公なので、くつしたをいっぱい履く寒い季節にたくさん読んでいただきたい絵本です。
あたたかみのある赤と黄色のくつしたがとってもキュートで、テンポのよい言葉に、読み手側も楽しくなってきます。また小さな正方形の絵本なので、子どもたちの小さい手にも合うサイズなのも魅力的です。

【写真右】いちごさんがね・・(とよた かずひこ/童心社)

「いちごがろっこ ずんずんずん」。いちごたちはカエルがきても、ヘビがきても、ずんずん進んでいきます。いちごたちはどこへ向かっているのでしょうか!?
ほぼ「いちごがろっこ ずんずんずん」のフレーズだけで展開する物語は、絵を見ているだけも内容がわかるので、「そろそろお話の絵本に触れたいな」と思っている小さい読者さんにおすすめです。

2歳向け

【写真左】おしくら・まんじゅう(かがくい ひろし/ブロンズ新社)

紅白まんじゅうが、納豆やこんにゃくなどいろんな子とおしくらまんじゅう。おされたみんなはどうなるでしょう?
冬の遊びの定番「おしくらまんじゅう」。まんじゅうだけじゃなくて、いろんなものと「おしくら〇〇」するというアイディアが素晴らしい! また、場面が変わるごとに出てくる「そーれ」の掛け声が、「次はどんな子が出てくるのかな?」とわくわくする気持ちを盛り上げてくれます。大人も子どもも一緒になって笑える一冊です。

【写真中】きらきら(作:谷川 俊太郎、写真:吉田 六郎/アリス館)

雪の結晶の写真と、谷川俊太郎さんの詩を味わう絵本です。
「雪の結晶写真の先駆者」と呼ばれている吉田六郎さんの写真はとても美しく、自然界はこんなにきれいな形を作るのかと感動します。谷川さんは、「きれいだね」「ふしぎだね」「なめたらあまいかな?」といろんな角度で感じた雪の姿を伝えてくれます。
2歳さんには難しい内容ですが、写真絵本の魅力も感じてもらえればうれしいなと思い選びました。長い期間読んでいただける絵本として、おすすめです。

【写真右】しきぶとんさんかけぶとんさんまくらさん(高野 文子/福音館書店)

寝る前に男の子は「ぐっすり眠れますように」と、しきぶとんさん、かけぶとんさん、まくらさん、にそっとお願いすると、「まかせろ まかせろ」と頼もしい言葉で答えてくれます。
著者は、2003年に『黄色い本 ジャック・チボーという名の友人』で手塚治虫文化省マンガ大賞を受賞した漫画家の高野文子さん。柔らかい線で描かれた絵と頼もしい言葉が包み込んでくれるので、読んでいるだけでお布団に入ったときの幸福感が味わえます。一日の終わり、安心して眠りにつきたい夜にぜひ。

3歳向け

【写真左】うし(詩:内田 麟太郎、絵:高畠 純/アリス館)

2021年は丑年です。「うしの絵本」と聞いて真っ先に頭に浮かんだのが、こちらの絵本。
詩人の内田麟太郎さんの詩に高畠純さんが絵を描いた一冊で、著者のお2人ともが「うしだけしか出てこない詩をどうやって絵本にするんだろう」と思ったとか。
「うしうしろをふりかえった」とダジャレの繰り返しが淡々と続くのでなんともシュールですが、急いでページをめくらずゆっくりじっくり読んで、最後の最後までお楽しみください!

【写真中】のりまき(小西 英子/福音館書店)

のりまきを作る工程をていねいに描いた絵本で、食材が鮮やかに描かれていてとってもおいしそう。作者は、『まるくて おいしいよ』『サンドイッチ サンドイッチ』などの食べ物絵本でも有名な、小西英子さん。ご自身で実際に何度ものりまきを作って、観察しながらこの絵本を完成させたそうです。
2月になればすぐに「節分」です。最近は恵方巻を食べる習慣が日本全国に広まりました。節分の前に絵本を読みながら、何の具を入れるか子どもと一緒にお話ししみてるものおもしろいですし、のりまき作りにも挑戦してみたいですね!

【写真右】だれのおとしもの?(種村 有希子/PHP研究所)

雪の日の朝、「ゆり」と名前がついた手袋の落とし物を見つけたまほちゃん。落し物を届けるために足跡をたどっていくことにしました。
北海道出身の種村さんが描く静かな雪景色や、落し物を次々拾う不思議なお話にちょっぴりドキドキ。でもドキドキした分、最後はほっこりとうれしい気持ちになるラストが待っています。雪の日だからこその終わり方なので、ぜひ冬に読んでいただきたいかわいい一冊です。

まとめ

今月は、雪の絵本や冬におすすめの絵本をたくさん紹介しました。
外は寒いですが、ほっこりたのしい絵本を読んで、心をぽかぽかあたためてくださいね。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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