黒酢ダイエットの効果的なやり方とは? 栄養のプロが解説
健康や美容のために健康食品やサプリメントとしても利用されている「黒酢」。ダイエット効果も期待されていますが、たくさん飲めばやせるわけではありません。ダイエットのために効果的な黒酢の摂り方を詳しく解説していきます!
- 黒酢を飲むとやせるってほんと?
- ダイエットを後押ししてくれる栄養素を含む
- 黒酢に含まれる栄養素
- 「酢酸」が血糖値の上昇をゆるやかにして満腹感を高める可能性アリ
- ダイエットに役立つアミノ酸が通常の酢より多め
- 塩分が少ない便利な調味料
- ダイエット中におすすめの黒酢の摂り方
- 薄めてこまめに飲む
- 酸味が苦手な場合は加熱調理に使ってもOK
- 食事の直前か食中がおすすめ
- ダイエット中に摂るときの注意点
- 1日に摂る量の目安
- シンプルな黒酢かどうかをチェック !
- お酢が苦手な人にもおすすめ!黒酢のダイエットレシピ3選
- 黒酢もずく(1人前:13kcal)
- トマト入り黒酢生姜ドレッシング(大さじ2:10kcal)
- きのこの黒酢炒め(1人前:61kcal)
- まとめ
黒酢を飲むとやせるってほんと?
黒酢でダイエットに成功しましたか?
※マイナビ子育て調べ 調査期間:2020年11月24日~12月3日 調査人数:114人(21歳~40歳以上の女性)の回答から抜粋
※ここで紹介したダイエット方法と結果は、個人の体験によるものです。記載の方法を推奨したり、結果を保証するものではありません。効果的な減量方法や結果の出方は個人により異なります。
ダイエットを後押ししてくれる栄養素を含む
黒酢は玄米や大麦などを1~3年ほどかけて発酵、熟成させて作るお酢です。さまざまな健康への良い効果が期待される酢酸を含むほか、通常の お酢と比べて、アミノ酸やカリウム、マグネシウムが多めです。
具体的な働きや効果的な摂り方など、ダイエット中の上手な活用法を詳しく解説していきます。
黒酢に含まれる栄養素
黒酢に含まれる栄養素がダイエットに嬉しい理由をくわしく解説します。
「酢酸」が血糖値の上昇をゆるやかにして満腹感を高める可能性アリ
黒酢の主成分である「酢酸」には、血糖値の上昇を緩やかにする働きが期待されています。
食事から糖質を摂取すると、小腸から体内に吸収され、誰でも血糖値(血液中の糖の量)が上がります。そうすると、身体は血糖値を下げる「インスリン」というホルモンを分泌して、血糖値は元に戻ります。血糖値が下がると「空腹」を感じるようになります。
血糖値が急上昇すれば、それに応じてインスリン分泌も盛んになり、ゆるやかに上昇すれば、インスリンの分泌量もゆるやかになります。つまり、血糖値がゆるやかに上昇し、それに応じて血糖値がゆっくり下がることは、満腹感が長く続くことにつながります。
実際、小規模な調査では、酢により食後の血糖値の上昇がおだやかになったという報告をしているものがいくつかあります。ただし、研究により結果のほどはまちまちで、より大規模な研究による解明が期待されています[*1]。
なお、大量の酢酸はインスリン分泌にも影響を与えると言われているので、糖尿病の人がお酢を摂るときは摂りすぎに注意する必要があります[*2]。
ダイエットに役立つアミノ酸が通常の酢より多め
筋肉や血液、髪や皮膚など、身体の組織を作っているのがたんぱく質です。ダイエット中は食事量を制限することもありますが、たんぱく質は不足しないようしっかり摂ることが大切です。
このたんぱく質を構成しているのが「アミノ酸」です。黒酢には、通常の穀物酢や果実酢に比べてアミノ酸が比較的多く含まれています。
全体量として多いわけではありませんが、アミノ酸を取り入れるという観点では、調味料や酸味のアクセントとして黒酢を選択すると効率的です。
塩分が少ない便利な調味料
お酢は調味料の一緒です。醤油、味噌、ソースなど、多くの調味料は塩分を含み、それを調味をすることに利用します。一方で、お酢は塩分含有量が少ないのですが、酸味をつけることで、塩分が少なくても美味しい味付けに仕上げられる便利な調味料です。
お酢の中でも黒酢はアミノ酸を含むため、うま味やコクもプラスされ、味の深みが増します。塩分摂取量が多いと、体内の塩分濃度を一定にするために余分な水分が溜め込まれ、むくみの原因になります。
なお、お酢は塩分が少ないので血圧が気になる人にも良さそうな気がしますが、酢にはカリウム濃度を下げる作用があるともいわれているので、血圧などの治療で薬を飲んでいる人は、あらかじめ主治医に相談してください。
ダイエット中におすすめの黒酢の摂り方
黒酢の嬉しい働きを知ったところで、次に、ダイエット中におすすめの摂り方を紹介していきます。
薄めてこまめに飲む
黒酢に含まれるアミノ酸やビタミン・ミネラルは、ほかの穀物酢や果実酢に比べて多いですが、1回に摂ることができる量には限りがあります。とは言え、1回に多量に摂ると、酸度が強く胃の粘膜を傷つけてしまう可能性があります。また、歯のエナメル質を溶かすリスクも 。
毎食、少量を薄めて、継続的に取り入れるようにすると良いでしょう。
酸味が苦手な場合は加熱調理に使ってもOK
酢酸の沸点は118℃で、加熱してもすぐに揮発してしまうことはありません[*3]。そのまま飲むのが苦手な人は、火を通して酸味を和らげて摂るのもいいでしょう。
ただ、長い時間加熱すると揮発してしまうので、酢酸を効率的に摂るためには、最後に入れてさっと加熱するのがコツです。
食事の直前か食中がおすすめ
「酢酸」の働きでも解説した通り、黒酢には血糖値の上昇をゆるやかにする働きが期待されています。この働きを活かすためには、糖を含む食べ物を摂る直前か食事と一緒に摂取すると良いでしょう。
食事の時に薄めて飲んだり、調味料としてドレッシングに利用したり、スープや炒め物のアクセントとして使うのもおすすめです。
ダイエット中に摂るときの注意点
1日に摂る量の目安
黒酢を1日に摂る量に決まりがあるわけではありません。ただ、たくさん飲めば効果が高まるということではありませんし、酢を一度に過剰摂取し中毒症状を起こした事例もあります。
1日に大さじ1程度を目安に、5~10倍に薄める、または調味料として摂取するようにし、摂り過ぎには気を付けましょう[*4, 5]。原液で飲むことや、濃縮されたサプリメントを決められた量以上飲むことは避けてくださいね。
シンプルな黒酢かどうかをチェック !
黒酢を使用した飲み物や調味料はさまざまな製品がスーパーやコンビニで売られており、気軽に黒酢を取り入れることができます。ただし、注意も必要です。たいていの製品は、飲みやすいように砂糖やはちみつなどが添加されています。
お酢を美味しく飲むためには、酢を5~10倍に希釈して糖類を10%ほど加える必要があると言われています[*4]。つまり、酢大さじ1を美味しく飲むためには砂糖が15g必要ということです。これは、スティックシュガー5本分に相当します。
飲みやすく調整されているお酢は、糖質摂り過ぎてしまう可能性があるので、日常的にはシンプルな黒酢をドリンクや料理に使い、はちみつや砂糖の量を自分で調節するのがおすすめです。
お酢が苦手な人にもおすすめ!黒酢のダイエットレシピ3選
ここからは、毎日の食事で黒酢を取り入れやすい簡単レシピをご紹介します。
黒酢もずく(1人前:13kcal)
材料(2人分):もずく(生もずく)100g、黒酢大1、めんつゆ大2、水大1
作り方:
【1】もずくを食べやすく切る。
【1】全ての材料を合わせて冷蔵庫でひと晩おく。
ポイント:作り置きして、手軽に食事にちょい足しできる1品です。
トマト入り黒酢生姜ドレッシング(大さじ2:10kcal)
材料(作りやすい量):トマト1個、玉ねぎ1/4個、おろし生姜小1、黒酢大1、醤油大1、砂糖小1
作り方:
【1】 トマトと玉ねぎをみじん切りにして全ての材料を合わせる。ひと晩置くことで材料がなじみ美味しくなります。
ポイント:油を使わないヘルシーなドレッシング。豆腐に乗せたり、鍋のタレとしてもおすすめです!
きのこの黒酢炒め(1人前:61kcal)
材料(2人分):しめじ1パック、えのき1パック、まいたけ1パック、オリーブオイル小1、酒大1、おろしにんにく小1、黒酢大1、塩少々
作り方:
【1】 きのこは石づきをとり、ほぐしておく。
【2】 フライパンにオリーブオイルとおろしにんにくを入れて火にかけ、きのこを炒めて酒をふる。
【3】 きのこがしんなりしたら、黒酢と塩を加えて全体を混ぜる。
ポイント:きのこと黒酢のうま味の相乗効果で、少量の塩だけで味わい深い1品です。
まとめ
いかがでしたか? 黒酢は薬ではないので過度な期待は禁物ですが、美味しく毎日の食生活に取り入れながらダイエットに役立てましょう!
(文:薦岡具代)
※画像はイメージです
[*1]Siddiqui FJ et al.: Diabetes Control: Is Vinegar a Promising Candidate to Help Achieve Targets? , J Evid Based Integr Med. 2018; 23: 2156587217753004.
[*2]Harvard Health Publishing:Apple cider vinegar diet: Does it really work?
[*3]ミツカンお客様相談センター:お酢を加熱するとどうなりますか?成分は壊れませんか?
[*4]名古屋市消費生活センター 食酢
[*5]ミツカンお客様相談センター:お酢はどうやって飲んだらよいですか?
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます