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【医師監修】扁桃腺が腫れる扁桃腺炎!その原因と治療法

【医師監修】扁桃腺が腫れる扁桃腺炎!その原因と治療法

子どもがかかりやすい扁桃腺炎。いったいどのような病気なのでしょうか? 急性扁桃腺炎や慢性扁桃腺炎についてもご紹介します。


この記事の監修ドクター
有明こどもクリニック 小暮 裕之先生
地域の皆さまに信頼されるかかりつけの医療機関として、スタッフ一同、より質の高い医療の提供を目指してまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
http://child-clinic.or.jp/concept.html/

扁桃腺が腫れる「扁桃腺炎」

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扁桃腺ってどの部分?

扁桃は、口の奥にある組織で、そら豆からアーモンドぐらいの大きさの豆型、球状の形をしています。「扁桃腺」という呼び方は間違っており、正式な呼称は「口蓋扁桃(こうがいへいとう)」です。

扁桃は「リンパ球」という免疫細胞が豊富な部位で、何かを分泌しているというわけではありません。一般的に、「扁桃腺が腫れた」とか「扁桃腺が大きい」と言われるばいが多いですが、分泌する腺はないので、「扁桃腺」という言葉は医学的には不正確となります。

扁桃は、免疫細胞が多いので、口から侵入するウイルスや病原体、細菌に対しての防御を行う機能があると言われています。

扁桃炎は病原体が扁桃やその周囲に付着したりすることで、炎症を起こした状態のことを言います。扁桃が炎症を起こすと、赤くなり、腫れてきます。膿苔と言って、膿のようなものが扁桃に付着することもあります。

腫れ以外もある扁桃腺炎の症状

扁桃腺炎の主な症状は、
・発熱、特に38℃以上の高熱
・ノドの痛みや物を飲み込む時の痛み
・寒気や震え
・体のだるさ
・頭痛
・関節痛
などがあります。

扁桃腺炎は子供に多い病気です。喉の入り口にある扁桃腺は、細菌やウイルスが身体の中に侵入することを防ぎ、免疫機能役割を担っています。特に5~7歳くらいまでの幼い子供は免疫力が弱いため、大きな役割を果たしています。身体が成長していくにつれ、扁桃腺にばかり頼っていた免疫機能は、身体中に発達したリンパ節が取って代わるようになっていきます。

扁桃腺炎にかかると、38〜40度くらいの高熱が出て、頭痛や身体のだるさを訴えます。喉の両側にある扁桃腺は炎症を起こして真っ赤になり、白い斑点がつきます。そのため喉の痛みがあり、唾を飲み込むときはもちろん、何もしていない時でさえもヒリヒリと痛むことがあります。症状が悪化してしまうと、中耳炎の併発や、食事や水分が摂取できないことが原因となって脱水症状を招くこともあるので、注意が必要です。

扁桃腺炎の原因

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扁桃腺炎の原因とはウイルスや細菌の増殖

扁桃腺炎の主な原因は細菌やウイルスによる感染です。健康なときにも常に喉の粘膜に潜んでいるインフルエンザ菌、溶血性連鎖球菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌などの常在菌が扁桃腺炎の原因となります。普段は免疫機能が正常に働くことでこれらの常在菌は増殖しませんが、風邪や疲れなどで身体の免疫力が落ちたときにこれらの菌が増殖することによって、扁桃腺炎を発症するのです。

扁桃腺炎の原因となるウイルス

扁桃腺炎の原因ウイルスには、

・アデノウイルス
・単純ヘルペスウイルス
・EBウイルス
・エンテロウイルス

などがあります。

扁桃腺炎の原因となる細菌

扁桃腺炎の原因となる細菌には、

・溶連菌
・肺炎球菌
・インフルエンザ菌

などがあります。これらの病原体が喉や扁桃で炎症を起こすために、扁桃炎を起こします。

扁桃腺炎の種類

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急性扁桃腺炎

急性扁桃炎とは、口蓋扁桃が赤くなって腫れる急性の炎症のことです。また、扁桃の表面が、白い斑点状の膿で覆われる場合もあります。口蓋扁桃は喉の入り口辺りに左右1個ずつあります。加齢にともない扁桃は委縮していくので、急性扁桃炎は子供や青年がかかりやすい病気であり、高齢者にはほとんど見られません。

急性扁桃炎にかかると、38度以上の発熱、体のだるさ、喉の痛み、頭痛などの症状が現れます。それに加えて、首のリンパ節が腫れる場合もあります。熱は38〜40度近くになりますが、3~4日で治まります。早期に治療しないで重症化を招いてしまうと、扁桃の周囲にも炎症が広がる扁桃周囲炎や、扁桃の周りに膿がたまる扁桃周囲膿瘍を併発する場合があります。

原因菌に挙げられるのは、インフルエンザ菌、溶血性連鎖球菌、黄色ブドウ球菌、肺炎球菌、EBウイルスなどがあります。これらは、健康なときにも私たちの体の中に潜んでいますが、免疫機能が正常に働いている時は、増殖して炎症を起こすことはありません。風邪や疲労などによって身体の免疫力が低下していると、菌が増殖してしまい、扁桃がそれらと戦うために炎症を起こすのです。

治療方法としては、細菌による感染である場合は、各々の原因菌に対する抗生剤の内服薬を服用します。ウイルスによる感染である場合は、発熱、喉の痛みや腫れといった症状に合った、解熱鎮痛剤や抗炎症剤、うがい薬などを処方してもらい、対症療法を行います。

また、喉の乾燥によって腫れや痛みがひどくなるので、十分な水分補給やこまめなうがい、マスクの着用、室内の十分な加湿(湿度40%以上)をするようにしましょう。炎症がひどい場合や、激しく喉が痛み飲食ができず、脱水症状が起きている場合などは、抗生剤の静脈注射をしたり、水分および栄養補給のための点滴を行ったりする場合もあります。

慢性扁桃腺炎

急性扁桃炎を年に3〜4回くりかえす場合を慢性扁桃炎と呼び、主に次の3種類があげられます。

1. 慢性単純性扁桃炎
熱は急性扁桃炎と比べると高くはありませんが、喉の痛みや乾燥、異物感が続きます。本来であれば加齢と共に縮小するはずの扁桃が、扁桃炎を繰り返したことによって大きさを保った状態で、子供よりも大人に多く発症する傾向があります。

2. 習慣性扁桃炎(反復性扁桃炎)
急性扁桃炎によって、喉の痛みや高熱などといった症状を年に5回以上繰り返します。子供がかかりやすい病気で、ピークは小学校入学前までです。

3. 扁桃病巣感染症(病巣性扁桃炎)
扁桃そのものに症状はほとんど生じませんが、軽い喉の痛みや異物感があります。皮膚、関節、腎臓といった扁桃とは離れたところに症状が出ます。併発しやすい病気は、関節リウマチ、胸骨・肋骨・鎖骨に原因不明の異常骨化が起こる胸肋鎖骨過形成症、手のひらや足の裏に小さな水疱や膿疱が多発する掌蹠膿胞症、IgA腎症などです。

慢性扁桃炎の原因は、急性扁桃炎とほとんど同様、インフルエンザ菌、溶血性連鎖球菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌のような、常に体内にある細菌やウイルスによる感染です。

治療法としては、喉の炎症が比較的軽いのであれば、トローチやうがい薬などによる治療が有効です。ひどく炎症を起こしている場合は、原因となる細菌に対して有効な抗生剤の内服薬を服用したり、炎症や痛みに対しての消炎鎮痛剤、発熱の場合には解熱剤などといった対症療法を行ったりすることで症状が軽減されます。

ただし、扁桃炎を年に4回以上繰り返す場合や、扁桃周囲炎や扁桃周囲膿瘍といった重症の炎症を引き起こしている場合には、扁桃の摘出手術を検討することもあります。扁桃を摘出する際は、全身麻酔をかけて口を開けた状態で行います。術後は傷跡が目立つことはありません。手術自体は1時間半程度で終わり、1週間ほどで退院できます。

扁桃腺炎の治療法

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ウイルスが原因の場合の治療

ウイルスが原因の場合は、単純ヘルペスを除いて特効薬がありませんので、抗生剤を使用せずに、症状に応じた治療を行います。また、発熱や喉の痛みに対しては非ステロイド性の消炎鎮痛剤、喉の炎症には抗炎症剤が処方されます。扁桃炎の症状は1週間程度で軽くなる場合が多いです。


単純ヘルペスの場合は、水疱瘡の時と同じ薬であるアシクロビル、バラシクロビルなどがあります。

EBウイルスが原因の場合は、「伝染性単核症」と言い、肝炎や肝臓が腫れたり、発熱が持続したりすることがあります。

細菌が原因の場合の治療

細菌が原因の場合は、細菌を退治するために抗生剤の内服薬を服用することが多いですが、点滴を投与する場合もあります。また、喉の炎症や痛み、発熱に対してはうがい薬や抗炎症剤、解熱鎮痛剤などによる対症療法を行います。熱と喉の炎症が和らいでくると、扁桃炎の辛い症状は比較的軽くなっていきます。

溶連菌や肺炎球菌などの細菌が原因となっている場合は、抗生剤を用いて治療を行います。ほとんどの場合は、まず最初にペニシリン系もしくはセフェム系の抗生剤が処方されます。3~4日経っても症状がよくならない場合は、薬の種類を変えます。

また最も効果的な抗生剤を投与するために、3日ほど細菌を培養してから原因菌を特定するという方法もあります。溶連菌は、わずか15分程度で判断できる検査があります。溶連菌感染症の場合は抗生剤を10日間内服する必要があります。これは再発を防ぐことと、後の急性糸球体腎炎、リウマチ熱を予防するために行われます。

扁桃腺炎に市販薬は有効?

市販されている薬に抗生剤は含まれませんが、扁桃炎の症状を緩和するのに有効なものはあります。殺菌消毒成分である「ポビドンヨード」や「CPC(塩化セチルピリジニウム)」は、うがい薬に配合されています。

抗炎症成分の「カンゾウエキス」や「トラネキサム酸」を含む内服薬は、扁桃腺の痛みや腫れを鎮める効果があります。また、冷感成分を含むものには熱を持った患部の症状を緩和する効果が期待できます。

漢方薬には、症状を緩和するだけでなく体の免疫力を上げて回復を助ける効果があります。「葛根湯」は風邪のひき始めに効果ありとされていますが、扁桃炎の初期症状緩和や回復力向上にも有効です。原料に含まれる生姜と葛根には、身体を中から温め代謝を上げ免疫力を向上させる効果があり、消炎鎮痛作用のあるカンゾウエキスも含まれています。

扁桃炎の発症から3~4日が経過している場合は、朝鮮人参、大草、甘草、生姜を主な成分とする「小柴胡湯(しょうさいことう)」がオススメです。体を内側から温め、免疫力を高め、発熱による筋肉痛や疲労感を緩和します。

上記にあげた有効成分を含む市販薬は、薬局などで手にいれやすいものです。すぐに医療機関で診察を受けられない場合には、活用してみるとよいでしょう。

まとめ

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いかがでしたか? 扁桃腺炎は子どもに多い病気です。お子さんが高熱やのどの痛みを訴えた時は扁桃腺炎を疑ってみて下さい。そして、早めに病院へ行くようにしましょう。

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