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【医師監修】子供がなる髄膜炎の原因と症状とは?治療・予防法まとめ

【医師監修】子供がなる髄膜炎の原因と症状とは?治療・予防法まとめ

後遺症を残したり死亡リスクが高くなる髄膜炎という小児の病気、親の細やかな症状観察と、対処の早さが予後を左右すると言っても過言ではないでしょう。 髄膜炎について原因や対処法をまとめています。


この記事の監修ドクター
内科・小児科 藤丸拓也 先生
小児専門病院にて研鑽を積む。

髄膜炎ってどんな病気?

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お子様の病気の中でもとくに深刻で早期発見が急がれる髄膜炎は、医師でも診断が難しいのです。髄膜炎は脳を覆う「軟膜」「クモ膜」「硬膜」に炎症を引き起こす症状のことです。軽度な症状から脳に後遺症や死亡などに至る重大なケースまであり、お子様の病気の中では最も深刻度の高い病気と言えるでしょう。髄膜炎には以下のように、大きく分けて2種類のタイプがあります。

《化膿性髄膜炎(細菌性髄膜炎)》
細菌が原因とされる化膿性髄膜炎で進行も早く、脳の後遺症や死亡にまで発展してしまう恐ろしい病気です。特に乳幼児期には髄膜炎以外にも様々な疾患にかかるケースが多いため、他の病気と勘違いしやすい傾向があります。

《無菌性髄膜炎》
ウイルスが原因とされる髄膜炎で、子供の脳炎の殆どが何らかのウイルスが原因の無菌性髄膜炎です。比較的、軽症で後遺症の残る可能性も低いのが無菌性髄膜炎の特徴でもあります。他にも真菌性、寄生虫などがあります。

見逃すと危険!細菌性髄膜炎

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髄膜炎で最も危険な病気は細菌性髄膜炎です。割と軽症で済む事の多い無菌性に比べると、脳細胞を破壊するなどの恐ろしい予後が予測されます。

細菌性髄膜炎とは?原因と感染経路

初めは熱の症状から始まるため、風邪だと思い込んでしまう保護者の方が多いかもしれません。インフルエンザ菌、肺炎球菌などの菌が血液中に入り中枢神経に達します。また、稀ではありますが頭部切開など手術時の院内感染なども感染ルートになるでしょう。さらに考えられるケースでは、鼻腔の治療などをしている人も発症しやすいです。

細菌性髄膜炎にかかりやすい年齢

乳幼児期にかかりやすいため、まだ言葉の喋れない乳幼時に関しては保護者の方が注意して様子を確認しなければならないでしょう。特に、免疫力のない生後半年〜2歳くらいまでは気をつけた方がよいです。

ここ数年で髄膜炎の原因菌である肺炎球菌やヒブ(インフルエンザ菌b型)ワクチンの予防接種も受けられるようになり、後遺症の残りやすい菌とされる肺炎球菌による髄膜炎は減少しつつあります。

出産して間もない髄膜炎症状ならば、お母さんのお腹にいる時の産道感染が疑われます。出産時、産道を通る時にB群連鎖球菌(GBS)が原因となり感染したと考えられます。このB群連鎖球菌は、どこにでも存在する決して珍しい菌ではなく、妊婦さんの体にも悪い影響を及ぼす事はないため必要以上に懸念すべき菌ではないのです。日本人には20%ほどのキャリアが想定されています。赤ちゃんに産道感染してしまうのは1000人に0.1人程度とされています。妊娠後期に行うB群連鎖球菌の培養検査を受けて、陽性だった場合は分娩時や破水後に抗生物質の予防投与を受けることがあります。

いずれにしても、髄膜炎が疑わしい場合は保育器の隔離の元、抗生剤の投与や血液製剤の投与が急がれます。

見逃すと危険なのはなぜ?

年齢が低いほど、髄膜炎の代表的な症状に気づかない傾向にあり、風邪症状と見分けがつきません。こうした初期症状を見逃すと24時間以内に症状が進行する事が考えられ、「てんかん」「水頭症」「発達障害」などの深刻な後遺症を招く危険性があります。

早期発見のためのポイント

発熱、項部(首の後ろ)硬直、意識障害が髄膜炎の3徴候と言われていますが、すべてを満たすのは髄膜炎の4割程度です。この3徴候以外に早期発見のための症状のポイントとして以下のものがあげられます。

□けいれん
□ぐったりする
□頭痛
□嘔気、嘔吐

乳幼児に多い症状としては他にも

□意識、呼吸障害がある
□よく眠るか、ひどく機嫌が悪い
□活気がない

乳幼児が細菌性髄膜炎を発症した場合、死亡率が5%近くあり、後遺症が残る確率は15%とされています。発症後24時間以内に病気がピークになる事が予測されるため、その前の早期発見や早期治療が必要になるでしょう。

診断と治療・予防法

背中から髄液を採取します。髄液に細菌が認められれば、細菌性髄膜炎とされます。さらに、CTやMRIなどによる精密検査では脳や脊髄の腫れや浮腫みなどを診断します。

治療法としては、主に抗生物質を投与する事になるでしょう。原因菌の結果を待たずに予測される菌に対する抗生物質から順に静脈投与していきます。また症状の程度によってはステロイドを使用することもあります。

予防法としては近年義務付けられている肺炎球菌ワクチンやヒブワクチンなどの予防接種を受けさせる事が大切です。2013年からは公費負担で接種可能になり、予防接種を受ける子供の数は増え、細菌性髄膜炎を発症する数は減りつつあります。

感染しやすい!無菌性(ウイルス性)髄膜炎

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集団感染しやすいとされる夏風邪と呼ばれる疾患の合併症として生じます。ですから、幼稚園や学校などで咽頭痛を伴う「ヘルパンギーナ」や手足の水膨れが特徴の「手足口病」が流行りだす時期に生じやすい髄膜炎だと認識しましょう。これらの病気が流行るのは夏時期ですから、ただの流行風邪と安易に捉えずに、その裏に潜んでいる病気が髄膜炎であると考えましょう。

無菌性(ウイルス性)髄膜炎とは?原因と感染経路

夏風邪として知られる手足口病や、ヘルパンギーナなどのウイルス である「エンテロウイルス属」が無菌性髄膜炎の原因ウイルスです。
また、おたふく風邪のウイルス「ムンプスウイルス」も無菌性髄膜炎を引き起こす病原体です。

無菌性(ウイルス性)髄膜炎にかかりやすい年齢

乳幼児期から学童期にかかりやすい病気で、9歳以下の発症率が高いです。親としては、幼稚園や小学校での流行している病気の情報にアンテナを張る必要があるでしょう。

潜伏期間と主な症状について

エンテロウイルスの場合は、3日〜6日程度の潜伏期を経て発症します。
また、おたふく風邪のウイルスであるムンプスウイルスは16日間程度の潜伏期があり、潜伏期は短期のものから長期のものまでそれぞれです。

気づかないとどうなる?

無菌性髄膜炎の場合、気づかずにいても自然完治する確率が高いのです。ですが、頭痛、 嘔吐、熱などの症状が落ちつくまでは医師の治療法に従い、完治までしっかりと治療を続けるべきです。症状が落ちついた事を医師が認め、許可すれば、通園、通学ができるようになるでしょう。

ですが、無菌性髄膜炎が完治した後も便の中にウイルスが排出されている事も少なくないため、人に移さないためにも予防はしっかりしなければならないでしょう。

早期発見のためのチェック方法

子供が髄膜炎にかかっているかをチェックする主な項目になります。以下の症状が全て出るわけではありませんが疑わしい項目があれば、すぐに小児科や救急病院を受診しましょう。

□項部強直がある
□生あくびが出ている
□発熱が続く
□頭痛が続く
□嘔気、嘔吐が続く
□顔色が悪い
□ぐったりしている
□意味不明のことを言う
□意味不明の行動をとる
□意識が朦朧としている
□痙攣がある
□目の焦点が合わない
□発疹がある
□首の後ろが浮腫む
□光に敏感になる、まぶしさ
□ミルクや母乳の飲みが悪い
□機嫌が悪く泣いてばかりいる

髄膜炎の症状の中で最も代表的な症状は項部の強直ですが、例えこの症状が認められなくても原因不明の熱や頭痛が続けば髄膜炎を疑いかかりつけ医の診断を受けましょう。また、熱性痙攣の症状とよく似ているため、熱性けいれんが生じたら脳炎や髄膜炎を疑うべきです。

【医師監修】りんご病でも通園できる? 原因と症状、予防策まとめ

http://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/1417

保育園や幼稚園、学校などを中心に子どもの間で流行しやすい病気のひとつ、「りんご病」。小さい子どもがいるママにとっては、どんな病気か、なぜかかってしまうのか、感染したらどのように対処するべきかなど知っておきたいところですよね。今回は、そんな「りんご病」の情報についてご紹介します。

診断と治療・予防法

血液検査や髄膜液の検査が施されるでしょう。髄膜液を調べる事で無菌性か化膿性かを調べます。
咽頭のぬぐい液や便検査などで何のウイルスが病原体となっているかを検査します。

治療法としては無菌性髄膜炎に対する特効薬のようなものはなく、嘔吐による脱水症状ならば点滴治療を施したり、熱に対しては解熱剤を用いるなどの症状緩和治療が優先となるでしょう。軽症の場合は自宅療養で2週間安静にしていると回復しますが、経過が思わしくない時は、入院治療で経過を見ることになります。

また、予防法としてはおたふく風邪の病原体であるムンプスウイルスなどの予防接種は任意で行う事が可能です。他のウイルスに対する予防接種はなく、通常の感染症対策と同等のセルフケアが大切になります。

・手洗い、うがい(指、爪の間などを念入りに)
・オムツなどはビニールなどに密閉して捨てる
・飛沫感染を防ぐために夏風邪やおたふく風邪が流行時にはマスク装着
・おたふく風邪予防接種を受ける
・人混みを避ける

特に年齢が低ければ低いほど子供だけでの予防は難しいため、親のフォローが大切になります。

まとめ

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髄膜炎には、比較的軽症で完治しやすい無菌性髄膜炎と後遺症や致死に繋がる化膿性髄膜炎の2つがあります。特に、化膿性髄膜炎は死亡や後遺症のリスクを減らすためにも、早期発見、早期治療が重要になります。発熱、頭痛、嘔気・嘔吐など風邪に似た症状があり判断が難しいのですが、「いつもと何かが違う」という感覚が大切でしょう。

お子さんの普段の様子をいつもみている保護者の方が、「風邪症状だけど、いつもと様子が違う」と思った場合は、すぐに医療機関を受診したほうがよいかもしれません。

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