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2022年12月02日 11:29 更新

【助産師監修】新生児が母乳をうまく飲めてない!?4つのケースと対策

新生児の赤ちゃんはまだ母乳をうまく飲めない子もいますが、その理由はさまざまです。今回は「赤ちゃん、母乳をうまく飲めてない?」と思われるケース別に対処法を考えます。

<ケース1>吸う力が弱い?

吸う力が弱く、赤ちゃんがおっぱいに吸い付いていられないケースがあります。おっぱいを吸う時は密閉して口の中を陰圧にする必要がありますが、とくに小さく生まれた赤ちゃんだと、ほっぺの肉は少なく、吸い付くのが難しくなってしまいます。

<対処法>ママが顎を支えてあげよう!

赤ちゃんへのダンサーハンドポジション
参考:水野克己ほか「これでナットク母乳育児」(へるす出版)

赤ちゃんの吸い付く力だけでは十分でない場合は、ママの指で赤ちゃんの顎を支えて上げましょう。そうすることによって、吸いやすくなります。
具体的には、親指と人差し指で赤ちゃんの頬を支え、親指・人差し指の付け根で顎を挟むようにしてアシストします。これはダンサー・ハンド・ポジションと言って、赤ちゃんが吸い付きやすくする授乳方法のひとつです。試してみてください。

<ケース2>授乳時間が長い?

ママのおっぱいから授乳する赤ちゃん
Lazy dummy

新生児のママから「毎回1時間ぐらい授乳し続けてます」という話をよく聞きます。授乳にかかる時間は平均して15〜20分程度(左右それぞれを10分程度)。母乳が足りていても1時間程度授乳することはありますが、毎回1時間かかるとなると、赤ちゃんが母乳をうまく飲めていない可能性があります。

<対処法>姿勢と吸着の見直しをしよう!

授乳姿勢(ポジショニング)と吸着(ラッチオン)が適切でないと、十分に母乳を飲み取れず、時間がかかることがあります。
ママの姿勢、赤ちゃんの位置、くわえさせ方などを今一度見直してみましょう。

●ポジショニングとラッチオンについては以下の記事を参考にしてください。

<ケース3>母乳が出過ぎている?

泣いている赤ちゃんを抱っこするママ
Lazy dummy

母乳は赤ちゃんが飲む量に合わせて作られますが、産後しばらくの間は作られる量と飲む量のバランスが取れず、飲む量を大幅に超える母乳が作られてしまうことがあります。そうすると、授乳するときに勢いよく出すぎて赤ちゃんがむせてしまったりします。

人によっては母乳量の調整に時間がかかることもあります。一般的に張りが落ち着いてくるといわれる2~4週間を過ぎても母乳量が安定しなかったとしても、焦らずもう少しだけ様子を見るようにしましょう。

<対処法>少し搾乳してから授乳しよう!

赤ちゃんが授乳のときにむせやすい場合は、少しだけ母乳を搾ってから授乳をするようにしましょう。また、授乳姿勢を工夫することで飲みやすくなることもあります。縦抱きで、ママが後ろにもたれかかるような姿勢をとると、母乳の流れをコントロールしやすくなります。

産後早期には、出すぎるからと言って片側だけ授乳して減らさなくて大丈夫。多くの場合、新生児期を過ぎれば母乳量が安定してきて、おっぱいが張りすぎることもなくなってくるので、焦らず対処してくださいね。

<ケース4>寝てしまう?

授乳中に十分な量を飲む前に寝てしまった赤ちゃんを抱っこするママ
Lazy dummy

授乳中に十分な量を飲む前に赤ちゃんが眠ってしまうこともあります。そうなると、またすぐにお腹が空いて目覚めてしまい、結果必要以上に頻回に授乳が必要になってしまいます。

<対処法>縦抱きで授乳してみよう!

横抱き授乳で眠ってしまいがちなのであれば、縦抱き授乳に挑戦してみましょう。横抱きより起きていてくれやすくなります。首がすわらないうちは不安に思うかもしれませんが、頭と首をしっかり支えれば新生児期から縦抱きは可能です。

●縦抱き授乳については以下の記事を参考にしてください。

赤ちゃんがなかなか起きてくれないときは、おむつを替えたり、優しく刺激をして起こしてみましょう。肌着を脱がせたり、薄着にしたりするのも効果的です。

まとめ

まだ上手におっぱいを飲めない新生児の赤ちゃんも、成長するにつれ上手に飲めるようになってきます。試行錯誤が必要な時期でママも大変ですが、状況に応じた対策を試し、どうにか乗り切ってくださいね。そのほかにも赤ちゃんの授乳について悩みがあれば、母乳外来や新生児訪問で相談してみましょう。

(文:マイナビ子育て編集部/監修:坂田陽子先生)


※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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