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2021年01月15日 17:43 更新

【助産師監修】授乳中にインフルエンザ感染。母乳で感染する?対処法3つ

万全の対策をしていても、感染症にかかってしまうことはあります。授乳期のママがインフルエンザにかかってしまった場合、母乳育児は続けられるのでしょうか? 今回は授乳中のママがインフルエンザにかかってしまった場合の具体的な対処法3つと、薬やワクチン接種について解説します。

ママがインフルエンザに感染。授乳はやめたほうがいい?

授乳中にインフルエンザにかかった場合、母乳から赤ちゃんにインフルエンザがうつることはあるのでしょうか。

母乳を介しての感染の心配はない

赤ちゃんへの母乳を介したインフルエンザの感染リスクを心配するママ
Lazy dummy

インフルエンザにかかったママの母乳を飲むことで赤ちゃんが感染する(母乳を介して感染する)ことはありません。また、母乳には赤ちゃんをウイルスから守る多くの感染防御因子が含まれています。もちろん無理は禁物ですが、可能であれば母乳栄養は継続しましょう。

ただし、ウイルスがママの手や服などに付着して赤ちゃんが接触感染するリスク、咳やくしゃみによる飛沫感染のリスクは十分に考えられますので、十分な注意・対策が必要です。

授乳中のインフルエンザ感染、対処法3つ

厚生労働省が新型インフルエンザ流行の際に作成した資料[*1]では、授乳中にインフルエンザになった場合の対処法として以下のようなものをあげています。

赤ちゃんにミルクをあげるパパ
Lazy dummy
なお、いきなり授乳をやめると乳腺炎を起こしたり、授乳再開の際に母乳量が減るなどの可能性があります。授乳をしないときでも、定期的に搾乳するようにしましょう。

授乳中でもインフルエンザ治療薬は使える?

授乳中でもインフルエンザ治療薬は使えるかを知りたい親
Lazy dummy

妊娠中に引き続き、授乳中も赤ちゃんへの影響を考えて使えない薬がありますが、インフルエンザ治療薬はどうでしょうか。

問題にならないとされる薬もある

国立生育医療研究センターでは、授乳中のインフルエンザ治療薬について以下のようにしています。

日本でよく使用されているインフルエンザの治療薬にはタミフル®・リレンザ®・ イナビル®などがあります。タミフル®は内服薬、リレンザ®とイナビル®は吸入薬です。
タミフル®に関しては母乳移行量を調べて、非常に少なかったと報告されています。授乳中の使用が問題になる可能性は低いと考えられます。
リレンザ®・イナビル®はいずれも母乳移行量を調べた報告はありませんが、もともとお母さんの血液中にほとんど検出されないので、授乳中の使用は問題にならないと考えられます。
ただし、授乳中の接触による赤ちゃんのインフルエンザ感染については注意が必要です。

出典: https://www.ncchd.go.jp

受診の際は、授乳中であることを医師に伝え、薬の服用に関しても指示に従いましょう。

インフルエンザワクチン、授乳中でも接種できる?

インフルエンザワクチン接種は、完全ではありませんが発症をある程度防いだり、発症後の重症化・死亡を防ぐ効果が期待できます。では授乳中でもインフルエンザのワクチンは接種できるのでしょうか。

授乳中、ぜひワクチン接種を!

授乳中にインフルエンザワクチン接種を行うママ
Lazy dummy

授乳中のワクチン接種について、赤ちゃんへの悪い影響を気にする人もいるようですが、その心配はありません。授乳中のママでも、ぜひインフルエンザ予防接種を受けましょう
赤ちゃんにうつす危険性を下げるためにも、ママだけでなくパパや周囲の大人・子供、家族みんなでワクチン接種をするようにしましょう。

赤ちゃんはいつからインフルエンザワクチン接種できる?

インフルエンザワクチンの接種対象は生後6ヶ月以上です(2回接種)。
ただし、ワクチンによる乳幼児の発症予防効果は20〜60%程度とされ [*2]、1歳未満ではそれ以降に比べて抗体がつきにくい傾向があるようです。ワクチン接種に加え、周囲の人たちの手洗い・咳エチケットの徹底、人混みを避けるなど、赤ちゃんがウイルスに晒される機会をできる限り減らすことが大切です。

まとめ

赤ちゃんとインフルエンザに感染したママ
Lazy dummy

インフルエンザ感染時の授乳について、母乳を介して赤ちゃんにうつる心配はありませんが、接触感染や飛沫感染のリスクはあります。感染リスクが低くなってから授乳する、搾乳して他の人が授乳するなど、できる限りの対策を講じましょう。また、授乳中でもインフルエンザワクチン接種は可能です。ママだけでなく家族みんなで受けましょう。

(文:マイナビ子育て編集部/監修:坂田陽子先生)


※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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