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2023年02月24日 10:32 更新

【医師監修】赤ちゃんが風邪のときお風呂はどうする? 熱など症状別対処法

赤ちゃんが風邪をひいたときや熱があるとき、お風呂に入れて大丈夫なのか、悩ましいところですね。赤ちゃんの入浴について熱があるときや症状別の対処法を知って、体調が悪いときもできる限り清潔にしてあげましょう。

風邪をひいて熱があるとき入浴してもいい?

風邪をひいて熱をもつ子供の入浴
Lazy dummy

発熱時のお風呂(湯船に入ること)についてはっきりした基準はなく、医師の間でも意見が別れるところですが、入浴が風邪を悪化させるという根拠はありません。一般には、高熱ではなく、水分が摂れて元気があれば、ぬるめのお湯で短時間お風呂に入ってもいいと考えられます[*1]。

できればお風呂に入った方がいい理由

お風呂に入ることで皮膚を清潔に保ことができます。赤ちゃんは新陳代謝が活発で汗をかきやすく、湿疹ができやすいので毎日入浴してきれいにしてあげたいものです。また、お風呂の時間は全身を観察するいい機会です。風邪のときは特に、発疹がでていないか、あせもができていないかなど確認してあげたいですね。

入浴が難しい場合は、代わりにお湯で濡らしてかたく絞ったタオルで拭くなどで対処しましょう。

入浴を控えた方がいい場合

熱をもつ子供
Lazy dummy

赤ちゃんが風邪をひいているとき、次に当てはまるような場合は入浴を控えましょう。

・38度以上の高熱のとき
・元気がないとき
・熱が出た初日


熱が高いとき、元気がないときは、それ以上体力を消耗しないように入浴はやめておきましょう。また、熱が出たばかりのときは、その後さらに熱が上がる可能性があり、熱の上がり始めで悪寒(ふるえ)がしたり、熱性けいれんが起きたりすることも考えられます。お風呂はやめて様子を見ましょう。熱のほかに症状があるときは、下記も参考に判断してください。

なお、突発性発疹のあと熱が下がれば、発疹が残っていてもいつも通りお風呂に入れます。

症状別入浴の対処法

熱以外に何か症状がある場合、その症状によってお風呂の対応は異なります。

下痢、嘔吐があるとき

お風呂にはいっている赤ちゃん
Lazy dummy

下痢や嘔吐がひどいときは入浴を控えましょう。赤ちゃんの体力が低下していますし、脱水にもなりやすい状態です。湯船の中で排便してしまうことも考えられ、感染性の胃腸炎であれば、家族に移してしまう危険もあります。

ある程度症状が落ち着くまではシャワーのみにしておきましょう。ただし、下痢がひどいときは、お尻がかぶれやすくなっています。オムツ交換のたびに洗面器やベビーバスなどにお湯をためてお尻を洗う「臀部浴(でんぶよく)」を行うといいでしょう。嘔吐したあとの顔回りも、濡らしたタオルでよく拭くなどしてきれいにしましょう。

落ち着いてきたらお風呂を再開できますが、お尻をよく洗ってからお湯に入るようにして、しばらくはタオルは家族で共用しないようにします。

咳があるとき

咳だけであれば、熱の場合と同様に軽く入浴するのは構いません。湯気による湿気で淡を出しやすくなることも期待できます。呼吸困難の症状(息が速い、肩を上下させて息をする、ゼイゼイと音がするなど)があるときは入浴はやめましょう。

中耳炎のとき

急性中耳炎による耳の痛みがあるときは、熱がなくても入浴は控えましょう。お風呂に入って体が温まることによって炎症がひどくなり、耳が痛くなることがあります。熱が下がり、耳の痛みもないときはお風呂に入って大丈夫です。耳の中にお湯が入ることで中耳炎が悪化することはありませんが、耳の中に水が入らないように気をつけ、切開した場合などは医師の指示に従いましょう。

熱があるときの入浴、注意点

風邪で熱があっても、高熱でなく、ほかに辛い症状がなければお風呂に入れます。その際の注意点を確認しておきましょう。

脱衣所、お風呂場は暖かく

寒い時期には、お風呂に入る前に暖房器具を使うなどして脱衣所や浴室を暖かくしておきます。難しい場合は、昼間の暖かいうちに入るなど工夫しましょう。

ぬるめのお湯で短時間に

熱いお湯に長い時間入ると体力を消耗します。赤ちゃんは日頃からぬるめのお湯に入っているかと思いますが、風邪の場合も冷えないようにお湯の温度を高くするのではなく、39~40℃にします。お湯に入る時間も2~3分くらいの短時間にして、あがったら暖かい部屋で手早く体を拭いて服を着せましょう。湯冷めを心配して暖かくし過ぎて汗をかいたりしないように、室温や布団を暑くなり過ぎないように調整してください。

入浴の後は水分補給を

熱があるときはこまめな水分補給が大切です。手早くお風呂に入ったあとも水分補給をしましょう。

まとめ

熱があり、親に介抱される赤ちゃん
Lazy dummy

風邪をひいたからといって必ずしも入浴を控える必要はありません。お風呂には皮膚を清潔に保つ効果もあるので、元気があれば入りたいものです。ただ入浴は体力を消耗するので、高熱の場合や熱が上がり始めたとき、具合が悪いときは無理に入らず、シャワーだけにする、タオルで拭くなどして清潔にしてください。どうしても迷うときは受診した際に医師に相談しましょう。

(文:佐藤華奈子/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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