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2021年04月19日 10:30 更新

【医師監修】妊娠中期の食事|摂るべき栄養素と避けたい食べ物

妊娠中期に入ると徐々に「つわりの気持ち悪さが減ってきた」「食べられるようになった」と感じる人が多くなります。そうすると気になるのが食事内容ではないでしょうか。この記事では特に、「妊娠中期に気をつけたい食事の栄養素」について解説します。

妊娠中期の食事、妊娠初期とどう違う?

産婦人科医と一緒に妊娠中期の食事について相談している妊婦
Lazy dummy

妊娠中は妊娠していないときに比べ、追加で摂るべき栄養や、逆に避けた方がいい食品が多くあります。そのあたりは、妊娠後に調べて学んでいる妊婦さんも多いことと思いますが、では妊娠初期と中期で食事のルールは変わってくるのでしょうか。

つわりの時期の食事ルール

妊婦さんの50~80%[*1]に見られる「つわり」。つわりは妊娠初期にあたる妊娠5~6週ごろから始まり、吐き気やおう吐、食欲不振などさまざまな消化器の不快な症状が現れます。まだ吐き気が強いうちは、栄養バランスなどは一旦横に置いて「食べられるものを、食べられるとき、食べられるだけ」でOKなので、少しでも食べる・飲むを心がけてください。

妊娠中期はつわりが落ち着く?

妊娠初期に始まったつわりも、12~16週には自然とおさまることが多く[*1]、妊娠中期(妊娠週数で言うと14週〜27週)は、個人差はあるものの、徐々につわりの症状が落ち着いてくることが多いでしょう。

そうなってきたら、つわり中の「食べられるだけ食べていい」ルールは終了。栄養のバランスをより意識した食事を心がける必要があります。

妊娠中期の食事、エネルギーとその他の栄養素は?

妊娠中は、妊娠していない時とは別に「食事の摂取基準」が設定されています[*2]。なぜなら「妊娠中に適切な栄養状態を維持して、正常な分娩をするため」「妊娠中ならではの変化、つまり赤ちゃんが発育するために蓄えられる量・ママの体に蓄えられる量を摂取するため」です[*2]。

では、「妊娠中期」にクローズアップして、食事のポイントを見ていきましょう。

エネルギー

妊娠していない時の1日のエネルギー必要量は、普段の活動量によって変わってきますが、妊娠中期では、非妊娠時の必要量に250kcal/日の追加が必要とされています[*4]。

具体的には、通常時の主食で摂る分(ごはんだと小盛り5~7杯)に加え、副菜、主菜、果物で妊娠中期のエネルギーの増加分、+250kcalを補います※[*5]。

「妊娠中は二人分食べて!」などという人がいますが、そこまでの増量は必要ないということですね。

※妊娠中期(18~49歳)で一般的な身体活動レベルの場合

たんぱく質

たんぱく質は、食卓に主菜として並ぶ肉や魚、卵、大豆食品などから適切な量を摂ることが勧められています。成人女性のたんぱく質の摂取推奨量は50g/日で、妊娠中期ではここに5g/日を追加しましょう[*4]。

具体的には、絹ごし豆腐であれば100g(たんぱく質4.9mg[*6])程度が妊娠中期の追加分となります。ほかの肉や魚などもバランスよく取り入れつつ、たんぱく質を摂っていきましょう。

鉄も妊娠中は大切な栄養素です。
妊娠中期以降、9.5mg/日を非妊娠時の量(6.5mg/日)に追加することが勧められています[*3] 。

妊娠期に必要な鉄の量は、お腹の赤ちゃんの成長のための貯蔵分、へその緒や胎盤の中への貯蔵分、体の中を巡る血液量が増えることでの赤血球量増加による需要のup分、そして吸収率などを加味して設定されています。

なお、貧血予防には鉄分だけでなく、吸収率やその働きを促す効果のあるほかの栄養素も併せて摂ることが大切です 。

そのほかの栄養素

これら以外にも、妊娠のすべての期間を通して積極的に摂りたい栄養素もあれば、逆に摂りすぎに注意すべき栄養素もあります。妊婦の栄養に関しては、以下の記事を参照してください。

避けるべき食べ物とは?

妊娠中にアルコールが厳禁であることは、多くの妊婦さんが認識しているかと思いますが、魚介類の水銀、生肉などのトキソプラズマ、非加熱食品などのリステリア菌等、食材選びや調理方法に気をつけなければいけないものも多くあります。これを機に、おさらいしておくといいでしょう。

まとめ

妊娠初期はつわりで食事内容を考えられなかった人も、妊娠中期に入って食べられるようになったら、栄養素を意識してバランスの取れた食事を心がけたいものです。また、体重増加が気になり始める時期ですが、増えすぎることも、逆にやせすぎも問題です。医師や助産師のアドバイスを受けつつ、楽しく・賢く食事をしましょう。

記事を監修してくれた<宋美玄先生>プロフィール

(文:マイナビ子育て編集部/監修:宋美玄先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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