【医師監修】風邪? 妊娠超初期の鼻水。どう対処したらいい? 薬は飲んでいいの??
妊娠を心待ちにしているときに、鼻水が出てきた……。いつもなら鼻炎薬を飲むところだけど、妊娠の可能性があるときはどうしたらいいの? と困るかもしれません。ここでは、妊娠と鼻水の関係、妊娠超初期かもしれないときに鼻炎で困ったらどう対処したらよいのかについてまとめました。
鼻水が出るのはなぜ?
鼻腔(鼻の穴からのどに至る空洞)では、健康な時も常に少しずつ鼻水が分泌されており、吸い込んだ空気の加湿に役立っています。また、鼻水には異物を排出する役割もあります。
風邪やアレルギーなどのときには、体からウイルスやアレルゲンを排出しようとして、普段よりたくさんの鼻水が作られるようになります。鼻水には酵素などが含まれており、鼻から入ってくる細菌を殺してもくれます。
つまり、鼻水は異物の侵入から体を守る仕組みがはたらいている証拠なのです。
妊娠すると鼻炎になりやすい
妊娠4週未満の俗に言う「妊娠超初期」はまだ妊娠を確定できない時期ですが、一般的に妊娠すると「うっ血性鼻炎」になりやすいといわれています。
これは女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)の分泌量が次第に増加することによって、鼻の粘膜がうっ血(※)しやすいために起こると考えられています。
※血液の流れが悪くなり、とどこおること
妊娠の可能性があるとき、鼻水で困ったらどうしたらいい?
鼻水や鼻づまりで困ったら、薬で気軽に治したくなるもの。でも、妊娠の可能性があるときに自己判断で薬を飲むのは待ってください。なぜなら、妊娠初期の薬の服用は、赤ちゃんに影響を与えるリスクがあるからです。
妊活中、鼻炎で困ったら、まずは産婦人科を受診し、妊娠の可能性を調べてもらうとともに鼻炎の症状を相談してみましょう。
薬に頼らないセルフケア
デリケートなこの時期、薬を飲まずに症状を改善できるなら、その方があれこれ気をもまずに済むかもしれません。
『鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版』でも、妊婦さん、とくに妊娠2~4ヶ月の場合は、家庭でできる方法では、入浴、蒸しタオル、マスクの着用などで鼻炎が改善しないか試してみると良いとしています[*1]。
まとめ
妊娠をすると、ホルモンバランスの変化によって鼻水が出たり鼻づまりになりやすいもの。妊娠初期は自己判断で服薬するのではなく、まずは医師に相談したほうが安心です。また、入浴、蒸しタオル、マスクの着用など、薬に頼らない方法も症状の緩和に役立ちます。上手に活用してみてくださいね。
(文:マイナビ子育て編集部/監修:宋美玄先生)
※画像はイメージです
[*1]日本アレルギー学会:アレルギー総合ガイドライン2019(鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版, 改訂第8版), p241, 協和企画.
※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました
※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます