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2021年11月24日 14:31 更新

【助産師解説】抹茶のカフェイン含有量! 妊娠中の目安とコーヒーとの比較

抹茶のカフェイン含有量はどれぐらいなのでしょうか? 妊娠中の摂取について助産師が解説します。妊婦さんにおすすめのお茶も紹介しているので、そちらもぜひチェックしてみてくださいね。

抹茶に含まれるカフェイン量は?

抹茶のカフェイン含有量は、他の主なカフェインを含む飲料に比べて多い部類に入ります。

同じ量なら抹茶の方がコーヒーよりカフェインが多い

具体的には、1杯あたりに換算すると、粉末抹茶1.5gを使って70~80℃のお湯70mlでいれた場合の抹茶1杯のカフェイン含有量は48mgとなります(粉末状の抹茶100gあたりのカフェイン含有量は3.2g)[*1]。

コーヒーに含まれるカフェイン含有量は70mlあたり42mg程度なので、抹茶のカフェインはコーヒーに比べても若干多く含まれます

主なカフェイン飲料の含有量と比較すると、以下のようになります[*1]。

■主なカフェイン含有飲料の、おおよそのカフェイン濃度
飲料名 カフェイン濃度 浸出方法
抹茶 48mg/70ml 抹茶1.5gを、70~80℃のお湯70mlで
コーヒー 60mg/100ml コーヒー粉末10gを、熱湯150mlで
紅茶 30mg/100ml 茶葉5gを、熱湯360 mlで1.5~4分
緑茶(煎茶) 20mg/100ml 茶葉10gを、90℃のお湯430mlで1分
ウーロン茶 20mg/100ml 茶葉15gを、90℃のお湯650mlで0.5分

抹茶のカフェイン量は妊娠中には危険?

カフェインを多く含む抹茶
Lazy dummy

碾茶(てんちゃ:茶葉に強い日差しが当たらないよう工夫して育てた茶葉を蒸して乾燥させたもの)を石臼などで挽いて粉末状にした抹茶。手間がかかるだけあって緑茶よりも高価ではありますが、その分うま味が多くおいしいお茶として人気です。

好きな人は毎日でも飲みたいと思うかもしれませんが、妊娠中は飲んでも大丈夫なのでしょうか? 気になるカフェイン含有量と妊娠中の飲み方についてお伝えします。

絶対ダメではないけど、なるべく避けた方がいい

妊娠中のカフェイン摂取については、海外の各機関で200~300mg/日を上限とするように勧めています。これは、妊娠中は血液からカフェインが消失するまでの時間が通常より遅くなるため、妊婦さんは普段より人体へのカフェインから受ける影響が大きくなりやすいと考えられるためです。妊娠中にカフェインを過剰に摂取すると、胎児の発育阻害や出生児の低体重、早産や死産と関連する可能性が研究により示唆されている[*1]ため、摂取量には十分注意したいですね。

とはいえ、上記の範囲を超えない程度であれば、大きな心配はないと考えられています。抹茶の場合は、小さめの湯飲み(70ml)で4~6杯/日程度までの計算となりますね。

ただし、カフェイン量は使われる茶葉の量や浸出方法によって変わってきますし、カフェインの感受性には個人差があるので、妊娠中のカフェイン摂取は少ないほど安心と言えるでしょう。

特に、抹茶の含有量は他のカフェイン飲料に比べても多い方なので、できるだけ避けることが望ましく、飲む場合は上限よりも少ない量を目安とすることをおすすめします。

妊娠中に飲むならどんなお茶がおすすめ?

では、妊娠中に安心して飲めるお茶にはどのような種類があるのでしょうか? 比較的多くの量を飲んでも安心な主なお茶をご紹介します。

もっともおすすめは麦茶

麦茶はカフェインを含まないもっともメジャーなお茶です。カフェイン0というだけでなく、水分とミネラルを補給するのにおすすめのお茶です。カフェインの心配がなく、安心して飲めるお茶の筆頭格なので、夏場など多くの水分補給が必要な時期には積極的にとり入れたいですね。

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妊娠中の飲み物について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎妊娠中の飲み物|おすすめ4選と注意すべき3種類

カフェイン含有量が比較的少ないお茶も

カフェインを含まないお茶としては、麦茶以外にたんぽぽ茶(たんぽぽコーヒー)などもあります。

また、カフェイン0ではありませんが、含有量が比較的少ないお茶もあるので、外食の時にドリンクを選ぶ際は、このようなお茶を飲んでもいいでしょう。

例えば、せん茶(一般的に緑茶と呼ばれるもの)やウーロン茶は、カフェイン含有量が100mlあたり20mgと少なめです。コーヒーに比べても1/3の量となるので、あまり神経質にならなくても大丈夫でしょう。紅茶も100mlあたり30mgとコーヒーの1/2の量なので、抹茶やコーヒーよりは心配が少ないですね。

ただし、少ないとはいえカフェインを含まないわけではないので、飲む量には注意が必要です。1日のカフェイン摂取量の上限を200mgとした場合、せん茶やウーロン茶ではマグカップ(200ml)で5杯程度、500mlのペットボトルでは2本まで、紅茶ではマグカップ(200ml)で3杯程度、500mlのペットボトルでは1本程度という計算になりますね。

普段はノンカフェインの飲み物をメインにして、カフェインを含む飲み物は、時々楽しむ程度にするといいでしょう。

まとめ

抹茶に含まれるカフェイン量は、他のカフェイン飲料に比べても多い部類に入ります。カフェインと聞くと真っ先にイメージされやすいコーヒーと比較しても若干多くなるので、できるだけリスクを避けるためにも、妊娠中や授乳中の摂取は控えることが望ましいでしょう。妊娠中に摂取するお茶は、できればカフェイン0の麦茶がおすすめです。せん茶(緑茶)やウーロン茶はカフェイン含有量が比較的少なめです。ただし、飲む量には十分気をつけ、基準とされる上限を超えないよう楽しみましょう。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:坂田陽子先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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