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2022年12月07日 12:07 更新

妊娠中のチョコレート、1日どのくらい食べていい?“高カカオ”は要注意!? カフェインよりも心配なものとは【助産師解説】

カフェインというと飲み物を想像しますが、食べ物にも含まれるものがあります。そのひとつであるチョコレートについて、カフェイン含有量や成人・子供、そして妊娠中の量の目安、食べ方について解説します。

チョコレートのカフェイン量は?

カフェインが含まれているチョコレート
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カフェインが含まれる飲食物といえばコーヒーが有名ですが、チョコレートにもカフェインが含まれています。まずはチョコレートにどれぐらいのカフェインが含まれるのかを見てみましょう。

板チョコ1枚=カフェイン14mg程度

チョコレートのカフェインは原料となるカカオマスに含まれるので、カフェインの含有量は「カカオマスをどれぐらい使用したか」によって変わってきます。

・カカオマスの多いミルクチョコレート/25g:カフェイン7mg
・ハイカカオチョコレート(カカオマス70%)/25g:カフェイン21mg


作り方や商品ごとに異なってくるので一概に言うことはできませんが、ミルクチョコレートの場合は50gの板チョコ1枚あたり14mg程度のカフェインが含まれると考えられます。

カカオマスの分量が多いチョコレートには、その分カフェインも多く含まれますし、逆にカカオマスを使わないホワイトチョコレートにはほとんど含まれません

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関連記事▶︎1日のカフェインの量の目安は?飲み物の含有量をまとめてご紹介

通常、カフェインはどのぐらい摂っていい?

カフェインは適量を摂る分には、頭が冴えて眠気覚ましになるメリットがあります。一方で、過剰な量を摂ると、めまいや心拍数の増加、興奮や不安、震え、不眠、下痢や吐き気といった急性作用をもたらすことがあり、特に子供や妊婦さん、授乳中の女性はリスクが高く、注意が必要とされています[* 2]。

大人、子供のカフェイン摂取量の目安

カナダ保健省の情報によると、1日のカフェイン摂取量の上限は以下の通りです

健康な成人:400mg
4〜6歳の子供:45mg
7〜9歳の子供:62.5mg
10〜12歳の子供:85mg
13歳以上:2.5mg/kg体重

参考:厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A

チョコレート単体で1日の上限量を摂ることはまずないかと思いますが、コーヒーはマグカップ1杯200mlあたり120mgのカフェインが含まれています。

子供にはコーヒーなどの高カフェイン飲料は避けておく方がいいでしょう。

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飲料のカフェインについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
▶︎抹茶 ▶︎紅茶 ▶︎ココア ▶︎烏龍茶 ▶︎緑茶

妊娠中はチョコをどのぐらい食べていい?

チョコレートにもカフェインが少量含まれるので、妊婦の食べすぎは注意
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妊娠中はカフェインのほか、糖質やビタミンAなど過剰摂取に注意したい栄養素があります。

チョコレートは、商品によっては糖質が多く含まれるので、食べる量には十分注意したいですね。妊娠中の糖質の過剰摂取は、過剰な体重増加につながる可能性があるので、日ごろから摂取量には気をつけておきましょう。

チョコレートの1日の適量目安と、食べすぎないためのポイントについてお伝えします。

カフェインの過剰摂取は母体・胎児に影響

妊娠中は血液からカフェインが消失するまでの時間が通常より遅くなるため、人体への影響が大きくなりやすく、赤ちゃんへの影響も懸念されています[*2]。

実際に、妊娠中のカフェインの過剰摂取は、胎児の発育の阻害や出生児の低体重、早産・死産との関連性が研究により示唆されています。このようなことから、海外の各機関では妊娠中のカフェイン摂取量の1日当たりの上限を200~300mgにするよう勧めています。つまり、妊娠中のカフェイン摂取は厳禁ではありませんが、摂取量と頻度には注意が必要となります。

なお、出産した後の授乳中も引き続きカフェインの過剰摂取に注意が必要です。詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎授乳中のカフェインはどれぐらいまでOK?摂取基準と注意点

妊娠中のチョコレートは板チョコ半分程度に

カフェインの影響という意味だけで見れば、チョコレートは含有量からして特に妊娠中だからと神経質になる必要はないと言えるでしょう。カフェインを含む他の飲食物に比べても少ない方なので、適量であれば母体や赤ちゃんへのカフェイン摂取の影響を気にすることはありません。

ただしチョコレートには糖質や脂質も多く含まれますので、食べすぎないようにしましょう。農林水産省では、嗜好品は1日200kcalまでにとどめることを勧めています[*4]。

ミルクチョコレート(板チョコ1枚50g)は、エネルギー280kcal、糖質25.9gほどなので[*5]、板チョコで半分~2/3ぐらいにしておきましょう。ただし、他にも甘いものを食べる場合は、チョコレートの量もそれに合わせて少なく調整する必要があります。

また、お伝えしたとおり、ミルクチョコレートとは異なりハイカカオチョコレートではカフェインの量が多くなります。製品によりますが、多いものでは50g(個包装なら10個)でカフェイン60mg[*3]となり、100mlのコーヒー1杯と同じ量になります。コーヒーを数杯飲み、高カカオチョコレートをいくつも食べるといったことは避け、ハイカカオチョコレートを食べる日はコーヒーを飲まないかノンカフェインコーヒーにするなど、注意しましょう。

適量であればおやつに適したチョコレート

チョコレートには、ポリフェノールや食物繊維、ビタミン・ミネラル類、テオブロミンなどのさまざまな栄養素も含まれるので、適量であれば体にいい効果が期待できるお菓子でもあります。

前述のようにカフェインの影響はほとんど気にすることはありません。ただし、食べる量は気をつけて、糖質の摂りすぎに気をつけましょう。チョコレートが好きな人は、妊娠中でも少量をおやつとして楽しむ分には問題ないでしょう。

チョコレートを食べすぎないためのポイント

とはいえ、好きであればなおさら「うっかり食べすぎてしまった!」なんてこともあるかもしれませんよね。そのようなことを避けるためにも、妊娠中は特に食べすぎないためのポイントを押さえておくことをおすすめします。

食べすぎを防ぐためには、まず1日に食べる量をきちんと決めておきましょう。食べる量で小分けにしておくと、なおいいですね。

また、妊娠中に限らず、食事やおやつの時間・回数はある程度決めておき、1日を通してだらだら食べることがないよう気をつけることも大切です。「ついつい食べすぎた!」ということを避けるためにも、必要以上の買い置きはしないようにするのもポイント。そうすることで、惰性で毎日食べることもなくなりますよ。食べたいと思ったときに少量を購入し、さらにそこから1日分を分けて食べるようにしたいですね。

まとめ

チョコレートにもカフェインは含まれますが、他のカフェイン含有の飲食物に比べて少量なので、妊娠中だからといってあまり気にすることはありません。チョコレートに関してはカフェインよりも、どちらかと言えばカロリーや糖質の方をより気にしたいですね。おやつ、間食などの嗜好品は1日200kcal以内を目安に、食べすぎには十分注意しましょう。1日に食べる量を小分けにしておく、おやつの時間を決める、必要以上の買い置きはしないなど、食べすぎを避ける工夫で美味しく健康にチョコレートをとり入れてください。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:坂田陽子先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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