ママのための悩み解決サイト
【医師監修】産後に食欲がない!? ママが食欲不振になる原因と対策

【医師監修】産後に食欲がない!? ママが食欲不振になる原因と対策

産後、授乳しているとお腹がすいて食欲が止まらない!と言うのはよく聞きますが、逆に授乳していても食欲がないというママも多くいます。授乳中にもかかわらず食欲のないのはなぜでしょう? その原因はいくつかあります。産後うつにもつながりかねない食欲不振の原因とその対処法をご紹介します。


この記事の監修ドクター
西條クリニック 西條朋行先生
新宿御苑前駅 徒歩1分にある、心療内科・精神科のクリニックです。当院では、根拠に基づいた良質の医療を提供し、患者さんの苦痛の軽減と解消をはかることのみならず、患者さんの問題を、それを内在する「環境全体の問題」と捉え、患者さんご自身について、あるいは、ご自身の環境との付き合い方について、 「前よりもはっきりわかった」「役に立つことを知った」と実感していただけるように心がけています。
http://saijo.net

産後授乳中なのに食欲がないのはなぜ?

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

産後は授乳してるからお腹がすくと聞いていたのに、全然食欲がわかず食べられない……。赤ちゃんのためにも少しでも食べなくちゃと思っているのに、食べたら吐き気まで。きちんと食事がとれていないと、授乳してもちゃんと出ているかどうか、足りているかどうか心配になってしまいますね。何とか食べられるものだけ食べても栄養が偏っているので赤ちゃんに影響はないか、きちんとした母乳は出てるのか心配が襲ってきます。

実は、産後の食欲不振で悩むママは意外に多いんです。出るはずの食欲がなぜ出ないのでしょう? それにはいくつか理由があります。

食欲不振の原因は疲れかも

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

出産でママの体は交通事故にあったくらいのダメージを受けます。そんな出産と言う大仕事をした直後から始まる、慣れない赤ちゃんとの生活。初めての育児に対する緊張感と、昼も夜も関係なく2~3時間おきに繰り返される授乳。ほとんどまともに寝られない中、精神的にも体力的にもママの疲れはピークに達します。マラソンの直後など、疲れきっている時は食欲がわかないことがありますよね。産後食欲のないママはまさにその状態なんです。

疲れていることに気づいている? 

産後のママは24時間赤ちゃんのお世話をして、日中も夜中でも2時間おきの授乳のため、常に寝不足状態が続いています。疲れていることは自覚していると思いますが、頼る人もなく、パパも仕事で忙しいため、そんな大変な赤ちゃんのお世話を一人でするママが本当に多いんです。自分がどれだけ疲れていて大変なのか、考える間もなく次々と出てくる赤ちゃんのお世話。ただでさえ慣れない育児にあたふたしているのに、寝不足も加わってその疲れは相当なものです。

ママはその大変な状況を「当たり前でみんなやっていること」と思い、つい無理をしてがんばってしまいます。疲れていることを自分自身過小評価してしまい、疲れきっていることに気づかない場合もあるんです。

疲れを回復するための対処法

まずは、疲れていることを自覚することが第一。想像以上に体は疲れています。母乳育児だとどうしても授乳ごとに起きないといけませんので、まとまった睡眠が取れていないですよね。赤ちゃんがお昼寝している時や、たまにはミルクを飲ませてその間に休んだりして、体力回復を図りましょう。

夜がつらい場合は寝る前にミルクを足すと少し長めに寝てくれることが多いです。夜中の授乳も添い乳などで体を起こさなくても良い方法を取り入れると良いですよ。休みの日の夜中やお昼寝中のミルクをパパにお願いしたり、少しのんびりお風呂に入らせてもらうだけでも疲れが取れますよ。家族にもっと甘えてみましょう。

産後の食欲不振は「産後うつ」の可能性も!?

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

「産後うつ」の症状の一つに食欲不振があげられます。もしかすると産後うつの兆候かもしれません。新しい生活や慣れない赤ちゃんのお世話など、ただでさえ疲れきっている体にストレスが加わり、「産後うつ」になったと感じるママは約40%と言うデータがあります。半数近い人が産後うつを感じているんですね。

産後はホルモンバランスの変化、特にエストロゲンの減少により不安や孤独感が増します。これは共同養育を促すための人間のしくみだと考えられています。しかし現在の日本では核家庭化が進み日中はママと赤ちゃん二人きり、パパも仕事が忙しくほとんどママ一人きりで赤ちゃんを育てている状況なのです。

こんな症状はない? 産後うつセルフチェック

産後うつになると下記のような症状も現れます。食欲不振以外にも当てはまる項目が多い場合は産後うつかもしれません。

・気分が落ち込み物事を悪い方にばかり考えてしまう。
・集中力や記憶力が落ちている。
・些細なことで泣いてしまう。
・疲れているのに眠れない。
・自己嫌悪感が強い。

産後うつは気持ちがコントロールできなくなってしまう状態です。少しでもその兆候が見られたら対処するようにしましょう。

産後うつかもと思ったら……

産後うつに罹りやすいママは責任感が強く、まじめな性格で、何でも自分で抱え込んでしまう頑張り屋さんが多いようです。産後うつになりかけているかもと思ったら、とにかく何でも抱え込むのをやめましょう。

産後うつは早めに対処することで改善も早くなります。うつであれば心療内科と思いがちですが、少し行きづらいですよね。そんな時はかかりつけの産婦人科でも大丈夫です。軽いマタニティーブルーくらいの症状であれば話を聞いてもらえるだけで改善する場合もあります。

女性は話をして共感してもらうことでストレスが解消されます。男性はどうしても話に結論を求めがちですので、そうなるとさらにストレスがかかってしまいます。なるべく育児の先輩などに話を聞いてもらってストレスをため込まないようにしましょう。

食欲不振の原因は、亜鉛不足?

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

亜鉛不足も食欲不振の原因となります。亜鉛は胎児の中枢神経を作る大切な栄養素です。実は亜鉛の必要摂取量は妊娠期は通常よりも3割多くとる必要があります。さらに、産後授乳期には母乳で消費されるため、通常の4割多く摂取する必要があります。特に初乳には3ヶ月ごろの母乳の約8倍もの亜鉛が含まれているようです。いつも通りの食事だと足りないことがよく分かりますね。

亜鉛不足で起こる主な症状

亜鉛不足に陥ると食欲不振や味覚が分からなくなるという症状が現れます。何を食べてもおいしく感じないなどの症状が出たら亜鉛不足を疑いましょう。その他以下のような症状があります。

・食べ物の味が分からない。
・口の中が鉄っぽい味がする。
・爪が割れやすい、白い点々が出来る。
・鳥目になった。
・傷の治りが遅い。
・下痢。
・抜け毛が多い。
・貧血の症状がある。

亜鉛以外のマグネシウムなどと言ったミネラルも不足しがちです。体が亜鉛と鉄分を同量程度に保とうとするため、亜鉛不足になると鉄分を摂取していても吸収されず貧血になります。また、亜鉛不足により過剰になった鉄分の味が口に残り鉄っぽい味がするようです。

亜鉛不足になってしまったら?

亜鉛は牡蠣やシジミなどの貝類に多く含まれています。ただ、牡蠣は生臭く食欲のない時には食べづらいですよね。そんな時はシジミ汁がおすすめです。飲むだけでも亜鉛不足の改善につながりますよ。

他にアーモンドなどのナッツ類、大豆製品や肉類にも多く含まれています。今流行のアーモンドミルクにも亜鉛が多く含まれますので、おすすめです。亜鉛と鉄分はバランスを取りながら吸収されますので、亜鉛と同時に鉄分も取るように心がけましょう。

また、ビタミンCには亜鉛や鉄分の吸収を助ける働きがありますので、一緒に取ることで吸収率を高める効果があります。食欲のない時はレモネードなどでもOKです。

幸福ホルモン「オキシトシン」の影響も!

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

「オキシトシン」とは母乳が出るように促すためのホルモンですが、「愛情ホルモン」などとも呼ばれ、他人をいとおしく感じたり、幸せに感じるホルモンでもあります。授乳中に幸せを感じたり、赤ちゃんがかわいいと感じるのはこのオキシトシンの作用でもあるんです。

幸せだな~と感じたり、大好きな人を想うと胸がいっぱいになり、ご飯ものどを通らないときがありませんか? 実はオキシトシンには食欲を抑える効果もあるようです。不安もあまり感じていないのに食欲あんまりないなと言う時はオキシトシンの影響かもしれません。

夏の育児は食欲不振になりやすい

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

食欲が落ちてしまいがちな夏。授乳中のママは母乳に水分が必要なため、暑くてだるいと言って食事をとらないでいると、脱水症を起こしやすくなります。体重の2%の水分が失われただけでも脱水症状が起き、食欲不振の原因となるようです。脱水症状が出る場合は同時に立ちくらみなど脳貧血が起きることが多いです。食欲不振に立ちくらみの症状が出たら脱水症状を疑いましょう。夏だけでなく冬でも起きる可能性がありますので注意してくださいね。

脱水症ってどんな症状が出る?

水分不足による脱水で起こる症状は下記の通りです。

・食欲不振
・口の渇き
・尿量の減少
・頭痛
・めまい、立ちくらみ
・倦怠感
・意識障害

授乳中は体内の水分が不足しがちなうえ、汗などで知らず知らずのうちに多量の水分が体内から失われています。

脱水症の症状が起きたら……

ママはどうしても自分のことを後回しにして、水分を取ることさえ忘れてしまいがちです。さらに夏場は熱く、熱中症になりやすくなっていますので注意しましょう。汗や尿、さらには母乳などで水分と塩分が失われていることを忘れず、意識して水分を取るようにしてくださいね。出来ればスポーツドリンクや、ミネラルの豊富な麦茶などのノンカフェイン飲料がおすすめです。頭痛が起きている場合、水だけを摂るとさらに頭痛がひどくなる場合があります。

ママは元気が一番!

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

さまざまな原因と対処法をご紹介しましたが、産後の食欲不振はいくつもの原因が重なって起こる場合もあります。また「食べなくちゃ」とプレッシャーを感じると、食欲不振からストレスとなり、産後うつにつながる場合もあります。無理に食べるのではなく、食べられるものを少しずつ食べるようにしましょう。食事がなかなかとれない場合も、水分補給だけはしっかりとするように心がけてくださいね。

ママは元気が一番! ママが笑顔だと赤ちゃんも自然と笑顔になります。少しでも元気な笑顔を赤ちゃんに見せられるように、つらい時は無理せず周りに頼ることも大切ですよ。食欲不振を克服して、元気な育児生活を目指しましょう!

関連する投稿


【医師監修】二人目を妊娠したい! 適切な時期・タイミングはいつ?

【医師監修】二人目を妊娠したい! 適切な時期・タイミングはいつ?

子どもは二人以上欲しい! という人も多いですよね。いつ頃が適切な時期・タイミングなのか、また、上の子のケアや妊娠中や出産のときの注意点も気になりますよね。今回は、そろそろ二人目を妊娠したいと思ったらいつが適切な時期なのか、また、上の子との接し方や妊娠中・出産時の注意点などをお伝えいたします。


【医師監修】低出生体重児の持つ2つのリスクは? 原因・後遺症の可能性・発育について

【医師監修】低出生体重児の持つ2つのリスクは? 原因・後遺症の可能性・発育について

現代では、出生体重が「2,500g未満」の低出生体重児が増えているといわれています。そこで今回、低出生体重児の健康上の問題やその原因、発育などについて紹介していきます。


【医師監修】着床後はおりものが変化する? 妊娠の兆候とおりものの基礎知識

【医師監修】着床後はおりものが変化する? 妊娠の兆候とおりものの基礎知識

妊娠すると、身体にさまざまな変化が現れます。体温の上昇や気分の不快感などいろいろありますが、その中のひとつが「オリモノの変化」。具体的にどのようにオリモノが変化するのでしょうか? 気を付けておきたいオリモノの病気とともにご紹介します。


【医師監修】高温期が何日続けば妊娠の可能性? 妊娠中はいつまで高温が続く?

【医師監修】高温期が何日続けば妊娠の可能性? 妊娠中はいつまで高温が続く?

女性はホルモンの影響で、約1カ月の間、身体の調子がさまざまに変化します。ある一定の時期、「なんだか熱っぽい」と感じることはありませんか? これは「高温期」と呼ばれるもので、排卵の有無や妊娠を知る大切な目安でもあります。今回はこの「高温期」について解説します。


【医師監修】ダウン症の検査はどう行う? 方法とリスク、検査の現状と問題点

【医師監修】ダウン症の検査はどう行う? 方法とリスク、検査の現状と問題点

おなかの中の赤ちゃんにもしも病気があったら、出生前に知っておきたいと考えるママも少なくありません。現在注目されているのが「胎児ドック」です。今回は「胎児ドック」の検査内容や受ける時期、母体や赤ちゃんにリスクはないのか、などについてまとめました。


最新の投稿


葉酸たっぷりの果物&食べる際の注意点

葉酸たっぷりの果物&食べる際の注意点

妊娠中はつわりもあり、食欲が落ちますが、ジューシーな果物は比較的食べやすいですよね。今回は、葉酸たっぷりの果物をご紹介するとともに、食べる際の注意点も紹介していきます。


【医師監修】子どもの鼻づまりを治す方法・3選  家庭でできる簡単ケア

【医師監修】子どもの鼻づまりを治す方法・3選 家庭でできる簡単ケア

ズルズルと続く子どもの鼻づまりは、かわいそうですよね。今回は子どもの鼻づまりのケアをご紹介します。子どもが辛そうにしていたら、取り入れてみてください。


【医師監修】低出生体重児の持つ2つのリスクは? 原因・後遺症の可能性・発育について

【医師監修】低出生体重児の持つ2つのリスクは? 原因・後遺症の可能性・発育について

現代では、出生体重が「2,500g未満」の低出生体重児が増えているといわれています。そこで今回、低出生体重児の健康上の問題やその原因、発育などについて紹介していきます。


【医師監修】不妊の原因に!? 「黄緑のおりもの」で疑うべき4つの病気

【医師監修】不妊の原因に!? 「黄緑のおりもの」で疑うべき4つの病気

黄緑色のおりものになったら、体の異変のサインかも? 今回は、黄緑色のおりものから疑うべき「4つの病気」と、その症状・原因・治療法までを詳しく見ていきましょう。


【医師監修】妊娠初期から注目! 摂取すべきサプリメント5つ

【医師監修】妊娠初期から注目! 摂取すべきサプリメント5つ

バランスよい食事に気をつけていても、食事では摂りきれない栄養素はたくさん!そんな時は、サプリメントで補うことができます。妊娠初期からきちんと飲みたい「5種類のサプリメント」を紹介します。