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【医師監修】妊娠で女性ホルモンが変化するメカニズム

【医師監修】妊娠で女性ホルモンが変化するメカニズム

私たちの生活と切っても切れない関係の女性ホルモン。皆さんはそんな女性ホルモンに、どんな種類があるのか、どこから分泌されているのかご存知ですか? 今日はその種類や仕組み、また妊娠によってどう変化するのか、興味深い女性ホルモンのメカニズムを探ってみましょう!


この記事の監修ドクター
なかむらレディースクリニック 中村容子先生
日本産科婦人科学会専門医、臨床遺伝専門医、抗加齢医学会専門医、女医+(じょいぷらす)所属。当院は、不妊治療・体外受精専門の婦人科クリニックです。患者様それぞれにあった、こころとからだに優しい生殖医療を提供いたします。
http://towako-nakamura.com/

女性ホルモンの種類と働き

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ホルモンは身体の健康を維持するために、大切な役割を担っています。中でも卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類のホルモンは、女性の体に大きな影響を与える女性ホルモンです。

いろいろな場所から分泌されるホルモン

ホルモンは身体の調子を一定に保つために分泌されている生理活性のある物質です。脳の視床下部、下垂体、甲状腺、膵臓など、いろいろなところから分泌されており、男性なら精巣(睾丸)、女性なら卵巣からも分泌されます。その種類は40種類以上もあり、血液によって全身に運ばれ作用を発揮します。

なかでも女性の身体においてとくに大切な役割を果たしているのが、卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンです。月経や妊娠・出産など女性特有の身体の機能や、女性らしい丸みを帯びた体つきなどは、この女性ホルモンの分泌の影響を受けています。そして、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)という下垂体から分泌されるふたつの性腺刺激ホルモンが、それぞれ卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌をコントロールしています。

ホルモンは多くても少なくても不調のもとに

身体の調子を保つ働きがあるホルモンですが、多く分泌されたほうがいいわけではありません。それぞれのホルモン量のバランスが保たれていることが大切です。もともと微量しか分泌されないホルモンなので、ほんの少しの量の変化が体調に大きく影響を与えます。

ホルモンバランスが崩れると、月経不順や無月経、不妊やその他さまざまなトラブルを引き起こします。更年期に体調がくずれやすくなるのもホルモンバランスのくずれが原因で起こる症状です。ホルモンのバランスをくずさないように心がけることは、心身ともに健康に過ごすためにとても大切なことです。

女性の身体を支配する主なホルモン

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下垂体から分泌されるホルモン

・卵胞刺激ホルモン(FSH)
卵巣に作用して、卵巣の中の原始卵胞(卵子の入っている袋)を成熟させ、卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌をうながすホルモンです。排卵前にもっとも多くなります。

・黄体化ホルモン(LH)
成熟した卵胞を刺激して、排卵を起こすように働きかけるホルモン。排卵時に急激に分泌量が増え、卵子を排卵させます。排卵後は卵子を排出した卵胞を黄体に変化させ、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌させる働きをします。

・プロラクチン
乳腺に作用して、乳汁の分泌をうながすホルモン。妊娠すると分泌量が増えていきますが、妊娠中は卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)がプロラクチンの機能を抑えるため乳汁は出てきません。出産すると卵胞ホルモンと黄体ホルモンの抑制がなくなるため、乳汁の分泌と生産が盛んになります。

卵巣から分泌されるホルモン

・卵胞ホルモン(エストロゲン)
子宮内膜を増殖させる働きがあります。また子宮頸管では、排卵期に分泌液を増やして、精子が通過しやすくなるよう働きかけます。排卵直前にピークになります。皮下脂肪組織にも作用し、女性らしい丸みを帯びた体型をつくります。更年期後、卵巣機能低下とともに分泌量が少なくなります。

・黄体ホルモン(プロゲステロン)
受精卵が着床しやすいように子宮内膜に作用し、妊娠の成立をうながします。妊娠すると絨毛から分泌されるhhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の作用を受けて分泌しつづけ、妊娠8週ぐらいから、主な産生場所は胎盤のもとである絨毛にスイッチします。胎盤完成後は、無事出産するまで胎盤から分泌され、子宮環境を維持します。しかし妊娠しないときは排卵の約14日後に分泌が低下し、増殖した子宮内膜を維持する働きがなくなるので、子宮内膜ははがれて排出されます。子宮内膜がはがれて出血する現象が月経です。

月経の仕組み

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月経=子宮内膜がはがれて排出される

女性は生まれたときには、卵巣内に約200万個の原始卵胞(卵胞のもと)をもっています。その原始卵胞は思春期になって、女性ホルモンが分泌されるようになると一定のサイクルで成熟してひとつずつ排卵されるようになります。

排卵すると子宮は妊娠に備えて、子宮内膜をふかふかのベッドのように厚くして受精卵が着床するのを待ちます。でも受精卵がやってこないと、せっかく準備した子宮内膜のベッドは不要になるため、血液とともに体外に排出されます。これが月経です。月経が始まると、また次の妊娠チャンスに向かって準備が始まります。このように女性の体は月経サイクルに合わせて受精卵が子宮にやってくるのを準備しながら待っているのです。

周期や経血量には個人差がつきものです

月経が始まった日から次の月経の前日までを月経周期といいます。約28日をワンサイクルとして回っているのが一般的です。ただし個人差があるため、月経周期が25~38日ぐらいまでは正常範囲とされています。

この月経周期は、卵胞期、排卵期、黄体期、月経期の4つのステージに分けられます。ホルモンの分泌によって体内ではいろいろな変化が起こり月経があるうちはずっと繰り返されていきます。月経が何日続くかにも個人差がありますが、3~7日続くのが一般的と言われています。8日以上月経が続く場合は、なにか原因となる病気が潜んでいるケースもあるので、産婦人科を受診して相談してみるのもよいかと思います。

月経と上手につきあう工夫をしてみましょう

月経中にイライラしたり、腹痛や腰痛などの不快症状を感じる人は少なくありません。また、月経がはじまる前から憂鬱な気分になる人もいます。人によっては、月経前症候群(PMS)や月経困難症など日常生活に支障をきたすほど症状が重いケースもあります。しかし約40年も月経とつきあっていくわけですからできるだけ上手につきあっていきたいものです。つらい痛みや不快症状は我慢しないで産婦人科に相談するとよいでしょう。

セルフケアも大切です。月経中は普段以上に身体を清潔に保つように心がけ、かぶれやかゆみなどが起きないように気を付けましょう。身体を冷やすと月経痛などの症状がひどくなることもあるので、特に下半身は冷やさないように、アイスなど冷たいものも食べ過ぎないようにしましょう。

月経が起こる仕組み

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卵胞期

脳の視床下部から性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が出て、下垂体は卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体ホルモン(LH)を分泌します。それが卵巣の中の卵胞に作用し、卵胞が成熟を始めます。

排卵期

卵胞の成熟とともに卵胞ホルモン(エストロゲン)が分泌され、子宮内膜が増殖して厚くなり、妊娠に備えて準備を始めます。卵胞が成熟し、卵胞ホルモンの分泌が十分になると、下垂体から黄体化ホルモンが急激に分泌され、卵子が飛び出します。これが排卵です。

黄体期

排卵したあとの卵胞は、黄体に変化し、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌します。そして卵胞ホルモンと黄体ホルモン双方の働きにより、子宮内膜はより厚く、やわらかくなって、受精卵がやってきたときに着床しやすいように子宮環境を妊娠に適した状態に整えます。卵胞ホルモンと黄体ホルモンの分泌は、視床下部や下垂体からの性腺刺激ホルモン放出ホルモンや卵胞刺激ホルモン、黄体ホルモンをコントロールしています。

月経期

妊娠が成立しなかった場合、黄体機能はおとろえ、排卵から約2週間で黄体は白体に変わり、消滅します。黄体ホルモンも卵胞ホルモンも急激に減り、妊娠に備えて準備されてきた子宮内膜ははがれて、血液とともに体外へ排出されます。これが月経です。月経がはじまると減少した卵胞ホルモンと黄体ホルモンのフィードバックによって、視床下部は下垂体に指令を出し、次の排卵、着床に備えて再び準備をはじめます。

妊娠の仕組み

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卵子と精子が卵管膨大部で出会う

卵胞刺激ホルモンの作用で卵子は成熟して黄体化ホルモンの作用で排卵し、毎月妊娠するための準備をととのえています。卵巣に入っている数十万という卵胞の中から、たった1個の卵胞が成熟して卵子が卵巣の外にはじき飛ばされます(排卵)。そして飛び出した卵子は卵管采でキャッチされると、卵管膨大部というところでやってくる精子を待ちます。

精子のほうは、射精によって腟から女性の体内に入ります。そして子宮口を目指して進み、子宮内を通って卵管に入っていきます。男性が1回の射精で出す精子の数は数億個に及びます。でも腟の中は酸性になっていることもあり、ほとんどの精子は進んでいく途中で死滅してしまい、子宮内へと進んでいける精子はほんのわずかです。卵子のところまでたどり着ける精子はそのさらに一部です。そしてここまで生き残って進んできた精子のたった1個だけが卵子を包んでいる膜を突き破って中に入り受精します。

受精卵は子宮へ移動、子宮内膜に着床する

排卵した卵子の寿命はほぼ24時間といわれています。その時間内に卵管膨大部で精子にタイミングよく出会うことができないと受精することはできません。受精によって結ばれた精子と卵子は受精卵となり、細胞分裂を繰り返しながら子宮へと向かいます。そして受精から3~5日ほどで子宮にたどり着き、その後、子宮内膜にもぐり込んで着床します。これで妊娠が成立します。

妊娠の兆候を知ろう

妊娠すると体にさまざまな変化が起きます。妊娠の兆候には個人差がありますが、それらを知っておくと早く妊娠に気づくことができます。妊娠の可能性が考えられるようなら当てはまるものがあるかどうか、チェックしてみましょう。

・予定日になっても月経がこない
・基礎体温の高温期が3週間以上続く
・胃がムカムカして気持ちが悪いなど、つわりの症状が出る
・微熱がつづき、身体がだるい
・乳首の先が痛い、乳房が張るなど乳房に変化が見られる
・尿が近くなる
・おりものが増える

異所性(子宮外)妊娠とは

受精卵が子宮の内膜以外のところに着床してしまうことを異所性(子宮外)妊娠といいます。最も多い原因は、受精卵が卵管に着床してしまうことです。状況によって症状に違いがあります。妊娠初期は少し下腹部が痛む程度だったり、少量の出血があるだけですが、放置しておくと卵管が破裂して大量の腹腔内出血が起き、激痛におそわれたり、母体の生命が危険にさらされることもあります。妊娠検査薬で陽性反応が出た時は、異所性(子宮外)妊娠か正常妊娠かをきちんと確認する意味でも、必ず産婦人科を受診しましょう。

まとめ

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下垂体や卵巣から分泌される女性ホルモンやそのメカニズムとともに、月経や妊娠の仕組みについてお話ししてきましたが、いかに女性ホルモンが身体や妊娠において大事な役割を果たすか、理解できたでしょうか。これからも月経とうまく付き合い、女性ホルモンの働きを上手に利用して日々を過ごしていきましょう!

【医師監修】女性ホルモンのバランスが乱れる原因と4つの改善方法

http://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/23

何が原因で女性ホルモンが乱れるのでしょうか。女性は日々エストロゲンやプロゲステロンなど、女性ホルモンの影響を受けています。不妊、心身の不調、イライラなどの症状も女性ホルモンが大きく関係しています。ハーブティーなど、ホルモンバランスの乱れを改善する方法をご紹介します。ホルモンバランスを調べる検査の情報も必読です。

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