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【医師監修】子どもと大人で違う?おたふく風邪の症状・治療・合併症

【医師監修】子どもと大人で違う?おたふく風邪の症状・治療・合併症

子どもに多く見られるおたふく風邪。顔がはれておたふくのようになり痛みも伴います。実は大人もかかるって知っていましたか?さらに大人は子どもより重症化しやすい傾向も!!今回はおたふく風邪の症状や治療、合併症について詳しくみていくことにしましょう。


この記事の監修ドクター
女医によるファミリークリニック 大井美恵子先生
当院では受診していただく患者様は家族と思い治すことをモットーとしており、生まれたときから、生涯を終えるときまで、ご家族全員のプライベートホームドクターを承っております。最新の小児科内科皮膚科・美容医療に、東洋医学などの代替医療やアンチエイジング医療を取り入れながら、 ご家族全員がいつまでも健やかで美しくあるためのオリジナル医療を提供しております。
http://www.familyclinic-hiroshima.com/

おたふく風邪で見られる症状

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おたふく風邪はどんな症状がみられるのでしょうか。普通の風邪とどこが違うのでしょうか。子供と大人の症状の違い、潜伏期間についてもみていくことにしましょう。

子供のおたふく風邪の症状

おたふく風邪は正式には流行性耳下腺炎といいます。おたふく風邪は2歳以降にかかる子が多く、保育園や学校に通い、集団生活を過ごす3~10歳頃に発症が多くみられる疾患です。
おたふく風邪の症状はその名の通り、耳の前下にある唾液腺、耳下腺、下あごの下にある唾液腺、顎下腺に腫れがみられ痛みを生じます。唾液腺が両方腫れ、おたふくのようにみえるのが特徴ですが、中には片方しか腫れないケースもあります。しかし免疫は片方だけの場合にもつきますので安心してください。腫れは1週間ほど続きます。この腫れの痛みから食欲低下や痛くて眠れないなどの症状もあらわれます。

症状が出るまでの潜伏期間は?

おたふく風邪に感染していても症状が出ない潜伏期間が2~3週間あります。おたふく風邪は潜伏期間が他のウイルスに比べて長いのも特徴です。また、感染しても症状があらわられない人もいます。感染しても症状があらわれない人のことを不顕性感染といい全体の30~40%にあたるといわれています全体の30%~40%みられ、特に1歳以下の子はそのような場合が多いようです。しかしこういった感染しているが症状がないといった場合でも感染力はありますので注意が必要です。

子供と大人で症状は違う?

大人がおたふく風邪を発症すると、重症化しやすく合併症や大人特有の症状もみられます。
子供と同じような症状に加えて、嘔吐や激しい頭痛などがみられます。さらに合併症として髄膜炎や睾丸炎、卵巣炎、膵炎などの合併症も想定されます。睾丸炎は、おたふく風邪を発症した15歳以上の男性のうち、約30%にみられます。左右両側の睾丸が重症化した場合、ごくまれに無精子症になることもありますが多くは片側だけなので、おたふく風邪が不妊の原因に直結することはほとんどないでしょう。

卵巣炎は、おたふく風邪を発症した成人女性のうち、約7%に起こる合併症です。こちらも睾丸炎同様に、片方の卵巣のみ炎症を起こす場合が多いです。炎症が重症になった場合でも、もう片方の卵巣から排卵されるため、不妊になることはまれです。よって睾丸炎も卵巣炎も不妊の原因に直結するものではありませんので安心してください。睾丸炎は睾丸の腫れと痛み、卵巣炎は下腹部の痛みがあります。

まれに膵炎を発症する人もいます。膵炎は、激しい腹痛や嘔吐などの症状が現れます。膵炎の場合は、他の臓器の機能も低下してしまう可能性があり、放置してしまうと腹膜炎を起こすこともありますので緊急に病院受診が必要です。

さらに妊娠中におたふく風邪に感染すると奇形児が生まれるという話もありますがこれも直接の原因とは考えられません。ただ妊娠初期に発症すると流産のリスクがありますので注意しましょう。幼少期におたふく風邪を発症した覚えのない方は、ワクチン接種がおすすめです。特に妊娠を希望している夫婦は妊娠前に予防接種しておくとよいですね。幼少期に発症していれば再発することはほとんどありませんが、不安なら医師に相談してみましょう。

おたふく風邪の原因

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では、おたふく風邪の原因についてみていくことにしましょう。おたふく風邪の原因であるムンプスウイルスってどんなウイルスなの?感染力は?感染経路や流行時期は?おたふく風邪の原因を知り、予防に努めましょう。

原因はムンプスウイルス

おたふく風邪はムンプスウイルスが原因で発症します。ムンプスウイルスは非常に感染力が強いウイルスです。ムンプスウイルスは潜伏期間が2~3週間と非常に長いのが特徴です。これはインフルエンザやノロウイルスよりも長いため、知らないうちに他人を感染させてしまうことも多いようです。予防で最も効果的なのはワクチンの接種になります。

飛沫・接触で感染する

おたふく風邪は、咳やくしゃみ、会話などムンプスウイルスが空中に放たれ、それを吸い込んだことにより感染する飛沫感染やウイルスがついたドアノブやおもちゃ、タオル、感染者本人との接触感染によってうつるといわれています。よって保育園や学校では、集団感染する恐れもあるため学校保健安全法で第二種感染症に分類され出席停止する必要があります。この時、医師に診断書を書いてもらうことで保育園や学校は欠席扱いにはなりません。

感染しやすい流行時期は?

以前は、初冬から春に流行する病気とされ、夏休みに入る頃には減少するといわれていました。冬場は空気が乾燥しやすかったり、寒さで抵抗力が弱まる、また、春は保育園や小学校の入園、入学の時期で発症しやすいとされてきました。しかし、近年では季節に関係なく1年中流行する病気とされています。特に都市部は人口が密接しているため注意も必要です。さらには3年の周期で大流行がみられているのも特徴で、実は今年、2016年が大流行されるとしていました。

おたふく風邪の診断と治療

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おたふく風邪だなと感じたら必ず病院を受診しましょう。でも病院では、おたふく風邪をどのように診断するのでしょうか。また、どのような治療や治療薬があるのでしょうか。みていくことにしましょう。

おたふく風邪の診断方法

おたふく風邪の診断はまず、両側の耳下腺が腫れているかどうかで判断します。さらには地域や周囲でおたふく風邪が現在流行しているかどうかも判断のポイントの1つです。
正確な診断を出すには検査をする方法もあります。血液検査は急性期と回復期の2回行うと判断がつくのですが、結果が出るまでに時間がかかることからも検査をしない医師も多いようです。また、血液中や尿中のアミラーゼの上昇があるかどうかも判断の基準になりますが、こちらも行わない医師も多いようです。
おたふく風邪の診断は本人の状態を踏まえ、医師の今までの経験や周囲の感染状況から判断することが多いようです。

おたふく風邪の治療

おたふく風邪には特効薬がありません。よって、熱がある時には解熱剤というように対処療法になり、自然治癒となります。しかし、おたふく風邪は合併症などの心配もあるため症状に不安がある時はすぐに病院を受診するようにしましょう。

特効薬がないので自宅での過ごし方がとても重要です。まずは痛みです。両側の耳下腺などの腫れから痛みを感じ、食事が採れなかったり、眠れなかったりします。そんなときは、患部を冷やすとよいでしょう。この時氷が大きいとお子さんの顎などにあたり痛みを感じますので出来る限り小さく砕いてください。

食事は固形物は食べにくいので、ゼリーやアイスクリームなどのど越しの良いものはお勧めです。さらに、食事が採れるようであればお粥やうどんなども良いでしょう。酸味や塩味などの刺激的な味やオレンジジュースやみそ汁は唾液をたくさん出させますので、おたふく風邪のときは控えるようにしましょう。

発熱や嘔吐の症状が見られる時は脱水に気をつけてください。一気に飲むのではなく、こまめに補給することが大切です。また、発熱し、汗をかいたらこまめに拭いて着替えをしましょう。
そして1番大切なことは、しっかりと静養することです。兄弟が多い場合には部屋を分けるなど環境を整えてあげてください。

治療に使われる薬

先ほどもお伝えしたように、おたふく風邪には特効薬がないためそれぞれの症状に合わせて薬が処方されます。発熱や痛みに対してはアセトアミノフェンの内服薬や坐薬、イブプロフェンといった解熱鎮痛薬が使われます。発熱や痛みを抑える薬はできる限り継続的な服用は避け、熱が下がらずぐったりしている、痛みが強いなど状況をみながら服用するようにしてください。また頭痛や嘔吐が激しい時は、無菌性髄膜炎という合併症を起こしている可能性が考えられます。この場合も、発熱・頭痛に対して解熱鎮痛薬を使用します。非常にまれではありますが膵炎を引き起こしている場合には、抗菌薬や酵素阻害薬が用いられることもあります。さらに感音性難聴が合併症として起こることもありますがこれに対する特効薬はありません。

これらの薬はウイルスに直接効くものではなくウイルスによって起こる症状を抑えるものであるということを認識してください。

おたふく風邪で怖い合併症

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おたふく風邪は合併症が多い疾患としても知られています。特に多い合併症をみながら症状がある時は速やかに医療機関を受診し、感染や重症化を防ぎましょう。

おたふく風邪の合併症(1)髄膜炎

脳や脊椎を覆っている保護膜のことを総称して、髄膜と呼びます。この髄膜において急性の炎症を起こす病気が、髄膜炎です。1日3回以上の嘔吐や頭が割れるような激しい頭痛、首振りが辛いなどの症状があります。おたふく風邪患者の約10%の方が発症しています。そのまま放置した場合、意識障害が発症するほど重症化するケースもあります。

おたふく風邪の合併症(2)脳炎

急速に進行し高熱や激しい頭痛、嘔吐などの症状が現れます。さらに、痙攣や手足の麻痺、意識がなくなるなど脳が炎症を起こす病気です。重症化した場合は、脳にダメージを与えてしまい、治療後も記憶障害や言語障害、てんかんなどの後遺症を残す場合があります。おたふく風邪患者の約0.2%の方が発症しています。

おたふく風邪の合併症(3)膵炎

まれに膵炎を起こす場合もあります。我慢できない激しい腹痛や嘔吐などの症状がみられます。膵炎は蛋白を溶かす物質が血液中に流れ、臓器の機能の低下を引き起こし、放置すると非常に危険です。腹膜炎や血液が止まりにくいなど症状が重症化する危険もあります。

まとめ

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おたふく風邪は、感染力も強く潜伏期間も長い、合併症にも気をつけなければ…。そう聞くと不安になってしまうかもしれませんね。確かに発症後は、家庭での過ごし方が大事になってきます。2次感染を防いだり、おたふく風邪の症状に対応することも大切ですが、お子さんの不安な気持ちに寄り添い、安静に過ごさせてあげることがとても重要です。不安なことや症状がすぐれない場合はすぐに病院を受診することを忘れず、看病にあたってください。また、今後妊娠希望がある方は、おたふく風邪にかかったことがあるのかパートナーも含め確認しておくのもいいですね。心配な場合はワクチンを接種もありますので医師に相談してみましょう。

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