ママのための悩み解決サイト
【医師監修】1人で悩まないで! 産後うつの原因と対策

【医師監修】1人で悩まないで! 産後うつの原因と対策

出産してからというもの、食欲がない、眠れない、何に対してもなんだか無気力…そんな経験はありませんか? それはひょっとしたら「産後うつ」かもしれません。産後うつは、うつ病の一種で、もしなった場合はきちんとした対処が必要です。今回は産後うつの原因とその対策をまとめてみました。


この記事の監修ドクター
西條クリニック 西條朋行先生
新宿御苑前駅 徒歩1分にある、心療内科・精神科のクリニックです。当院では、根拠に基づいた良質の医療を提供し、患者さんの苦痛の軽減と解消をはかることのみならず、患者さんの問題を、それを内在する「環境全体の問題」と捉え、患者さんご自身について、あるいは、ご自身の環境との付き合い方について、 「前よりもはっきりわかった」「役に立つことを知った」と実感していただけるように心がけています。
http://saijo.net

「産後うつ」とは?

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

「産後うつ」は、その名の通り、出産後のママがうつ状態に陥ることです。心の病である“うつ病”と同じ症状が出るれっきとした病気です。産後2~3週間から3ヵ月経った頃になることが多く、早い人では出産直後の入院中から症状が出る人もいて、長い人では2年近く続くこともあるとか。産後のママの3~6%という比較的高い確率で、産後うつになると言われています。

「マタニティーブルー」と「産後うつ」の違い

誰でも一度は耳にしたことがあると思われる「マタニティーブルー」(別名:マタニティーブルーズ)。出産してから2~4日経った頃に、悲壮感を感じたり、眠れなかったり、気分が落ち込んだりと産後うつと似たような情緒不安定な症状が出ます。長期的に症状が続く産後うつと異なり、10日から2週間という短い期間で終わることが多く、一過性の生理的なものといえます。

男性版の産後うつ病「ベビーブルー」

マタニティーブルーはママだけがなると考えられていますが、実はパパも10人に1人の割合で、マタニティーブルーと似たような症状である「ベビーブルー」になるという研究結果が出ています。ベビーブルーは若いパパにより多く見られ、原因ははっきりと分かっておりませんが、赤ちゃんの誕生による環境の変化が大きく関わっているのではないかと考えられています。

これってもしかして「産後うつ」?

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

産後うつの症状は個人差はありますが、以下の項目に当てはまるものはないかどうか、ここでチェックしてみましょう。当てはまる項目が多いからといって、産後うつだと断定することはできませんが、産後うつである可能性は高いといえます。当てはまる項目が多く、気になるようなら早めに心療内科などで診てもらうことをオススメします。

■赤ちゃんがなぜか可愛いと思うことができない
生まれて可愛いはずの我が子が理由は分からないけれど、可愛いと思うことができない状態。

■赤ちゃんのお世話をしたくない
オムツ替えにお風呂、授乳と赤ちゃんとスキンシップをはかることもできるお世話が正直めんどくさいと感じてしまいます。

■赤ちゃんと接していて頭にくることが多い
なかなか寝なかったり、泣きやまなかったりするとその度にイライラしてしまう状態です。

■赤ちゃんの泣き声に恐怖すら感じてしまう
か細くなく赤ちゃんの泣き声でさえ、怖い気持ちになってしまいます。

■赤ちゃんがどんなに泣いていても平気である
赤ちゃんがどんなに泣いていてもあやそうともせず、放っておいてしまいます。

■自分はダメな母親だと思っている
赤ちゃんのお世話に対して上手にやっていける自信がないと思ってしまいます。

■出産前のような愛情を夫に感じられない
産後から夫に対して愛情がなく、自分自身は育児を頑張っているのにと、愛情どころか夫に怒りさえ感じてしまいます。

■いつも気分が落ち込んでいる
理由もないのに気分が落ち込み、楽しいことでもテンションも上がりません。

■以前に比べると食欲がなくなった
何を食べても美味しいと感じることができず、食欲がほとんどわきません。

■スムーズに家事がはかどらない
お掃除をどこから進めるか考えたり、食事のメニューをどうするか決めたりなど、考えがまとまらず、家事を上手く対処することができません。

■不眠症である
疲れていたりして、眠いはずなのにずっと眠れない状態が続きます。

■性欲がほとんどない
夫のスキンシップでさえ嫌気がさしてしまいます。

■理由もなく何故か泣けてくる
感情の起伏が激しく、突然泣き出したりしてしまいます。

■ファッションやメイクなどおしゃれに興味がない
出産する前まではおしゃれに敏感だったという人が、急に身なりを気にしなくなります。

■周りの人のささいな言動に傷ついてしまう
周りからの何気ない言葉や行動をネガティブに捉えてしまい、傷ついてしまいます。

■胃が痛い
胃がキリキリしたり、チクチクしたりして痛みます。

■下痢や便秘をする
お腹の調子が悪く、トイレに行ったり来たりという状態です。

■円形脱毛症など脱毛の症状が見られる
髪の毛がごっそり抜けたり、10円ハゲのようなものが頭にできます。

■頭痛、腰痛、肩こりなど身体の痛みがある
身体のあちらこちらに痛みを感じて気持ちも沈んでしまいます。

■常に疲労感があって身体がダルい
疲れが取れず、身体が重く感じて動くことが億劫に感じます。

■集中力があまりない
何をしていても集中力がなく、家事や育児など何事においても長く続けることができません。

■忘れっぽくなった
簡単なことでも忘れやすく、記憶力が低下してしまっている状態です。

■あまり人に会いたくない
挨拶などでさえ、人と関わることがしたくなくなってしまいます。

■気分転換をはかりたいと思うことがない
お買い物をしたり、友達とランチしたりと気分転換をする気がありません。

■“死にたい”と思ってしまったことがある
自暴自棄になって「死」ということを考えてしまうような状態です。

■出産したことを後悔している
赤ちゃんを産まなければ良かったと思ってしまう心境になっています。

「エジンバラ産後うつ病質問票」(EPDS)

上記のチェック項目以外にも、更に詳しくチェックしたい方には、イギリスで開発され、国内外で産後うつ病のスクリーニング法として使用されている「エジンバラ産後うつ病質問票」(EPDS)【日本語版:岡野禎治,宗田聡/訳】がいいでしょう。うつの項目、育児不安の項目、不眠の項目に分かれて、点数をつけ、産後うつかどうかを自己評価することができます。

「産後うつ」の原因5つ

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

産後うつになってしまう原因は人それぞれですが、主に以下のようなことが原因でなるのではないかと考えられています。

1.生活環境や生活リズムが変わってしまう

産後は赤ちゃん中心の生活になるので、食べたい時に食事をとる、寝たい時に寝るといった自分の思い通りに物事が進まないのが当たり前になります。今までにはなかった赤ちゃんのお世話はもちろんのこと、夜泣きなどで夜眠れないこともしばしば。これまでの生活リズムを取ることが難しくなってしまいます。

2.ホルモンバランスの変化

産後のママの体内では、妊娠前の身体に戻ろうとホルモンバランスが大きく変化します。このホルモンバランスの変化についていけず、心身ともに不安定な状態になり、その結果、産後うつになると考えられています。

3.ストレス

産後は、会話をすることができない赤ちゃんと二人きりの時間が長いもの。出産前のように気軽にお出かけということもできず、なかなか気分転換もはかれないため、ストレスを感じてしまいます。また、社会から孤立しているような気がして、疎外感を感じることもストレスにつながります。

4.スムーズに育児が進まない

泣いたり、寝たり、授乳したりと日々赤ちゃんに合わせての生活。それに加え、家事もこなすわけですから、育児もなかなかスムーズに進みません。特に初めての赤ちゃんとなると、すべてが初めてのことばかりで、手探りの育児は毎日気が張り詰めてしまいがちです。

5.2人っきりの孤立した育児

赤ちゃんが中心の生活は、どうしても育児に追われてしまうので、人と関わることが減っていきます。実家が遠方だと何かあっても頼れず、また夫が仕事で帰宅時間が遅いとなると、誰とも話すことなく一日が終わってしまうことも。2人きりの孤立した育児の中、悩みも一人で抱え込んでしまいがちになります。

「産後うつ」になりやすい人の特徴4つ

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

1. 完璧主義なところがある人

育児も家事も全てのことを自分で完璧にこなしたいというところがあるママは、少しでも上手くできないことがあると自分を責めてしまいがち。完璧に一人で頑張ろうとするあまり、産後うつになる可能性が高いといえます。

2. 真面目で責任感が強い人

「私が母親だし、やるのは当然のこと」、「赤ちゃんのお世話は責任を持って頑張らなきゃ!」と思う、真面目で責任感の強いママも産後うつになりがち。自分自身にプレッシャーを与えて、逃げ場のない育児環境を自ら作ってしまいます。

3. 育児マニュアルをやたらと気にする人

今や本だけではなく、インターネットで調べれば、育児サイトなどでたくさんの育児方法が出てきます。少しでも育児のマニュアルから外れるようなことがあると、焦りや不安な気持ちに駆られ、ナーバスになってしまいます。

4. 甘え下手な人

夫や自分の身内にでさえ、頼ったり甘えたりすることが下手な人は、誰にも自分の弱い部分を見せることをせず、育児の悩みも一人で抱え込んでしまいがち。辛い気持ちを自分の中だけに溜め込んで、ネガティブになってしまいます。

「産後うつ」にならないためには

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

産後うつは、どんなママでもなる可能性があります。自分には関係がないことだと思わず、産後うつはどういうものなのか、予め知っておくことで、産後うつになることを防いだり、もし産後うつになったとしても早めに改善することができます。

とにかく頑張り過ぎない

赤ちゃんのことを考えるあまり、自分を労わることを忘れていませんか? 一人で頑張ろうとせず、力を抜いて赤ちゃんと向き合うことが大切です。

完璧でなくても大丈夫!

完璧な母親どころか、完璧な人間なんてこの世に存在しません。全てを完璧にこなそうとすると、自分自身無理をしてしまい、育児がストレスに感じてしまいます。時には手を抜いても大丈夫です。

赤ちゃんが泣いても慌てない

赤ちゃんが泣く度に慌てて対応する必要はありません。ママが冷静にならないと、どうして泣いているのか分からずにママがパニックになってしまいます。赤ちゃんは無意味に泣くこともあります。もし泣いたら、オムツが気持ち悪いのか、お腹が空いているのか、眠たいのか赤ちゃんの様子を見てから対応するようにしましょう。

きちんと休むようにする

寝不足が続くと、心身共に疲れきってしまい、ママ自身余裕がなくなってしまいます。ママはどうしても睡眠不足になりがちですが、赤ちゃんのお昼寝時に一緒に寝るなどして、こまめに休むようにしましょう。

周りに遠慮なく甘えてみる

夫や家族の協力があると育児の負担も軽くなります。夫の休日には少しでもいいので、赤ちゃんのお世話をお願いしたり、実家に赤ちゃんを預けるなどして、美容室などへ行って気分転換をはかるのもいいですね。

お友達に育児の悩みや愚痴を話す

育児に関わっていると、悩みだったり、ボヤきたい時だって出てきます。お友達に打ち明けるだけで、幾分気持ちも楽になります。また育児サイト内でのお悩み相談を見るだけでも、悩んでいるのは自分だけじゃないんだと感じて、気持ちも軽くなるかもしれません。

育児支援サービスなどを利用する

地域の育児支援サービスを利用するのもオススメです。子育てに関する情報や相談ができたり、一時預かりなどのサービスもあります。利用できるものは遠慮なく、上手に利用して育児の負担を軽くしてみましょう。

気持ちを楽にして育児をしよう

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

産後うつは重症化してしまうと、死を選んでしまうママもいます。悩んでしまったり、産後うつの疑いがあるようなら、病院できちんと診てもらうようにしましょう。育児はとにかくがんばり過ぎないこと。「母親」という責任やプレッシャーを意識し過ぎずに、“ちょっとくらいはしょうがない”くらいの気持ちを持って、赤ちゃんと向き合っていけば楽しいと思える育児につながるかもしれませんね。

関連する投稿


【医師監修】二人目を妊娠したい! 適切な時期・タイミングはいつ?

【医師監修】二人目を妊娠したい! 適切な時期・タイミングはいつ?

子どもは二人以上欲しい! という人も多いですよね。いつ頃が適切な時期・タイミングなのか、また、上の子のケアや妊娠中や出産のときの注意点も気になりますよね。今回は、そろそろ二人目を妊娠したいと思ったらいつが適切な時期なのか、また、上の子との接し方や妊娠中・出産時の注意点などをお伝えいたします。


【医師監修】低出生体重児の持つ2つのリスクは? 原因・後遺症の可能性・発育について

【医師監修】低出生体重児の持つ2つのリスクは? 原因・後遺症の可能性・発育について

現代では、出生体重が「2,500g未満」の低出生体重児が増えているといわれています。そこで今回、低出生体重児の健康上の問題やその原因、発育などについて紹介していきます。


【医師監修】着床後はおりものが変化する? 妊娠の兆候とおりものの基礎知識

【医師監修】着床後はおりものが変化する? 妊娠の兆候とおりものの基礎知識

妊娠すると、身体にさまざまな変化が現れます。体温の上昇や気分の不快感などいろいろありますが、その中のひとつが「オリモノの変化」。具体的にどのようにオリモノが変化するのでしょうか? 気を付けておきたいオリモノの病気とともにご紹介します。


【医師監修】高温期が何日続けば妊娠の可能性? 妊娠中はいつまで高温が続く?

【医師監修】高温期が何日続けば妊娠の可能性? 妊娠中はいつまで高温が続く?

女性はホルモンの影響で、約1カ月の間、身体の調子がさまざまに変化します。ある一定の時期、「なんだか熱っぽい」と感じることはありませんか? これは「高温期」と呼ばれるもので、排卵の有無や妊娠を知る大切な目安でもあります。今回はこの「高温期」について解説します。


【医師監修】ダウン症の検査はどう行う? 方法とリスク、検査の現状と問題点

【医師監修】ダウン症の検査はどう行う? 方法とリスク、検査の現状と問題点

おなかの中の赤ちゃんにもしも病気があったら、出生前に知っておきたいと考えるママも少なくありません。現在注目されているのが「胎児ドック」です。今回は「胎児ドック」の検査内容や受ける時期、母体や赤ちゃんにリスクはないのか、などについてまとめました。


最新の投稿


葉酸たっぷりの果物&食べる際の注意点

葉酸たっぷりの果物&食べる際の注意点

妊娠中はつわりもあり、食欲が落ちますが、ジューシーな果物は比較的食べやすいですよね。今回は、葉酸たっぷりの果物をご紹介するとともに、食べる際の注意点も紹介していきます。


【医師監修】子どもの鼻づまりを治す方法・3選  家庭でできる簡単ケア

【医師監修】子どもの鼻づまりを治す方法・3選 家庭でできる簡単ケア

ズルズルと続く子どもの鼻づまりは、かわいそうですよね。今回は子どもの鼻づまりのケアをご紹介します。子どもが辛そうにしていたら、取り入れてみてください。


【医師監修】低出生体重児の持つ2つのリスクは? 原因・後遺症の可能性・発育について

【医師監修】低出生体重児の持つ2つのリスクは? 原因・後遺症の可能性・発育について

現代では、出生体重が「2,500g未満」の低出生体重児が増えているといわれています。そこで今回、低出生体重児の健康上の問題やその原因、発育などについて紹介していきます。


【医師監修】不妊の原因に!? 「黄緑のおりもの」で疑うべき4つの病気

【医師監修】不妊の原因に!? 「黄緑のおりもの」で疑うべき4つの病気

黄緑色のおりものになったら、体の異変のサインかも? 今回は、黄緑色のおりものから疑うべき「4つの病気」と、その症状・原因・治療法までを詳しく見ていきましょう。


【医師監修】妊娠初期から注目! 摂取すべきサプリメント5つ

【医師監修】妊娠初期から注目! 摂取すべきサプリメント5つ

バランスよい食事に気をつけていても、食事では摂りきれない栄養素はたくさん!そんな時は、サプリメントで補うことができます。妊娠初期からきちんと飲みたい「5種類のサプリメント」を紹介します。