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2017年12月29日 19:00 更新

赤ちゃんの便秘で困ったら綿棒浣腸はいかが?【ママ女医と娘の○○な日常 vol.26】

赤ちゃんだって便秘をします。便やガスでお腹が張れば、気持ちが悪いのは赤ちゃんも大人も同じ。今回は、赤ちゃんの便秘対策として、「お腹のマッサージ」「綿棒浣腸」のやり方をご紹介します。

あなたの赤ちゃんは快便ですか?

Lazy dummy

と言っても、赤ちゃんの便は個人差があります。1日に何回もする子もいれば、2〜3日に1回の子も。新生児期などは、授乳の度に排便をする子も珍しくありません。また、離乳食が始まると、食物繊維が増える&水分摂取が減る&腸内細菌が変わる影響で便秘がちになる子も少なくありません。
数日に1回でも苦しくなく、楽に排便できているようであれば問題ありません。しかし、どうも便の出が悪くて苦しそう、便が硬い、おっぱいの飲みがよくないし吐いちゃう……と思った時は、それは便秘かもしれません。

便秘の原因は色々あります。水分が足りない(母乳や水を飲む量が少ない)、便の元になる食べ物が少ない(母乳や離乳食の量が少ない)、腹圧が足りない(これは成長と共に改善する部分でもあります)……などなどいろいろな原因が合わさって起こっている事が多いです。実はミルクアレルギーや他の消化管の病気が潜んでいることもあります。

ですので、便秘で悩んだ時は、まずはかかりつけの小児科に相談して欲しいと思います。その上で、原因などから対処法を教わるのが、一番の便秘対策になります。今回は、その際に教わる事も多い、お腹のマッサージと綿棒浣腸のお話をしようと思います。

お腹のマッサージとは?

Lazy dummy

赤ちゃんのお腹を「の」の字にマッサージするというものです。「の」の字にするのは、腸の流れに添うように……というイメージです。が、「の」の字が重要なのではなく、大切なのはマッサージ自体です。腸はデリケートなので、お腹の上からマッサージするだけで、腸の動きが活発になります。腸が動けば、その中にあるガスやうんちも動きますので、便秘対策になります。(因みに、大人の場合はお腹を含めて身体を動かす事で、十分腸への刺激になります。赤ちゃんは身体を動かせない代わりにマッサージするイメージでいいかと思います)

優しいマッサージはスキンシップにもなりますし、手軽ですのでお試しください。

綿棒浣腸とは?

Lazy dummy

綿棒浣腸とは、文字通り綿棒を使って浣腸をするというものです。うんちが直腸に入ってくると、うんちがしたくなって排便する(排便反射)か、便意を感じてから腹圧をかけて出す……というのが普通の排便です。なかなかこの反射が起きにくくて便秘になっている事もあるので、綿棒を使って肛門付近を刺激してあげて排便を促す、というのが綿棒浣腸の意義です。

さて、実際にはどうやるのか解説します(もし小児科で教わったときは、そちらのやり方でやってみてくださいね)

準備するもの

• 大人用綿棒
• ワセリン、もしくはベビーオイルやオリーブオイル
• おむつ
• お尻ふき
• 新聞紙もしくはオムツ替えシート・ペット用シーツ

やり方

1. 大人用綿棒を準備します。赤ちゃん用綿棒では綿球部分が小さく刺激がしにくいので、是非大人用綿棒で。大きく感じるかと思いますが、大丈夫です。

2. 先から1㎝と2㎝のところに印をつける(後から入れるときの目安にします)

3. 綿球にたっぷりワセリンやオイルをつける。(個人的にはワセリンがおすすめです。オイルより滑りがよくてツルっと入ります。)

4. 新聞紙などを下に敷き、オムツ替えの要領で赤ちゃんを仰向けにし、おむつをお尻の下に敷いた状態で(パンツ式の場合は横を破って)、赤ちゃんの足を持って曲げさせる。教わった小児科の先生曰く、「和式便所にしゃがみ込んだ時のイメージで身体にひきよせる」だそうです。腹圧がかけやすい姿勢ですね。二人いると固定が楽です。曲げた膝を、頭側に回った人が固定しましょう。

5. 綿棒を入れる。先ほどの1㎝の印がしっかり消えて、2㎝ラインが見えるくらいのところまで入れます。1㎝は入れないとうまく刺激できないので、少なくとも綿球が入り込むところまでは入れましょう。

6. 綿棒を大きく「の」の字を書くように、優しくぐるりと回します。出し入れするだけでは刺激が足りないので、「の」の字で肛門の内側をぐるりとなぞるようなイメージで回してみてください。あくまでも優しく、入れすぎず。力を入れすぎないように気をつけて。一度綿棒を引っ張りだして、綿球の先にうんちがついていれば、すぐそこまで来ていますのであと一踏ん張り。ついていない場合はまだうんちが来ていないので、もう少し頑張ってうんちが来るのを待つか、もう少し時間を置いてやってみてもいいでしょう。

7. しばらく6.を繰り返すと、うんちが肛門から顔を出します。おしりふきで便を拭き取るようにしながら、肛門を軽く刺激してあげると……もりもり出てきます。オムツから溢れんばかりの勢いで出てきます。(出て来ない時はもう一度綿棒で刺激をしましょう)


しかし、マッサージや綿棒浣腸では太刀打ちできない便秘の事もあります。続けてもうまく出せない時は、グリセリン浣腸や、便を柔らかくする薬、乳酸菌製剤、マルツエキスなどもありますので、悩まずに小児科にご相談ください。

うちの娘も便秘がちでした

実は我が家の娘も赤ちゃんの時に便秘さんでした。新生児期から1日1回便をすればいい方で、離乳食が始まってからは、もう出ない出ない……。赤ちゃんの便秘って、予想以上に親のストレスにもなります。どうして出ないんだろう、苦しいかな、病院行くべきかな、でも薬を飲むほどじゃあないと思うんだけど……今日出るかもしれないし、もうちょっと待ってみようかな、でも苦しいかなあ……。
これ、私自身が経験した事です。

ですので、言わせていただきます。悩むなら、是非受診して相談してみてください。病気がないかのチェックや、その人にあった指導をしてもらえます。もちろん必要があれば薬も処方されます。もし薬に抵抗があるのであれば、是非その旨伝えてください。例えば麦芽糖を利用した薬(マルツエキス)なんかもありますし、必要な薬についてはきちんとどんな作用がある薬か説明してもらえると思います。

その上で、綿棒浣腸、我が家は本当に助かりました。酷い時にはイチジク浣腸も使いましたが、一時期は数日に1回、綿棒浣腸で毎回排便させていた時期も。離乳食が進んできて、量もしっかり食べ、身体も沢山動かせるようになると、9ヶ月頃にはいつの間にか1日1回すっきり快便になっていました。もちろん、綿棒浣腸がくせになったりはしませんでしたよ。

赤ちゃんの便秘は、大きな原因がなければ、発達途中だからこそ起きたものである事がほとんど。成長に従って改善していきます。お腹マッサージや綿棒浣腸もうまく活用して、便秘を乗り切って欲しいなと思います。

(HAL)

※記事内の画像はすべてイメージです

●参考文献など
遠藤文夫編「最新ガイドライン準拠小児科診断・治療指針」中山書店

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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