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2018年10月25日 17:13 更新

満期前に一時金“祝い金”のある学資保険でプチボーナス気分!

学資保険とは子供の教育資金を貯めるための保険です。生命保険などと同じように毎月決めた保険料を支払い続ければ、子供が加入時に決めた年齢になった時に、祝い金や満期金といった形でお金が給付されます。満期を迎える前に「祝い金」などの名目で一時金が降りるタイプの商品もありますが、一体どういう仕組みなのでしょうか?

学資保険には満期前に一時金が出るタイプもある

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学資保険では満期を大学受験~入学時である17歳から18歳に設定することが多くなっています。満期金を受験のための塾費用に当てる、大学の入学金や授業料、一人暮らしのための資金に当てようと考える親が多いからです。

一方、満期を迎える前に「祝い金」と呼ばれる一時金をもらえる商品もあります。ちょっと得した気分になりそうな「祝い金」……どういったものなのでしょうか?

学資保険の「祝い金」とは?

学資保険の中には「祝い金付き」という商品があります。学資保険が満期時に満額金を一度にもらえるシンプルなタイプに対し、「祝い金付き学資保険」では子供が小学校、中学校、高校などに入学するタイミングで祝い金として小分けにしたお金をもらうことができます。「祝い金」という名前がついているため誤解しやすいのですが、これは保険会社からのプレゼントやボーナスではなく、契約者が支払った保険料から支払われるお金です。

タイミングと支払われる金額は?

中学校、高校、大学入学時の3回に分けて祝い金を出す商品が最も多くなっています。いくら支払われるかは、毎月支払う保険料や保険加入時に設定した金額によるので一概には言えません。また、いつ支払われるかも、保険商品によって異なりますが、将来をシミュレーションした上で、祝い金を受け取りたい時期を決めてから選ぶと良いでしょう。

例をあげると、郵便局で加入できるかんぽ生命の学資保険「はじめのかんぽ」では、祝い金付きの商品を扱っています。小学校、中学校、高校、大学入学時の4回に分けてお金が受け取ることができて、受け取り総額390万円の場合、小学校入学前に15万円の祝い金が、中学校入学前に30万円の祝い金が、高校入学前に45万円の祝い金が、大学入学時に300万円の満期金が出ます。

●かんぽ生命ホームページ/学資保険 はじめのかんぽ
「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース
http://www.jp-life.japanpost.jp/products/lineup/gaksi/prd_lu_gks_index_02.html#course

学用品などを買うのに便利な祝い金

「はじめのかんぽ」のように小学校入学前に祝い金がもらえると、ランドセルや学習机などの購入資金として役立ちます。また中学や高校に入るときも制服や教科書などを用意する必要があるので、学用品を揃えるだけでお金がかかります。特に、高校の場合は、私立に進学すると、入学金や学費も合わせると初年度の支払いは高額になるでしょう。

〈小学校入学時に必要な物とお金〉

公立の小学校のケースを紹介します。自治体によって準備する物やその金額は異なりますが、参考にしてみてください。

●学用品……合計 約15,000円~
体操着の上下と帽子(約4,000~5,000円)、上履き(約1,000~2,000円)、防災頭巾とカバー(約2,000~3,000円)、水着(約1,000~2,000円)、他、文房具やランチョンマット、体操着や上履きなどを入れる袋など学校生活で使うもの

●その他……合計 約40,000円~
ランドセル、学習机、入学式で着用するスーツなど

〈中学校入学時に必要な物とお金〉

小学校と同じく、自治体によって必要な物や金額は異なります。公立のケースを見てみましょう。

●制服類
・ブレザー+ズボン(スカート)……春夏用・秋冬用をそれぞれ1着ずつ
・シャツ(3~5枚)……長袖・半袖それぞれ
※制服あり・ブレザーの場合

・半袖体操服(上下)
・ジャージ(上下)
・体育館履き
・上履き

そのほか、指定バッグ、ベルト、靴下、通学用の靴などが加わります。6~10万円程度かかることが多いようです。

●学校の費用
・PTA会費、修学旅行などの校外学習費
・教材費など
・給食(またはお弁当)
これらで年間約10万円かかります。

●部活動でかかる費用
入る部活動によって大きく異なりますが、揃えなければならないものが多いとそれだけ多くかかります。
目安としては20~30万円程かかるご家庭が多いようです。

〈高校入学時に必要な物とお金〉

中学で必要だったものに加え「通学用定期券」「携帯電話」などが必要になるケースが多いようです。

また、私立の場合は、入学金と学費が公立より高額になります。私立の場合は、制服なども高額になるケースが多いです。

公立の場合は、約30~40万円。私立の場合は、学校にもよりますが、約100~150万円を準備しておくと安心です。

やはり、学年が上がるにつれ、かかるお金も多くなる傾向があります。入学のタイミングで祝い金がもらえると、とても心強いですよね。

祝い金についてもっとじっくり解説!

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祝い金は一体どんなもの? 満期保険金と何が違うの? 祝い金の内容について詳しく見ていきましょう。

祝い金を据え置く方法もある

祝い金が出るタイプを選んだけれど、実際、その時になってみたら必要なかったという場合もあるかもしれませんね。「だったらもう少し後まで預けられるほうが、無意味に使わなくて済むのに」と感じてしまいますね。そんな時、便利な仕組みがあります。

祝い金には便利な据え置き制度があって、受け取らないでおくと次の機会まで繰り越すことができるのです。祝い金付き学資保険の最大のメリットは、その時々の家計状況に合わせて柔軟な対応がとれることです。

進学するたびに予想外の出費があり、満期前の祝い金があったおかげで何とか乗り越えることができたというケースは決して珍しくありません。そのため、とりあえず祝い金付きの学資保険に加入しておき、祝い金が出る時期に資金に余裕があれば、お金を受け取らず、そのまま据え置きしておくという人も多いのです。

満期保険金や祝い金に税金はかかる?

契約者・子供・保険金の受取人の名義の組み合わせにもよりますが、学資保険では満期金や祝い金の受け取り額が一定額を超えると所得税や贈与税の課税対象になります。

■契約者が両親
契約者=受取人のケースでは、基本的に所得税が適用されます。

《満期金を一度に受け取る場合》
学資保険は満期になると保険金がもらえることになります。この満期金は一時所得として所得税の課税対象になるのですが、受け取った保険金とこれまでに払い込んだ保険料の差額が50万円を超えた場合に限られています。学資保険の返戻率は高くても100%前後であるのが一般的であるため、ほとんどの場合で所得税が課せられることはないでしょう。

《祝い金を何度かに分けて受け取る場合》
基本的にはすべての祝い金が所得税の対象になりますが、満期金同様、祝い金の受け取りまでに支払った保険料の総額と祝い金の差額が50万円以内なら免除されます。ただし、この場合の祝い金受け取りまでに支払った保険料の総額とは、それまでに支払った保険料からすでに受け取った祝い金を引いた金額になります。

■契約者が祖父母
祖父母が契約者で受取人が孫や孫の親の場合は、満期金や祝い金を受け取るタイミングにかかわらず、すべて贈与税の対象になります。贈与税には110万円までの非課税枠がありますが、学資保険は受け取り額が110万円を超えることは珍しくないので注意が必要です。

●国税庁ホームページ「生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1755.htm

●国税庁ホームページ「贈与税がかかる場合」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/zoyo/4402.htm

“祝い金”のある学資保険の注意点

祝い金は進学の準備などにとても助かる存在ですが、注意点もあるので最後に確認しておきましょう。

[祝い金は時期が決められている]
例えば子供が中学進学の13歳時点で祝い金をもらうと想定します。ここで重要なのが契約応答日、つまり学資保険に加入した月日です。子供の誕生日が早生まれで、契約応答日が4月1日の場合、中学入学後に祝い金を受け取ることになってしまいます。これでは全く意味がありません。特に10月〜4月1日が誕生日の子供の場合、祝い金の受け取り時期がいつになるのかは注意が必要です。

[祝い金をもらえばもらうほど返戻率は下がる]
祝い金の回数が多くなればなるほど返戻率は下がってしまいます。教育費をシミュレーションし、学資保険を使わなくとも大学進学まで問題なく準備できるようであれば祝い金は無い設定にしておいて、満期金で高い返戻率を得るというのでもいいかもしれませんね。

まとめ

子供の進路を考える時に、幼稚園・小学校・中学校・高校・大学進学のうち、いずれかで私立進学を考える場合は祝い金の活用も検討されてみてはいかがでしょうか。一般的に私立は公立に比べて準備に多額の費用がかかります。適切なタイミングで祝い金がもらえると、その準備もグッと楽になるはずです。

子供の誕生月と契約応答日によっても祝い金の受け取り時期が関係しますので、しっかりシミュレーションを行いましょう。そうすれば教育費の不安を抱えることなく祝い金をもらうたびにプチボーナス気分を味わえそうですね。

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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