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2018年12月06日 15:13 更新

学資保険の積立金額の目安は〇〇万円!教育資金の平均金額はいくら?

毎月決まった額の保険料を払い続ければ、子供が契約時に決めた年齢になった時に、祝い金や満期金として保険金を受け取れる学資保険。もちろん学資保険だけで教育費のすべてが賄えるわけではありませんが、入っていると安心という方も多いのでは。ところで、教育資金はいくらぐらい準備しているご家庭が多いのでしょうか。

学資保険の加入率や平均支出額は?

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まずは自分にあった学資保険の選び方を見つけて子供の教育資金を積み立てする時に気になるメリットとデメリットから見ていきましょう。

●メリット

まずは、メリットをご紹介します。

1)毎月一定額が強制的に引き落としされるため、計画的な貯蓄ができる
2)指定したタイミングで入学祝い金を満期給付金として受け取ることができる
3)税金の控除を受けられるため、節税の効果が期待できる(生命保険料控除や一時所得など)

●デメリット

次にデメリットを挙げてみます。

1)元本割れのリスクがある(保障の付けすぎや途中解約)
2)固定金利のため、インフレに対応できない
3)保険会社が倒産することがある
4)換金性が低いため、とっさに現金が必要な時に対応できない

このように、メリットもデメリットもある学資保険ですが、ソニー生命の「子供の教育資金と学資保険に関する調査2018」によると、子供のいる世帯で学資保険に加入している率は約4割半です。

また同調査で子供の進学費用のための備えとして1人あたりいくら支出しているかという質問に対し、平均支出額は15,437円という結果でした。昨年よりも3,000円ほど増加しているようです。

学資保険の場合、受取総額を200万円~300万円にすると、保険料は月に約1万円~2万円となり、上記の平均支出額に近い金額になりそうです。

●ソニー生命保険株式会社ホームページ「ニュースリリース(平成29年度)子供の教育資金に関する調査2018」
https://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_180125.html

教育資金はいくら準備すれば良い?

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学資保険の加入率や平均支出額がわかったところで、続いて子供の教育資金は一体いくら準備すればいいのか、具体的な金額をチェックしてみましょう。

平均的な教育費は?

文部科学省が公表した平成28年度の「子供の学習費調査」によると、学校教育費と学校給食費と学校外活動費(学習塾、習い事などへの支出)を合計した学習費総額は、公立・私立ともに増加傾向にあります。

〈平均的な教育費について〉
学校教育費+学校給食費+学校外活動費=学習費総額

同調査によると、幼稚園から高校までの1年間の平均学習費総額は以下の通りです。

・公立幼稚園 23.3万円   私立幼稚園 48.2万円(公立と私立の学習費の差は2.1倍)
・公立小学校 32.2万円   私立小学校 152.8万円(公立と私立の学習費の差は4.7倍)
・公立中学校 47.9万円   私立中学校 132.6万円(公立と私立の学習費の差は2.8倍)
・公立高校  45.0万円   私立高校  104.0万円(公立と私立の学習費の差は 2.3倍)

幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間において、各学年の「学習費総額」を単純に合計すると、すべて公立に通った場合では約540万円、すべて私立に通った場合では約1,770万円になり、私立学校は公立学校の3.28倍ということが明らかになりました。

ちなみに日本学生支援機構の「平成28年度 学生生活調査結果」によると、大学学部(昼間部)の1年間の平均学費(授業料、その他の学校納付金、就学費、課外活動費、通学費の合計)は 、下記のようになっています。

・国立大学  642,500 円
・公立大学  661,300円
・私立大学  1,360,900円

●文部科学省ホームページ「結果の概要-平成28年度子供の学習費調査」
http://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/22/1399308_3.pdf

●日本学生支援機構「平成28年度 学生生活調査結果」
https://www.jasso.go.jp/about/statistics/gakusei_chosa/__icsFiles/afieldfile/2018/03/19/data16_1.pdf

教育資金はいくらぐらい準備すべき?

小学校から大学まで、国公立に通うか、私立に通うかで必要な教育資金に大きな開きがあることが分かりました。では実際にどのくらいの教育資金を予想しているのか、平均の予想額についても見ていきましょう。

ソニー生命の「子供の教育資金と学資保険に関する調査2018」で、未就学児の親(248名)に、子供が小学生から社会人になるまでに、教育資金はいくらくらい必要だと思うか聞いたところ、「1,000万円~1,400万円位」が28.6%で最多回答となりました。また、2,000万円以上との回答もみられ、「2,000万円~2,400万円位」は21.8%、「3,000万円以上」は10.5%となり、平均予想金額は1,348万円でした。

平均予想金額を過去の調査と比較してみると、2014年1,229万円→2015年1,156万円→2016年1,136万円→2017年1,194万円→2018年1,348万円と、2016年を谷としてV字を描き、昨年からの増加傾向が継続する結果となりました。子供の教育に多くの資金が必要になると予想している親が増えている様子がうかがえました。 

●ソニー生命 「子供の教育資金に関する調査」2018
http://www.sonylife.co.jp/company/news/29/nr_180125.html

教育費のピークはいつ?

一度に最も大きな金額が必要となるのは、やはり大学受験~入学まで。文部科学省が実施している、「私立大学等の平成27年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」によると平成28年度の私立大学(学部)で実験実習料等を含めた初年度に納める総計は1,316,816円となっています。

でも、これはあくまでも大学に納めるお金。東京私大教連が調査した「私立大学新入生の家計負担調査」(2017年度)によると、自宅外通学者の場合、受験費用の平均は246,500円、住居費の平均は597,500 円となっています。つまり、入学の年にかかる費用は、合計でなんと約216万円にもなるのです。

地方在住で上京の可能性がある場合は、少し余裕を持たせて250万円を目標にしておくと安心ですね。東京在住の場合でも、受験費用を含め、150万円〜200万円は必要だということです。この金額を学資保険や預貯金で準備しておいた方が良さそうです。

●文部科学省ホームページ「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1399613.htm

●東京私大教連ホームページ「私立大学新入生の家計負担調査 2017年度 P8」
http://tfpu.or.jp/wp-content/uploads/2018/04/2017kakei-hutan-chousa20180404.pdf

学資保険に入る際の注意点は?

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学資保険に加入する際に知っておきたいことをご紹介します。

契約者は父親と母親どちらにするのがおすすめ? 

学資保険の「契約者」とは保険料の支払いを負担する人のことで、解約や契約内容の変更などの手続きには、契約者からの申し出が必要になります。契約者として最も一般的なのは子供の父親と母親で、どちらを契約者にするのがおすすめかというと「収入が多く家計の大黒柱になっている方」になります。最近では共働きの世帯も多いため、父親と母親の死亡保障にも気を配って加入するのがいいでしょう。

祖父母が契約者になれるの?

祖父母が学資保険の契約者になれる場合もあります。しかし契約者の年齢の上限が設けられていることがあります。また祖父母が契約者になるには、親権者である親の同意が必要になるほか、孫と同居し、孫を扶養していることが条件になることもあります。さらに祖父母が契約者で受取人が孫や孫の両親の場合、受け取るタイミングに関わらず、祝い金や満期金が所得税ではなく贈与税の対象になるので注意しましょう。

健康状態の申告、医師の診査など

学資保険の申込時には、一般的に契約者の健康状態の申告が必要です。学資保険には契約者が保険料払込期間中に、死亡または所定の高度障害状態に該当した場合、それ以降の保険料を支払わなくても、祝い金や満期金が受け取れる「保険料の払込免除特則」という仕組みや、子供向けの「医療保障特約」といった保障があるからです。子供の医療保障特約を付ける場合は、子供の健康状態の申告も必要です。

健康状態の申告方法には「告知書扱い」と「診査医扱い」の2種類があります。

・告知書扱い

健康に関する質問表に契約者自身が記入するタイプです。申告した健康状態によっては、後日「健康診断結果表」の提出や、医師の診査を受けるよう指示される場合もありますが、基本的に医師の診査は必要ありません。主な質問事項は以下になります。

・職業、生年月日
・最近3ヶ月以内の受診歴
・過去2年以内の健康診断の結果
・過去5年以内の治療歴

・診査医扱い

診査費用は無料ですが、保険会社が指定する医師の診査を受けなければならないタイプです。告知書扱いの主な質問事項の他に、次の項目が追加されます。主な内容は以下になります。

・身長、体重、血圧
・尿検査
・医師による問診

シングルマザーの場合はどうするといい?

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ひとり親家庭でも学資保険に加入することはできるのでしょうか。

ひとり親家庭の学資保険

●ひとり親家庭の場合の学資保険の入り方

ひとり親でももちろん学資保険に加入することができます。ただし、離婚などが理由でひとり親になった場合、学資保険の受け取り時に親権者の同意が必要なことがあります。たとえば契約者である母親が亡くなったときに、子供が未成年だった場合です。保険料が払込免除になり、予定されていた学資金が受け取れるのは非常にありがたいのですが、受け取りの際の親権者の同意で揉めてしまう可能性があることは覚えておきましょう。また学資保険の場合は、途中で保険料が支払えなくなって解約しなければならなくなった時に、支払った保険料より少ないお金しか戻ってこないことがあるので注意が必要です。

●学資保険とは別に生命保険や医療保険も検討する

学資保険は効率的に貯蓄できるだけでなく、契約者に万一のことがあったときの保険も特約で兼ねることができます。とはいえ、学資保険の祝い金と満期金だけで、子供の生活を成り立たせるのは難しいため、生命保険や医療保険を優先して考えることも必要です。教育・進学のためのお金は、子供自身が奨学金や教育ローンを利用して調達することもできます。

まとめ

学資保険の平均額や、学費の概要、いつがピークなのかはご理解いただけたと思います。ただし、記載した内容の多くはあくまでも平均です。「どのような教育を受けさせたいのか」、「いくらまでだったら教育資金を準備できるのか」は家庭によってそれぞれ異なります。まずは教育のイメージを夫婦で話し合い、それに伴う学費や雑費を計算してみましょう。その上で、どのような商品(学資保険・就寝保険・投資信託など)を活用するのが合っているかを考えると、無理のない教育資金計画を立てることができます。もちろんいくら計画していてもその通りにいかないのが子育てです。たとえ計画が崩れたとしても臨機応変に対応できるように、いくつかのパターンをシミュレーションして事前に対策を考えておけば心強いですね。自分で考えるのは難しそうという方は、ファイナンシャルプランナーなど、資金計画のプロに相談してみるというのも近道かもしれません。

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