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「子どもの注射嫌い」克服法。我が家のやり方は……【ママ女医と娘の○○な日常 vol.20】

「子どもの注射嫌い」克服法。我が家のやり方は……【ママ女医と娘の○○な日常 vol.20】

ある程度大きくなると、誰もが嫌いになる「注射」……予防接種に行くとき、どうやって連れて行きますか? 今回は我が家でやっているあれやこれやをご紹介します。


記事の著者  
のんびり子育て中のママ女医   HAL先生
内科医。大学病院研修中にうつ病を発症し、数年間療養生活を経て復帰。その後、病気の間支えてくれた医者の夫と結婚し、娘を出産。現在は田舎で夫、3歳の娘と暮らす。自身の出産・育児の日々をもとに、医学的なエビデンスを交えて育児情報・ニュースなどをブログで発信。またTwitterでは、娘との会話や、ほっこりあたたまる育児エピソードも紹介し、注目を集めている。
http://halproject01.blogspot.jp/
https://twitter.com/halproject00

「注射は痛くて嫌い」で当たり前

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みなさん、注射は好きですか?

……はい、ありがとうございます。恐らくほとんどの方が「好きではない」という答えになったのではないでしょうか。

注射は痛いですね。人間と言わず、生物誰しも、痛い物は基本的に嫌な物です。つまり、注射は痛くて嫌いで当たり前だと私は考えています。

ところがみなさん、注射は痛くて嫌いだけれども、予防接種や採血の検査などを受けているのではないでしょうか。

「だって、仕方ないから……」

そう、みなさん「仕方ないから」受けています(実は医療者も、「それ以外方法がないから」注射をしているんですよ)。その「どうして仕方ないか」という事や、「自分がどうやって注射を乗り越えたのか」……自分自身が乗り越えて来たことをベースにして、説明してあげる事を私はお勧めしています。

もちろん、子どもは一人一人違います。今回は私が娘にしているやり方を解説しますが、是非ご自身のお子さんにあうやり方で、うまく説明してあげてほしいなと思います。

注射の目的を、子どもがわかる言葉で説明する

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子どもが注射をされる機会として、一番多いだろう予防接種を例に考えていきます。

予防接種は、「感染して病気になると大変な事になる感染症を予防する」のが一番の目的です(もちろん、集団免疫と言って、免疫を持っている人が沢山いると感染症自体を流行させずにすむ、という目的もあります)。ですので、おおまかでいいので内容を理解したら、お子さんのわかる言葉で説明してあげましょう。

さて、娘3歳へのインフルエンザの予防接種の説明を例に挙げてみましょう。

(1)「身体の中にバイキンさんがやってくると、お風邪になっちゃうね。でも、ご飯をしっかり食べて、ゆっくり寝てたら、身体の中の『免疫さん』が、バイキンさんをやっつけちゃんだよ」

(2)「でもね、冬になると、すっごくつよーいバイキンさんがやってきます。免疫さんでもなかなかやっつけられない……困ったね」

(3)「ところが、身体にぷちゅっとおくすりをちっくんすると、なんと! 免疫さんが、ぐぐぐぐーんと元気になって、つよーいバイキンさんをやっつける事ができるんだよ」

(4)「今日するのは、そんなお注射です」

というような説明ですね。完全に正確である必要はありません、大体でOKです(娘は風邪ひきまくってますので、バイキンさんと免疫さんのお話を時々しています。寝る事の大切さやご飯を食べる事、お薬の説明をする時にも『免疫さん』は便利ですよ)。

ちなみに私は、娘の一番最初の予防接種の時から、こんな説明を毎回続けています。ええ、一番最初なんて生後2カ月です。もちろん理解なんてできていないでしょう。でも、理解出来るようになったら説明する、と考えた時、その境目はいつになるでしょうか。私にはわかりません。自己満足かもしれませんが、ずっと続けています。

「注射ごっこ」で子どもと注射の予行演習を

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理解が出来ても、注射は嫌です。痛いの以外の嫌な理由の一つに「なにがなんだかわけがわからないうちに刺される」という恐怖があるようです。少なくともうちの娘はこれでした。注射を刺される前に、アルコール綿で拭かれた時点で泣き出します。なので、注射ごっこをして予行演習をしてみる事にしました。

まずは娘がうたれる係……ではなく、私がうたれる係。娘は注射をうつ係です(注射のおもちゃはもってなかったので、大きい水鉄砲を注射にみたてました)。

「はい、じゃあまずはそでをめくって腕を出しまーす。そして、腕を消毒します。(濡れティッシュで拭かせる)わあ、冷たいね!」

「さあ、次は腕を動かさないようにしっかり持ってね。動かしたら危ないもんね。ママも動かないように頑張るよ。さあ、ちくっとしよう。ちくっ。あいたたた」

「さあ、中のお薬をちゅっと入れたら、さっと抜こう。さっ……あれっ、もう痛くないよ! さあ、最後にシールをぺったんしてね。はい、おしまい」

次は役割を入れ替えて、娘に同じようにやってあげました。

消毒→腕を保持→刺して薬を入れて抜く→シールをはる、この一連の流れを知っておくだけで「なにされるかわからない恐怖」は和らぎます。お人形を使ってもいいかもしれませんね。

だまし討ちと嘘はやめよう

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「痛くない」と言わない事

「子どもが嫌がるから……」と、今日は注射ではない、と嘘をついて来院される方が少なからずいらっしゃると思いますが、これは是非避けて欲しいと思います。嘘をつくと騙された子どもは傷つきます。医療者だけではなく、親御さん自身へも不信感を抱きます。もちろん、注射も更に後ろ向きにとらえるようになり、あんな病院嫌い、あんなお医者さんの出すお薬嫌い、のきっかけにもなりかねません。

勿論これまでに嘘をついて連れて行った方、その時他にどうしようもなかったのだと思います(私も、嘘をついてしまおうかと思った時が、正直、あります)。ですので、もし今後注射の機会があった時には、「そう言えばこんな事が書いてあったな」と今回の記事の事を少しでも思い出してもらえたら嬉しいです。

少し話はそれますが、「言う事きかないと、お医者さんにちっくんしてもらうよ!」という脅し文句も是非やめてほしいと思います。これも医者と注射への不信感をあおります。聞いていて心が痛みますし、医者としてもとても辛いです。どうしても人間は生き物です。病気になったり、病気にならないための予防接種を受けに病院へ行ったり、注射を受けたりする機会ができます。その時に、病院嫌い、注射嫌いだと後々苦労をする事になります。

もちろん『病院大好き!』になる必要はありません。ですが、「自分に必要だから仕方ないけど行こう」くらいの気持ちになれるように、病院や医者へのマイナスのイメージはつけないに越した事はない、と私は思っています。「あくまでも必要な事だから、注射をする」というメッセージを、お子さんにも伝えてあげてください。

同様に、「注射は痛くない」とは私は言いません。「ちくっとして痛いけど、すぐに終わるよ。1、2、3で終わる、あっという間だよ」と説明します。無駄に痛さを強調する必要はありません。しかし、針を刺す以上、痛みを0にはできません。

子どもに合った説明を

私が研修医の時に、「注射は痛くないなんて嘘はついたら駄目。痛いけど痛いのはすぐ終わる事、体のために注射が必要だって事を、小さい子どもでもきちんと話し合う。そうしないと、信頼関係を失うよ」と、小児科の上の先生から指導されました。これは本当だと思います。子どもでも一人の人間です。医者の立場からも、親の立場からも、その場しのぎではなく、長期的に見た説明をしてあげたいと思います。

ちなみに、娘の主治医は注射をする時に「痛くしないように頑張るよ。でも痛かったら『いたい!』って言っていいからね」と説明します。うまいなあ、と思っています。

最初に書きましたが、もちろん、子ども一人一人でキャラクターが違います。説明の仕方はいろいろあると思いますので、ぜひ、お子さんにあった説明をしてあげてほしいなと思います。

娘もインフルエンザワクチン頑張りました

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さあ、前回のインフルエンザのワクチン。予行演習が効果覿面で、3歳の娘、意気揚々と病院に乗り込みました。

「きょうはね、なかないよ!」
「そ、そう? そこまで頑張らなくても大丈夫よ……?」
「ううん、だってもう3さいだからね!」

何故か異様にやる気に満ちあふれる娘。さあ、いざ娘の番に。診察室で、小児科の先生から声をかけられます。

「おっ、今日は頑張れるかな?」
「……がんばる……(すでに蚊のなくような声)」

そして……ええ、予想通り、刺されたら泣きました。そりゃそうだ。

でもね、とっても頑張ったんですよ。練習通り手を自分で出して、アルコール綿で拭かれても泣きませんでした。刺されても、動いたり暴れたりせずに我慢したんですよ。それで十分です。

えらい!よくがんばった!すごい!その事を全力でほめてほめて、ほめまくりました(頑張ったら褒める、これもとっても大切な事だと思います。だって、頑張ったんですよから!)。

「これで、めんえきさんが、ぐぐぐぐーんってがんばれる?」

うん、きっと頑張ってくれるよ。あなたも、あともう1回、頑張ろうね(あなたは、インフルエンザワクチン、2回の接種が必要だからね……)


(HAL)

※記事内の画像はすべてイメージです

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