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2021年01月28日 15:59 更新

【医師監修】搾乳は何時間ごとにすればいい? 保存方法のコツは?

搾乳(さくにゅう)の間隔は個人差があるので、ママ友に聞いてもバラバラ……。デリケートな問題だけに「聞きたいけれど聞けない」と悩んでいるママも。今回は搾乳時間の目安、冷凍する場合など正しい保存方法についてお話します。生理現象である乳頭からの射乳の原理を理解して搾乳に役立てる方法など、今すぐ役立つ情報が満載です。

手絞り? 搾乳器? 2つの搾乳方法

搾乳の時間を気にしながら赤ちゃんをあやす
Lazy dummy

※画像はイメージです

搾乳方法は手で行う方法と搾乳器を使う方法の2通りあります。それぞれやり方のコツ、メリット&デメリットは違うので、自分に合った方法を選びましょう。

どんな時に搾乳する必要があるの?

母乳育児を目指すママは、何らかの事情で授乳できなくなることもあるので、搾乳方法について知っておくといざと言う時、安心です。平らやへこんでいる乳頭など、授乳しにくいおっぱいのママも、助産師さんから搾乳するよう指示されることがあります。また、「急な用事で赤ちゃんを連れていくことができない」なんて時も、長時間授乳できずにいるとおっぱいがパンパンになり、乳腺炎を起こしやすくなるので搾乳が必要です。

あらかじめ出かけることが分かっている時も、冷凍保存しておくことで、赤ちゃんにいつもの母乳を飲ませてあげられますよね。ママが体調をくずした時もストックがあると重宝します。

出ないし痛い! 手で搾乳する時のコツ

手絞りの搾乳は痛い上に出ない……と、急遽搾乳器を買い求めた経験のあるママも多いでしょう。正しい方法で搾乳すれば、力加減や絞る量を微調整できて、乳房にかかる負担も最小限に抑えることができます。自分で絞ることができれば搾乳器を購入する必要もなくなるため、節約にもなりますよね。搾乳の際はリラックスできる楽な姿勢で行いましょう。また、必ず手指をきれいに洗ってから行うことが重要です。

腱鞘炎対策! 手動と電動のメリット&デメリット

手絞りに挑戦してみて無理なようなら、搾乳器を頼りましょう。手絞りは手が疲れるので、腱鞘炎を予防するためにも搾乳器が便利です。搾乳器を使うと初心者でも簡単に搾乳することができます。ただし手動と電動では使うコツが違うので、ご注意下さい。

〈手動の搾乳器〉

手動の搾乳器は価格が電動タイプよりも安いので買い求めやすく、手絞りと同じように力加減の微調整が可能です。シンプルな作りになっているので、洗浄や消毒がしやすい点も魅力です。ただし、グリップを握る・離す作業をずっと行うので、電動タイプに比べると手にかかる負担が強いのがネックで、時間もかかってしまいます。

〈電動の搾乳器〉

時間や手間をかけたくない方におすすめなのが、電動タイプの搾乳器です。最近の電動タイプは高性能なので、強弱も選べるようになっていますし、赤ちゃんがおっぱいと吸うのと同じリズムに調整することができるものも。ただし高性能なものほど価格が高くなるので、事前に確認しておきましょう。

どれぐらい時間をかければ良いの? 搾乳間隔もチェック

頻繁に搾乳していると、乳房を傷つけてしまう可能性があるので、やり過ぎは禁物です。

出なくなったらやめよう! 搾乳時間の目安

搾乳で乳房に負担をかけないためにも、左右交互に絞るのが鉄則ですが、片側の乳房にかける時間は10分程度を目安にしましょう。長く続けると、乳房にかかる負担が大きくなるでしょう。強引にグイグイ押しても、出ない時は出ないものです。

搾乳間隔が空き過ぎると……

適切な搾乳間隔は、ママによって個人差があります。ただし外で働いているママは、自宅にいる時と同じ回数、お仕事中に搾乳するのは難しいですよね。半日以上家を留守にする時は、3時間から4時間に1回のペースで搾乳すると良いでしょう。普段頻繁に授乳しているママほど、搾乳間隔が空き過ぎることが、母乳の詰まり、母乳量ダウンの原因になりやすいようです。

冷凍すれば1週間持つ? 搾乳後の保存方法

搾乳後、母乳の保存方法は常温保存の他、冷蔵と冷凍の2通りあります。

常温ならば4時間以内に飲ませる

もし常温(16~25度)で保存するのであれば、なるべく早めに、長く置いたとしても4時間以内[*1]には飲ませましょう(健康な正期産児の場合)。保存する部屋の温度が高い場合や4時間以上飲ませられない場合は、すぐに冷蔵保存や冷凍保存しましょう。

もし常温で保存する時は25度以上のところに置かないこと、蓋などでガードしてホコリなどが入らないよう気をつけること、清潔な容器に保存するよう気をつけましょう。

冷蔵保存した母乳は24時間後に捨てるのが基本

搾乳した母乳をすぐにあげない場合、冷蔵庫の中で保存しておきましょう。冷蔵なら哺乳瓶のまま保存できるので、冷凍よりも手間がかかりません。密封できる保存専用の哺乳瓶を使うと衛生的です。

冷蔵庫に保存した場合、できれば24時間以内に[*2]、長く保存したとしても3日以内(健康な正期産児の場合)[*1]には飲ませましょう。また、この保存期間の冷蔵は4℃以下が条件です。温度の変化しやすいドアポケットよりも冷蔵庫の奥に置きましょう。

搾乳した母乳は冷凍保存でどれぐらい持つ?

冷凍保存する場合、専用の母乳パックを使います。ファスナーがついていて、日付の記入欄もあるタイプが便利です。哺乳瓶から冷凍パックに移す時は、母乳が空気に触れないよう、しっかり空気を抜いてから密閉するのがポイントです。いっぱいに入れてしまうと冷凍した時にカサが増し、パックが破れてしまう可能性があります。

液体が固体になるときの膨張する分を考えて4分の3以上入れるのは避けた方が無難です。冷凍(-20℃以下)保存の場合、健康な正期産児で6ヶ月以内[*1]に使用しましょう。

まとめ

普段から母乳が出にくいママも、搾乳時だけ母乳が出にくいママも、コツを知っておくと、搾乳がスムーズになる可能性があります。手絞りがきつい時は搾乳器も役に立つので、使えるアイテムは大いに利用してストレスを軽減しましょう。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.06.11)

※記事の修正を行いました(2019.06.11)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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