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2021年01月29日 14:38 更新

【医師監修】赤ちゃんの日焼け止め | 夏の紫外線対策はいつから?

赤ちゃんの肌は非常に薄くてデリケートです。夏のお出かけ時には、紫外線対策を忘れないようにしましょう。乳幼児にピッタリの紫外線対策をチェック。お出かけシーン別の紫外線対策も確認しましょう。

乳幼児の夏の紫外線対策は?

赤ちゃんでも紫外線対策のために海岸では帽子を被っているふたり
Lazy dummy

乳幼児に日焼け止めは必要?

赤ちゃんは自分で紫外線対策ができないため、成長に合わせたものを選んで大人が紫外線対策をしてあげましょう。過度の紫外線は皮膚がんの原因にもなり、さらに将来、シミやシワとなって表れる可能性もあるため、乳幼児期の紫外線対策の重要性が見直されています。

日焼け止めは小さい赤ちゃんの頃から上手に使いましょう。アメリカ小児科学会では、「6ヶ月未満の乳児の場合は、少なくともSPF15の日焼け止めを顔や手の甲などの限られた範囲であれば使用できる。それ以上の月齢では、SPF 15以上の日焼け止めを衣服で覆われていない部分に塗る」ことを推奨しています[*1]。

防御指数(SPF:肌が赤くなる日焼けを起こす紫外線B波を防ぐ効果の指標、PA:肌が黒くなる日焼けを起こす紫外線A波を防ぐ効果の指標)は、日常の生活ではSPF15~20、PA++、海や山ではSPF20~40、PA++~+++を目安に、低刺激性でベビー用や子供用として販売されているものを購入してみてください。

また、紫外線の強い時間帯に赤ちゃんを外に連れ出さないようにしましょう。そして、帰宅後は日焼け止めをしっかり洗い流してあげましょう。

乳幼児は目の紫外線対策も必要?

紫外線の影響は赤ちゃんの目にも及ぶため、注意が必要です。乳幼児はツバの広い帽子で顔に直接日光が当たらないようにしたり、ベビーカーにも日よけをつけるなどの工夫をしましょう。

夏のお出かけ、シーン別紫外線対策

紫外線の影響が怖いからと言って、お出かけしないわけにはいきません。お出かけシーン別の紫外線対策をチェックしておくと安心です。

乳幼児が外で遊ぶとき

長時間紫外線に当たることはなるべく避けたいところです。こまめに日陰に入り水分補給と休憩をはさみましょう。日焼け止めを塗って帽子をかぶることも忘れずに。ツバが広く、首のところにも日よけがあるものがベターです。顔だけでなく、肌が露出している部分は日焼け止めを塗っておきましょう。

必要であれば幼児用のUVカットサングラスをかけてあげましょう。ただし、サングラスは走り回る子供には危険も伴います。親の監視のもと十分に注意して着用しましょう。

乳幼児が屋外プールで遊ぶとき

紫外線対策のために日焼け止めを塗ってもらう赤ちゃん
Lazy dummy

プールや海は照り返しもあり、紫外線が非常に強い場所です。なるべく長時間紫外線の下にいることのないよう、日陰に入りながら遊ぶようにしましょう。10時~14時は特に日差しが強いため、長時間の屋外でのプール遊びはなるべく避けましょう。

汗や水で落ちにくい、ウォータープルーフの日焼け止めを選び、面倒でも2~3時間おきに塗りなおすことがポイントです。

肌の露出をなるべく避けるために、水着はラッシュガードタイプのものを選ぶことをおすすめします。

夏の紫外線で乳幼児が注意すべき3つのポイント

皮膚が薄く刺激を受けやすい赤ちゃんや幼児のお肌を紫外線から守ってあげるためには、注意するポイントがあります。チェックして万全の態勢で備えましょう。

服の素材選びも大事

紫外線から体を守るため、薄手の長袖など体を覆う部分の多い服を着せてあげるほうがよいでしょう。また、皮膚に紫外線が到達するのを少なくするため、目の詰まった生地の服をおすすめします。

なお、服の色は濃い色のほうが紫外線を吸収しますが、熱中症の心配があるため、白か淡い色のほうが良いでしょう。また、暑さや汗対策として、吸湿性や通気性のよいものを選ぶことをおすすめします。紫外線防止効果のある繊維でできた衣服を取り入れるのもいいでしょう。

ベビーカーには必ず日よけを!

赤ちゃんの紫外線対策にベビーカーの日よけを下ろすママ
Lazy dummy

赤ちゃんや幼児をベビーカーに乗せる際には、必ずベビーカーに日よけをつけるようにしましょう。ベビーカーは地面からも近く、反射した熱で大人が想像しているよりもずっと暑いものです。ベビーカーのシート素材も涼しいものを選ぶようにしましょう。

紫外線対策は、やりすぎにも少し注意が必要

紫外線を浴びると、最初に紹介したように日焼け、皮膚がん、シミ・しわなどを引き起こすというリスクがあります。

一方で、紫外線には皮膚でのビタミンD合成を促すというメリットもあります。ビタミンDは不足すると、骨の発育不良などを引き起こす「くる病」の原因となります。

ビタミンDは食品からも摂取できますが、母乳育児の赤ちゃんはもともとビタミンDが不足しやすいことが知られています。
また、ビタミンDを豊富に含む、魚や卵、キノコなどを離乳食で十分摂れない乳児なども不足が心配されます。
こうした場合に過度な紫外線対策をすると、かえって体に良くないことがあります。

紫外線を浴びることで得られるビタミンDの量は、地域(緯度が高いほど少ない)や季節によって異なります。例えば、那覇では冬でも昼ごろであれば数分で十分な量のビタミンD産生が期待できますが、12月の札幌でそれと同量のビタミンDを合成するためには1時間以上の日光浴が必要になります。

乳児が食事から摂取したいビタミンDの目安量は一日5µgとされています。ビタミンD不足が心配な場合は、食事の内容を見直してみるとともに、国立環境研究所で公開している「ビタミンD生成・紅斑紫外線量の推移」で日光浴により得られるビタミンDの量の目安をチェックしたうえで、散歩の時間を調整してみると良いかもしれません。

まとめ

主治医と相談しながら赤ちゃん用の日焼け止めクリームを塗るなどして、紫外線対策を進めましょう。外出時には、日焼け止め+帽子を上手に使ってください。帽子や服は素材選びにも気をつけて、乳幼児の肌を紫外線から守る必要があります。夏場は紫外線が強くなります。昼間の炎天下に長時間のお出かけは避けることが無難です。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2020.03.04)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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