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2021年01月29日 15:30 更新

【医師監修】赤ちゃんに鼻吸い器は必要? タイプ別選び方と使うときのコツ

まだ鼻をかめない赤ちゃんの鼻水は、拭いても拭いても出てくるし、呼吸も苦しそう。なんとかスッキリさせてあげたいですよね。そんなとき便利なのが鼻水を吸い取ってくれる鼻吸い器。そもそも鼻吸い器は用意しておいたほうが良いのでしょうか? 基本的な使い方やコツ、鼻吸い器の種類や選ぶポイントなどを含めて紹介します。

赤ちゃん用、鼻吸い器の必要性

子どもは鼻吸い器を使って完全に鼻水を除去したい
Lazy dummy

赤ちゃんのお世話用品では、哺乳瓶やおむつなどに加え、鼻吸い器も準備しておいたほうが良いのでしょうか。まずは鼻吸い器の利点を紹介します。

鼻吸い器はあると便利!

赤ちゃんに鼻水が出るようになったら、悪化させる前に、まずは小児科や耳鼻科を受診するようにしましょう。鼻粘膜の炎症を抑えたり、熱や咳など他の症状があれば、その治療も行うことになるでしょう。

赤ちゃんは、自分で鼻をかめませんが、出てきた鼻水をふき取るだけでなく、鼻腔から吸い取ってあげることができれば、しばらくはすっきりします。医療機関でも鼻水の吸引はしてもらえます。ただ、治るまで鼻水吸引のために何度も受診するのは手間がかかるし、たびたび受診することでかえって別の感染症をもらってこないかも気になりますよね。

そんなとき、家庭用鼻吸い器を用意しておけば、自宅でも、赤ちゃんの鼻水をこまめにとってあげることができます。

赤ちゃんの鼻水を直接口で吸うのはNG

昔は、お母さんが直接赤ちゃんの鼻に口を当てて吸い出していたこともありましたが、この方法では、赤ちゃんの鼻水にいる菌やウイルスで、お母さんも風邪をひいてしまうことがあります。

赤ちゃんの鼻水を直接口で吸うのがよくないのは、お母さんへの感染リスクがあるからだけではありません。力加減の調節が難しいので、赤ちゃんの鼻に負担をかける可能性もあるからです。

鼻水はこまめに吸ったほうが良い理由2つ

赤ちゃんの鼻水をこまめにとってあげるのが大切な理由には、大きく2つあります。

鼻水が詰まると苦しいから

赤ちゃんの鼻の中は大人に比べ元々狭く、鼻水が少し出ても詰まりやすいものです。そして、ふだんはおっぱいを飲みながら鼻呼吸をしている赤ちゃんは口呼吸がまだ上手にできません。そのため、鼻が詰まるととても苦しくなってしまいます。 呼吸が苦しくなると不機嫌になったり、母乳やミルクがうまく飲めなくなることもあります。

中耳炎になりやすくなるから

また、鼻水をそのままにしておくと、病源体(ウイルスや細菌など)が鼻の奥からのどや耳の方まで入り込みやすくなり、副鼻腔炎や中耳炎になることも。赤ちゃんや幼児の耳管(鼻と耳をつなぐ管)は、大人と比較して短く、水平に近いため、もともと病源体が鼻から耳へ入り込みやすくなっています。 こまめに鼻水を吸うのは、 鼻の中に鼻水が充満している状況を減らし、少しでも病源体が鼻から奥に侵入するのを防ぐ意味合いもあるのです。

いつから鼻吸い器を使える? 注意点は?

赤ちゃんの小さな鼻には鼻吸い器を使うと便利
Lazy dummy

鼻水を衛生的に取る手段として、便利な鼻吸い器。基本的には、ノズルで吸い出すのですが、電動式、手動式などいくつかタイプがあります。

何ヶ月から鼻吸い器を使用できる?

ほとんどが生後0ヶ月から使用が可能です。小さな鼻の穴に柔らかくフィットするサイズのパーツを選びましょう。

鼻吸い器は強く吸い過ぎないよう注意

鼻吸い器のノズルは、先端が丸いものや、やわらかいシリコン素材など、赤ちゃんの鼻粘膜を傷つけない工夫がされています。それでも強く押し付けたり、吸う力の加減によっては、粘膜を傷つけ鼻血が出たり、耳が痛くなることもあるので、赤ちゃんの様子を見ながら吸い出してあげましょう。

うまく鼻吸い器を使うコツ

赤ちゃんの様子をよく見ながら吸い出しましょう。鼻水が出ているのが気になるからと、突然鼻吸い器を使い始めると、赤ちゃんはびっくりしてしまって、そのあと鼻吸い器をいやがるようになってしまいます。興奮状態で遊んでいるようなときは避けて、リラックスしているときに、「おはな、取ろうね」とやさしく声をかけ、安心させながら鼻吸い器を使い始めましょう。鼻水は、湿度・温度が高いほうが出やすくなります。お風呂の中や、お風呂上りに取るとスムーズです。一回で全ての鼻水を取り切ろうとは思わず、角度を変えながら数回に分けて吸引するようにしましょう。また、赤ちゃんが鼻吸い器をいやがって激しく暴れることもあります。こうなると、せっかく吸い取っても暴れて大泣きしたらまた鼻水が……ということにも。あまり大泣きしてしまう前に、短時間で済ませたいものです。

鼻吸い器を使うときは、動くと危ないので、頭が動かないよう押さえてから吸引しましょう。おとなしくできない場合は、赤ちゃんの両腕が動かないよう抱っこしながら、片手でうまく鼻吸い器を操作します。座った状態で股の間に赤ちゃんを挟んで吸引する方法も。赤ちゃんを押さえる係と鼻吸い器を使う係をママパパで分担した連係プレーも良いですね。どうしても無理な場合はあまり無理せず、受診して吸引してもらいましょう。

鼻水を吸い出してあげる頻度はどれくらい?

一日何回までという回数はとくに決まっていません。たまる前に、こまめにとってあげましょう。とくに起床時、お昼寝前、お風呂のあと、夜寝る前などのタイミングによく見てあげると良いでしょう。 ただし、神経質になりすぎて、鼻の中が赤くなるほど頻繁に、というのはもちろんNGです。

家庭用鼻吸い器のタイプ別メリット・デメリット

赤ちゃんには鼻吸い器を使えば水っぽい鼻もきれいにとれる
Lazy dummy

鼻吸い器には、電動・手動、様々なタイプがあります。それぞれのタイプのメリット・デメリットを見てみましょう。

大人がノズルを口で吸うタイプ

メリット

とれた鼻水をためるボトル部分から2つのノズルが出ていて、片方を赤ちゃんの鼻の穴に、片方を大人が口で吸う形。大人が吸う力加減で、鼻水を吸い出すことができます。直接吸うのに近い構造ですが、直接鼻水が口に入ることはありません。電源につなぐ必要がないので、いつでもすぐに使えます。3タイプのうちでいちばん安価なので、買いやすいでしょう。

デメリット

吸引する力加減が最初はわかりづらいかもしれません。また、口で吸引することと並行して、手で赤ちゃんの鼻にノズルを入れ、動かしたり、赤ちゃんの動きを抑えたりといった動作が、慣れるまで難しいかもしれません。。 また、鼻水は口に入らないまでも、呼気によってウイルスや菌が口に入ることはありえます。吸い終わったら、うがいを忘れずに。

スポイトで吸引する手動タイプ

メリット

大きなスポイトの吸い込み口を赤ちゃんの鼻の穴に当てて、鼻水を吸い出す方式。シンプルな構造で、片手で赤ちゃんを抱っこして押さえながら使うことができます。電源も不要なので、いつでもどこでも使えます。

デメリット

スポイトの吸い出す力はあまり強くないので、ネバネバタイプの鼻水は吸い出しにくいでしょう。また、吸う力の調整がしづらいという難点もあります。

電動式

メリット

吸った鼻水をためるタンクとモーターがボックス型になった本格的なタイプと、スポイト型に近い手のひらサイズのコンパクトなタイプがあります。吸う力の調整が楽で、強力に吸い出すことも可能。

デメリット

静音タイプもありますが、手動に比べるとやはりモーター音はします。鼻吸い器をいやがる赤ちゃんの場合は、スイッチを入れただけで逃げる可能性もありそうです。価格的に、3タイプのうち一番高いものとなります。また、電源がないところやバッテリーがないと使えないというデメリットも。

使用後はきちんと洗浄、消毒も忘れずに

どのタイプの鼻吸い器を使うにしても、ウイルスや細菌をたくさん含む鼻水を吸うのですから、使用後に十分に洗浄、消毒することが大切です。使う前に説明書をよく読むことはもちろん、お手入れの仕方もよく読んで、その機種にあったアフターケアをしましょう。

なお、鼻吸い器の機種やパーツの種類によって、可能な消毒方法は異なります。適さない方法で消毒すると、変形するなどして使えなくなってしまうこともあるので注意しましょう。

まとめ

鼻吸い器で鼻がスッキリしてご機嫌の赤ちゃん
Lazy dummy

鼻水はこまめに吸い出してあげると、赤ちゃんの負担が軽減します。気づいた時にすぐ手軽に使えて、しかも吸い取り効果の高い鼻吸い器は、赤ちゃんが鼻をかめるようになるまでは、あると安心な育児グッズ。用意しておけると便利です。ただし、使うとき赤ちゃんがおとなしくしてくれるとも限らず、鼻吸い器で毎回完全に鼻水を取り切るのは難しいもの。鼻水が出たら、まずは受診することが大切です。家庭用鼻吸い器はあくまでもホームケアを助けてくれるものと考え、症状が良くならない/悪化した場合は、すぐにまた受診するようにしましょう。

(文:関川香織/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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