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2022年12月06日 15:59 更新

【医師監修】妊娠超初期|症状はいつから始まる?確認方法と気をつけること

吐き気などの妊娠の兆候が出てくるのは、個人差が大きいものの妊娠5~6週頃からといわれていますが、中には生理予定日前、俗にいう「妊娠超初期」に体の変化や妊娠のサインを感じる人も。妊娠超初期によくみられる症状や、妊娠に気づかずアルコール、タバコ、カフェインを摂取した場合の影響を解説します。

妊娠超初期の症状が始まる時期

妊娠超初期の症状って?と考えている女性のイラスト
(イラスト:epico428)

生理(月経)予定日の前のごく妊娠早期の期間を、俗に「妊娠超初期」ということがあります。妊娠していた場合、妊娠4週が生理予定日の週に当たるので、妊娠超初期は妊娠3週までのことを指してよく使われます。このころはちょうど受精卵が子宮に着床する時期です。

「妊娠超初期」も妊娠初期に含まれますが、この時期は妊娠検査薬ではまだ正確な結果が得られにくいため、妊娠しているかどうか気になる人がとくに多いようです。

早い人では生理予定日ごろから感じることも

妊娠すると、吐き気や嘔吐といった消化器症状が現れることがあります。いわゆる「つわり」です。

つわりの症状や程度は個人差が大きいのですが、妊婦さんの半数以上が経験するといわれています。また、妊娠・出産を経験したことのある「経産婦」よりも、初めて出産を迎える「初産婦」に多くみられる傾向にあります。

つわりと思われる症状が現れはじめるのは妊娠5~6週頃が一般的と言われていますが、時期に関しても個人差があり、中には生理開始予定日前(妊娠4週未満)のいわゆる「妊娠超初期」になんらかの兆候を感じる人もいます。

基礎体温と妊娠していた場合の妊娠週数の関係
生理周期と妊娠していた場合の妊娠週数の関係

妊娠超初期によくある症状と原因

吐き気のある女性のイメージ

妊娠超初期にみられることがある症状は「つわり」だけではありません。他にはどんなものがあるのでしょうか。

妊娠超初期によくある症状

妊娠超初期~初期に現れる主な症状には以下のようなものがあります。

全身の倦怠感(だるさ)
頭痛
●眠気
●吐き気
●唾液の増加
●食欲不振
●食べ物の好みが変わるといった嗜好の変化


上記以外にもたとえば着床時に出血がある(着床出血)、微熱が出る、気分が落ち込む、イライラする、便秘、下痢、肌荒れ、腰痛、おなかの張りといった症状がみられることもあり、個人差が大きいのが特徴です。

<体験談>みんなは妊娠超初期、どんな感じだった?

※マイナビ子育て調べ 調査日時:2020年4月1日~4月7日

                   

妊娠により起こるホルモン変化などが原因に

妊娠するとさきほど挙げたようにさまざまな不調の現れることがありますが、妊娠するとなぜその症状が現れるのか、はっきりしたメカニズムはまだよくわかっていないものも多いです。

ただ、つわりなら妊娠女性特有の「hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)」というホルモンの分泌や精神的なストレスなど、「だるさ」や「体温の変化」などは、妊娠すると分泌量がそれまでより増える「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の影響などがあると言われています。

どちらにしても、妊娠することにより女性の心身には大きな変化が起こり、それがさまざまな症状を起こす原因となるようです。

妊娠超初期と生理前の見分け方

妊娠検査薬
Lazy dummy

さて、最初に解説した通り、一般的に「妊娠超初期」は生理予定日より前の時期を指しますが、このころ何か体調の変化があったら、それが妊娠超初期によるものか、生理前なのか見分けるにはどうすればよいのでしょうか。

少し待ってから妊娠検査薬を使う

妊娠超初期や初期の症状には生理前に現れる症状(PMS:月経前症候群)と似ているものも多く、「いつもの生理前の不調かな」と思っていたら、実は妊娠していたという人も少なくないようです。

これらを症状のみで見分けるのは困難なので、気になる症状があったら、やはり妊娠検査薬を使ってみましょう。

なお、妊娠検査薬は通常タイプは「生理予定日の1週間後から」、それより早くから使える早期妊娠検査薬は「生理予定日から」使用できます。

また、妊娠していた場合は、基礎体温にも変化があります(高温相が2週間以上続く)。体の変調にいち早く気付くためにも、普段から基礎体温を計って記録しておくことをお勧めします。

お酒、たばこ、薬など、妊娠超初期に気を付けること

下腹部が気になる女性

まだ妊娠しているかどうかがはっきりと分かっていない妊娠超初期の段階では、体の症状もさることながら、お酒やたばこを口にしていたことにあとから気づいて心配になる人もいるでしょう。

妊娠したら禁酒・禁煙、カフェインは控え目に

アルコールやたばこは「胎児に影響を与える」ことから、妊娠中は摂取を止めるべき嗜好品として挙げられています。妊娠中もこれらを摂取し続けると流産、早産、低出生体重児、先天異常などを引き起こすリスクが高まります。

これから迎える時期は、赤ちゃんの重要な器官が作られます。知らずに摂取してしまったものは仕方がないとして、少なくとも妊娠が分かった時点で禁酒・禁煙するようにしましょう。

なお、カフェインについては、妊娠中でも例えばコーヒーであれば1日1~2杯程度ならば問題ないとされていますが、日常的に飲むのは麦茶などのノンカフェインのものがいいでしょう。

服薬は自己判断厳禁、必ず医師に相談を

たばこやアルコールなどの嗜好品以外に、薬の服用も不安になるものです。しかし、妊娠超初期は薬の多くは服用したとしても心配ないと言われています。

妊娠4週未満の妊娠超初期は、赤ちゃんの重要な臓器が形作られる「器官形成期」が始まるより前の時期なので、体に長期間残る薬でない限り、服用したとしても先天異常などを引き起こすことはないと言われています。妊娠に気づかないうちに飲んでしまった、使ってしまったという場合でも気に病む必要はないでしょう。

ただし、赤ちゃんの主要な器官が作られ始める「妊娠4週以降」は、薬の種類によっては赤ちゃんに先天異常などを引き起こすリスクが生じます。妊娠に気づいたあとは、自己判断で薬を服用するのは止め、必ず医師に相談してからにしましょう。

また、ビタミンAを多量に摂ると先天異常のリスクが生じるため、妊娠中はサプリメントの使用にも注意が必要です。

まとめ

妊娠超初期の症状でお腹の音を子供に聞かせるママ
Lazy dummy

妊娠超初期に症状があるかどうかには個人差が大きく、なんらかの症状を感じる人もいればそうでない人もいます。現れる症状の種類もさまざまで、妊娠によるものだと気づかないことも少なくありません。

それゆえ妊娠していない時と同じようにお酒やたばこ、薬などを摂取してしまい、心配になることもありますが、超初期の段階では影響は少ないといわれています。気づかず摂取してしまった場合でも自分を責めず、妊娠に気づいた時点から摂取をやめる、控えるなどして、ゆったりとした気持ちで過ごしましょう。心配な時は産婦人科で相談してくださいね。

(文:山本尚恵、監修:宋美玄先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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