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【医師取材】ノロウイルスはどんな症状が出る? 潜伏期間と二次感染のリスク

【医師取材】ノロウイルスはどんな症状が出る? 潜伏期間と二次感染のリスク

ノロウイルスは、毎年、秋から冬にかけて流行し、保育園や学校などで集団感染を引き起こすこともあるウイルスです。ここでは、このノロウイルスに感染したときに、具体的にどんな症状が現れるのかをご紹介していきます。


この記事の取材先ドクター
向洋こどもクリニック 梶梅 輝之先生
子どもの病気の診療や予防はもちろんのこと、心身の健全な発達を支援し、ご家族の皆様と子どもの成長をともに喜び合えるクリニックにして行きたいと考えています。
http://www.mndcc.jp/index.html

どこから感染するの!?

ノロウイルスは、感染性胃腸炎や食中毒の原因になるウイルスです。感染力が非常に強いのが特徴で、10〜100個程度と、ごく少量のウイルスが体内に入っただけでも感染するといわれています。

一般的に病原体の感染力の強さを表す指標には、「基本再生産数」が用いられます。これは、免疫を持たない人の集団の中に、1人の感染者が入ったときに、その感染者から平均で何人の人に感染するかを表した数値です。ノロウイルスの基本再生産数は、2(1人の感染者から2人)くらいとされており、インフルエンザと同等か、それ以上の強さだといわれています。

また、ウイルスの中には、一度感染すれば、体に免疫ができて二度とかからないものもありますが、ノロウイルスには30種類以上の遺伝子型が存在するといわれ、それぞれ抗原性も異なるので、何回でも感染する可能性があります。

感染のピークはいつ!?

ノロウイルスによる感染症は、年間を通して発生する可能性があります。しかし日本では、毎年11月くらいから流行し始め、12〜1月頃に感染時期のピークを迎える傾向があります。これは、ノロウイルスの感染源の1つが牡蠣などの二枚貝であるため、これらの貝を生で食べる機会が増える時期になると、発生件数が増え始めるのだと考えられます。

また、2月以降にノロウイルスの発生件数が徐々に減少していくのは、ウイルスには、「ウイルス干渉現象」といって、他のウイルスが流行し始めると、それまで流行していたものが減少していく性質があり、2月頃になると、ロタウイルスが流行し始めることが関係しているようです。

ノロウイルスの感染経路とは

ノロウイルスの感染経路は、大きく分けると「人からの感染」と「食品からの感染」の2種類あります。

人からの感染

・感染した人の嘔吐物や下痢便に触れた手指を介して感染する。
・感染した人の嘔吐物や下痢便が床などに飛び散り、その飛沫(しぶき)を直接吸い込むことで感染する。
・床などの飛び散った嘔吐物や下痢便の消毒が不十分だったために、残ったウイルスが乾燥して空中に舞い上がり、それを吸い込んで感染する。

食品からの感染

・ウイルスに汚染された牡蠣などの二枚貝を、生のまま、もしくは十分に加熱せずに食べることで感染する。
・ノロウイルスが付着した手で調理した食べ物を食べることで感染する。

どんな症状がでるの!?

ノロウイルスの初期症状

ノロウイルス感染症の主な症状は、吐き気や嘔吐、腹痛、下痢です。中でも最初に現れやすいのが嘔吐で、突然、激しい嘔吐や吐き気が起こり、次第に水っぽい下痢の症状も現れるようになります。また、発熱をともなうこともありますが、多くは37〜38度程度で、高熱になることはあまりないようです。

ただし、軽い風邪のような症状で済むケースや、感染してもこれといった症状が現れない「不顕性感染」もあります。

子どもと大人で症状は違うの!?

子どもの場合は、ノロウイルスに感染して嘔吐や下痢を繰り返していると、体に必要な水分も失われてしまい、脱水症状に陥りやすいので注意が必要です。

脱水症状を防ぐために、吐き気が少し治まったら、白湯やお茶、赤ちゃん用のイオン飲料、経口補水液など、飲みやすいもので、こまめに水分補給をさせましょう。ただし、一気に飲ませると、吐き戻してしまう可能性があるので、少量ずつ与えるようにしてください。また、乳製品や柑橘類の果汁は、下痢を悪化させる可能性があるので、控えたほうがよいでしょう。

脱水症状がひどい場合は、病院で補液(点滴)や入院治療が必要になります。「ぐったりしている」「おしっこの量が少ない」「泣いても涙が出ない」「唇や口の中が乾燥している」「手足が冷たい」といった場合は、脱水症状が進んでいる可能性があるので、すぐに病院を受診させましょう。

ノロウイルスの潜伏期間とは

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発症までの潜伏期間

ノロウイルスは、感染してすぐに症状が現れるのではなく、1〜2日ほどの潜伏期間があります。

発症からどのくらいで治るの?

ノロウイルスの症状は、通常1〜2日ほどで自然に治まり、後遺症が残ることはありません。

二次感染の恐れも

このようにノロウイルスに感染しても、一般的には、短期間で症状が治まりますが、注意しなくてはならないのが、二次感染する危険性があるということです。

『ノロウイルスの感染経路とは』のところでもお話しましたが、ノロウイルスの感染力は非常に強く、感染した人の嘔吐物や便に触れたり、そこから乾燥して浮遊しているものを吸い込んだりすることでも感染します。また、症状が治まってからも、しばらくは糞便中にウイルスが排出され続けるので、発症から1ヶ月くらいは、感染のリスクが持続するといわれています。

こうしたことから、家庭や学校の中で、ひとたび感染者が出ると、あっという間に感染が広がってしまう恐れがあるのです。

二次感染を予防するためのポイント

感染した人の嘔吐物や便を処理するときは、次のポイントに注意して、スピーディーに確実に処理するようにしましょう。

・部屋を十分に換気する。

・使い捨ての手袋やマスク、水分が染み込まないビニール製のガウンやエプロンなどを着用して処理する。

・ペーパータオルなどで、静かに汚れを包み込んで取り除いた後、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系の消毒剤)で消毒してから、しっかり水拭きする。

・拭き取った汚物や使用済みの手袋などは、ビニール袋に入れてしっかり口を結び、密閉してから廃棄する。

・処理が終わったら、石鹸を使って手洗いを2回行い、うがいもする。

まとめ

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ノロウイルスは、感染力がとても強いので、お子さんが保育園などで感染してしまうと、どんなに注意をしていても、家庭内感染を防ぐのが難しいかもしれません。嘔吐物や便を処理するときに二次感染予防のポイントをしっかり守るのはもちろんですが、できるだけ十分な睡眠をとるように心がけるなど、感染に備えて、お母さんがご自身のコンディションを整えておくことも大切です。

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