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2021年01月28日 18:13 更新

【医師取材】小児科は何歳まで受診できる? 内科とはどう違うの?

「小児科は何歳まで?」「内科とはどう違うの?」……子供のいるパパ・ママの疑問について取材しました。

何歳から何歳まで受診OK? 小児科の対象年齢

何歳まで小児科を受診できるのか?医師に診断を受ける赤ちゃん
Lazy dummy

小児科は何歳までの子供が対象年齢?

日本小児科学会では、診療する対象を「成人するまで」としています[*1]。したがって、子供が生まれてから成人するまでは、小児科にかかることが可能であると言えるでしょう。なお、15歳以上になると、原則として、薬を大人と同じ量で処方できるようになること、また、思春期を経て体の大きさや働きも大人に近づいていくことから、15歳くらいからは小児科ではなく内科など大人と同じ科を受診することも多いようです。いずれにしても、子供が小さいうちは、小児科にかかっていいのかどうかを心配する必要はなさそうですね。

18歳の高校生は内科に切り替えるべき?

18歳の高校生ともなれば、小児科を卒業して、一般内科などへ行くことが多いかもしれません。実際にそれでも問題ありませんが、どちらかというと小児科へ行ったほうがいいケースもあります。特に、幼い頃からの持病(てんかん、血友病、小児糖尿病、アレルギー性の喘息など)で、長い期間にわたって受診しているかかりつけの小児科がある場合などは、引き続きそちらで診療を受けた方がかえって都合がいいでしょう。かかりつけの小児科であれば、これまでの経過、薬に対するアレルギーの有無なども把握できていますので、安心です。

また、医師と子供(患者さん)、そのご家族の間に、長い時間をかけて培った「信頼関係」ができている点も、とても大きいと言えるでしょう。このように、特定の持病で小児科にかかっていた場合などは、引き続きそこで診療を受けることが望ましいといえます。しかし、医療機関によっては、ある年齢以上になると「小児科でなく内科を受診するように」と定められている場合もあります。こちらについては、かかりつけの小児科にあらかじめ相談、確認するようにしてください。

小児科と内科の違い

小児科はよりライトな診療で、内科は大人向けなので本格的。中にはそんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、小児科でも病状に応じて適切な医療が受けられることは言うまでもありません。

子供に特有の病気は数多くあり、似たような症状に見えても、子供と大人ではケアや治療の方法が異なるケースもあります。

処方薬なども、子供の場合は制限があるケースが多いので、小児科では「子供の病気に特化したノウハウ、医療の蓄積」に基づいた適切な医療を受けることができます。

また小児科は、子供が訪れることが前提なので、待合室に絵本やぬいぐるみが用意されているなど、小さな子供(あるいは母子)にとって、居心地の良い環境が整備されていることも多いです。

大人も小児科で診てもらえる?

子供と一緒に親も受診できる?

予防接種は親子で打てる?

特定の病気が流行している場合、親子ともに予防接種を受けたいけれど、子供のために小児科、大人は内科や耳鼻科など、複数の病院を回らなくてはならないのは大変ですよね。実は小児科でも、医療機関の厚意で大人の予防接種が受けられることもあります。しかし、親御さんが予防接種を行ってしまったがために、他の子供に接種すべき予防接種が不足してしまっては、小児科としては本末転倒になります。特定の病気の流行期には、予防接種の供給が不足することもありますので、ワクチン接種を必要とする子供にきちんと行き渡るよう、小児科で大人の接種をするのは避けたほうがいいでしょう。

インフルエンザなど感染症の治療は?

「一般の診療科が混み合っているので小児科で診てもらおう」という理由で、大人1人で診てもらおうとすれば断られることが普通でしょう。しかし「子供からインフルエンザや風邪をうつされた場合」で「子供と一緒に診察を受ける場合」などでは、かかりつけの医師・医療機関のご厚意で親子で受診できるケースもあります。特に重症の場合は、複数の病院を回ることがとても大変なはず。小児科1つで、薬の処方や検査が受けられる点は、大変助かると言えるでしょう 。

大人1人だと小児科の診察は無理?

先ほども触れましたが、大人1人の場合、小児科での診察は断られるケースも少なくないと考えられます。また、子供も病気の場合は同時に受診できるケースもありますが、子供が全快した場合は、パパ・ママの受診を断られるケースも想定されます。その判断は、個々の医師・医療機関によって異なります。個人開業のクリニックなどでは、内科・小児科ほか、複数の科目を掲げているところも多いので、そのような医療機関をかかりつけとして普段から受診しておく方法もあります。

かかりつけの小児科の探し方

万が一のときについても相談できるかかりつけ医を探して

かかりつけの小児科があることは、子育てをするパパママにとって大変心強いことです。近所の小児科をチェックしておきましょう。予防接種や健診のときにもお世話になりますし、子供の体調不良時にはまず、かかりつけ医にかかることが基本です。

なお、救急対応が可能な医療施設は限られています。また、子供が救急を要する事態となったときにはじめて、救急対応が可能な小児科を調べている暇はありません。夜間や休日などに万が一のことがあった場合、どうしたらいいか、あらかじめかかりつけ医に相談しておくと、いざというときにも安心です。そういった相談がしやすい、あるいはあらかじめ指導してくれるような小児科を、かかりつけに選びましょう。自分でも、救急対応が可能な地域の医療施設がどこにあるのかは、一度チェックしておくといいでしょう。

入院施設がある小児科は少ない?

入院施設がある小児科の数が充分に足りているのか。厚生労働省の資料[*2]を見る限り、充分とは言い切れないのが現状なようです。ただし、喘息や感染症などで、入院の必要がある患者は減少傾向にあることも確かです。需要が減ってくれば、供給が減ることは自然なことです。

上で説明した救急対応と同じように、いざというときに備えて、入院施設のある医療施設についても相談できるようなかかりつけ医を選んでおくと安心です。また、自分でも、入院施設の設けられた小児科がどこにあるか、チェックしておくといいでしょう。

まとめ

小児科の利用については、生まれてから成人するまで診療を受けることができます。一般には、「15歳前後」を1つの目安として小児科を卒業する例も多いようです。ただし持病があり、ある程度の通院歴がある場合などでは、継続してかかりつけの小児科を受診したほうがいいケースもあります。まだ子供が小さいうちは小児科を受診するかどうかを心配する必要はありませんが、いざと言うときのために、近所の小児科をきちんとチェックしておくことは大切です。

※この記事は 医療校閲・医師の再監修を経た上で、マイナビ子育て編集部が加筆・修正し掲載しました(2018.06.11)

※記事の修正を行いました(2019.06.12)

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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