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2022年12月05日 14:16 更新

赤ちゃんの後追いはいつから?始まる・落ち着く時期と5つの対処法|体験談【助産師解説】

赤ちゃんはなぜ後追い(あとおい)し、これはいつからいつまで続くのでしょうか? 先輩ママの体験談をご紹介するとともに、後追いが起こる原因や自身が子育て中でもある助産師さんに後追いの対処法についてもうかがいました。

理由|赤ちゃんはどうして後追いするの?

赤ちゃんの成長過程の中で起こりやすい「後追い」という現象。これはいつ頃からなぜ起こるのでしょうか。

後追いは「信頼感」と「不安感」から起こる

後追いは、ハイハイやつたい歩きができるようになって行動範囲が広がった赤ちゃんが、ママなどいつも身近にいる人が視界から消えると泣きながら探し回ったり、目の前からいなくならないようどこに行くにもついて回ることを指す言葉です。

これは、一番身近にいる人に対して安心と信頼感が芽生え、特別な存在という認識ができるようになることで出現する行動と考えられています。安心できる身近な人と知らない人を区別する能力は、記憶力や認知力が育つことで発達します。

ただ、この頃の記憶力はまだ短期的なものなので、姿が見えなくなるといなくなったと思い、不安にかられて探すようになります。これが、赤ちゃんが後追いをする理由です。

時期|後追いが見られるのはいつからいつまで?

ママの後追いをしてべそをかく赤ちゃん
Lazy dummy

後追いは、一般的に記憶力と認知力が育ち、かつハイハイやつたい歩きなどで自由に動き回れるようになる時期から始まることが多いでしょう。

月齢には個人差があり、早い子では生後6ヶ月頃から始まることもあるようですが、主には9~11ヶ月頃から人見知りが本格的になることが多いようです。

自分の視界から見えなくなってもいなくなったわけではないことが理解できるようになり、少し時間が経てば必ず戻ってくるということがわかってくると、後追いは徐々になくなっていきます。このような理由から、後追いは一般的に1~2歳頃には落ち着く傾向にあるようです。

うちの子は後追いしない……原因は?

後追いに悩むご家庭もあれば、全く後追いしない赤ちゃんもいます(下のアンケート参照)。愛情不足?と心配される親御さんもいるようですが、ほとんどの場合そうではなく、生まれ持っての個性や性質と考えていいでしょう。

その他、発達障害との関係など「後追いしない赤ちゃん」に関しては以下の記事で詳しく解説しています。

アンケート|赤ちゃんの後追い、みんなどうだった?

赤ちゃんの後追い ママアンケート
子育て中のママたちにアンケート調査を行ったところ、36.02%のママが「後追いがあった」と答えました。

「遊びに夢中だと思ってこっそりトイレに行こうとすると、背中に目がついているのかと思うほどパッと振り向き『あああああ~泣』とすがってきた」
(28歳、会社員、技術職)

「姿が見えなくなるだけでギャン泣きするので、子供が寝ているうちしかトイレにもいけなかった」
(40歳以上、公務員・団体職員、事務系専門職)

「家事をしているときに、ハイハイしてついてこようとした」
(35歳、会社員、事務系専門職)

「ちょっと部屋を移動するとついてきて大変でした」
(32歳、パート、事務系専門職)

「一直線に追ってきた」
(33歳、公務員・団体職員、専門職)

「トイレにいくとドアの前で待ってました。かわいくてうれしかったです」
(40歳以上、自営業・フリーランス、営業職)

「ちょっとでも離れると泣きながら追いかけて抱っこをせがむ」
(33歳、嘱託・契約社員、事務系専門職)

「視界から見えなくなると不安そうについてくる」
(32歳、会社員、事務系専門職)

「自分が動くとどこへでもついてくるので、気になってママの自分の方が落ち着かなかった」
(35歳、会社員、専門職)

「私がキッチンで家事をしようとすると、必死にハイハイでついてきました」
(36歳、主婦)

「振り返れば顔が見える場所でもぎゃん泣きする」
(38歳、会社員、事務系専門職)

「トイレ行くにも人の動きを警戒して見てる」
(33歳、パート、販売職・サービス系)

「後追いをしないと思ったのにしてベットから床に落ちてしまい、急いで病院に行った」
(36歳、主婦)

(調査日時:2019年5月15日~5月17日 調査人数:161人(21歳~40歳以上の女性)マイナビ子育て調べ)

対応|赤ちゃんの後追いの5つの対処法

では、赤ちゃんの後追いにはどのように対応すればいいのでしょうか。ついて回るくらいそのまま放っておけば……と思っていても、そんなに簡単な問題ではない場合も多いですよね。どこに行くにもついて回って家事が思い通りにできなかったり、ちょっと離れただけでも号泣してしまうのでトイレに行くのもままならない、というママも少なくないでしょう。

精神的にも泣かれるとイライラしてしまったり、ストレスが溜まるのも無理はありません。成長している証拠……と自分を励ましながら、後追いに対応しているママは多いと思います。

後追いに関しては、こうすれば収まるという対処法は残念ながらありません。どのような方法が効果的かは赤ちゃんによって変わってくるので、ご家庭に合った方法を見つけるしかないと言わざるを得ないでしょう。ただ、赤ちゃんの不安を緩和させてあげる方法や生活を少しでも楽にする方法はあるので、いろいろ試してみながら、この時期を乗り切れるよう生活を工夫してみてください。

1. 見える位置で活動してみる

後追いの時期は今だけと割り切り、できるだけ離れないよう工夫するのもひとつの方法です。たとえば、トイレはドアを開け放してやってあげる(中には抱っこひもで抱っこしながら用を足す人もいるとか!)、家事をするときはバウンサーなどに座らせて常に近くに置いてあげるなどです。

また、一緒に遊んであげられるときは、思いっきり甘えさせてあげましょう。特に、スキンシップは赤ちゃんにママの温もりと安心感を与えます。たくさん触れ合いながら、ママが赤ちゃんを大好きであることを伝えてあげましょう。

2. 見えない場所なら声がけしてみる

後追いして泣く赤ちゃんに話しかけるママ
Lazy dummy

赤ちゃんは、ママがいなくなるかと不安になって後追いしてしまいます。なので、赤ちゃんの目の届くところにいても、視界から離れてしまうときも、とにかく声を聞かせて安心させてあげましょう。たとえ視界からは消えてしまっても、声が聞こえれば「ママはここにいるよ」ということが伝わり、少しは安心させることができます。

特に、離れるときは「ちょっとだけ行ってくるね」など、必ず声がけをしてあげましょう。帰ってきたら、「ちゃんと待てて偉かったね」と褒めて、ぎゅっと抱きしめてあげましょう。

また、ご飯の支度など家事で近くにいてあげられないときは、常に声を聞かせてあげるよう努めるといいでしょう。たとえば、歌を歌ったり、「お野菜を切ろうね」「○○ちゃんのお洋服ほしたよ。次はママの靴下だよ」など、今やっていることを話しながら家事をしてあげるなど、工夫してみるといいですね。このとき、「トントントン!」「パタパタパタ〜」など、擬音を取り入れてあげるとにっこりする子も多いです。

3. 抱っこやおんぶを上手に使い分ける

後追いするので赤ちゃんをおんぶして料理をするママ
Lazy dummy

首が据わっていれば、抱っこひもでおんぶをして料理・洗濯をするママも多いです。腰や背中が凝ってしまいますが、精神的にもこの方が楽との声をよく聞きます。ただし、赤ちゃんの足がフライパンや包丁に当たらないようにだけ気をつけてくださいね! 

いちいちおんぶするのも面倒なときには、ヒップシートというおすわりさせるだけの抱っこひももあります。腰に巻いておいて片手が空いたときにヒョイっと抱っこでき、もう片手で作業ができます。重さで腕が疲れるのを軽減してくれるほか、歩きはじめの一歳の頃も使えます。

おんぶ紐・抱っこ紐については以下の記事も参考にしてください。

4. 今だけと割り切って家事の優先順位を下げる

後追いがひどい赤ちゃんでは、近くにいても家事などをしていると泣き続けることがあります。抱っこやおんぶをすれば少し落ち着きますが、体力には限界があるので毎回そのようにして乗り切るわけにもいきませんよね。

後追いが激しくて家事もままならないときは、家事を少しの時間あきらめることも大切です。すべてを完璧にしようとせず、今だけと割り切って適度に手抜きしてしまいましょう。

掃除は赤ちゃんがお昼寝したタイミングで心身に余裕があるときだけにする(コロコロや、ワイパーだけで終わりにしちゃってもいいんです!)、ご飯はデリバリーや惣菜に頼る日も作るなど、自分なりのルールを作ってください。

5. 家族が強力にサポートする

後追いされるのはママというご家庭が多いでしょう。その場合はパパのサポートも大切です。

赤ちゃんが後追いしようとしたら、ママのやろうとしていることを代わるのはもちろん、赤ちゃんの気を紛らわせたり、泣き止まないのであれば抱っこでママのいる場所に行って姿を見せてあげたり、とパパができることはたくさんあります。

「ママじゃないと泣いちゃうから」と言って赤ちゃんのことを任せっぱなしにしないようにしてくださいね。

まとめ

後追いしてきた赤ちゃんを抱き上げるママ
Lazy dummy

ママやパパは安心できる特別な存在ということが認識できるようになると、赤ちゃんは人見知りするようになり、ハイハイができて自由に動けるようになると後追いも始まってきます。これは、赤ちゃんがママやパパを信頼しており、しっかり成長している証拠。視界からいなくなっても必ず戻ってくることが理解できるようになれば、不安がなくなるにともない後追いも落ち着いてきます。

自分も含めた家族みんなの健康がもっとも重要であることを忘れず、後追いはこの時期だけと割り切って適度に手も抜きながら、自分に合った方法で上手に乗り切ってください。

(文・構成:マイナビ子育て編集部、監修・解説:清水茜先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、助産師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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