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【医師監修】「ずりばい」と「ハイハイ」の違いは? しないのは変?

【医師監修】「ずりばい」と「ハイハイ」の違いは? しないのは変?

赤ちゃんの成長をそばで見守るのは、親として大きな喜びですね。寝返りやお座りができるようになると、次はずりばいやハイハイで、次第に自分の力で移動できるようになっていきます。今回は、このずりばいについて知っておきたいことを、ハイハイの違いや不安点などを中心にご紹介します。


この記事の監修ドクター
女医によるファミリークリニック 大井美恵子先生
当院では受診していただく患者様は家族と思い治すことをモットーとしており、生まれたときから、生涯を終えるときまで、ご家族全員のプライベートホームドクターを承っております。最新の小児科内科皮膚科・美容医療に、東洋医学などの代替医療やアンチエイジング医療を取り入れながら、 ご家族全員がいつまでも健やかで美しくあるためのオリジナル医療を提供しております。
http://www.familyclinic-hiroshima.com/

そもそも「ずりばい」って何??

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うつぶせの状態でお腹を床につけたまま、腕や足の力で体を引きずるように這って進むのを「ずりばい」と言います。ほふく前進をイメージするとわかりやすいです。寝返りができるようになってから、ハイハイが始まるまでの1〜2ヶ月間に見られる動作です。赤ちゃんが自分で前後左右に動けるようになり、行動範囲も一気に広がります。

ずりばいはいつから? ハイハイとは違うの?

ずりばいは、一般的に生後7〜8ヶ月ごろから始まります。ただし、寝返りができるようにならないとできないので、寝返りの時期が早いか遅いかでずりばいを始める時期が違ってきます。ずりばいを始める時期は、月齢よりも「寝返りができるようになってから」と考えるとよいでしょう。

赤ちゃんの成長過程で言えば、ずりばいは、寝返りとハイハイの間に見られるものです。ずりばいができるようになると、ハイハイまではあと少しです。

ずりばいは、ハイハイと違って、腰やおしりを高く上げずにおなかを床につけた状態で動きます。ずりばいは、首がすわって頭と肩から手指までの運動神経がつながれば可能になる動きですが、ハイハイはさらに腰がすわり、腰と脚を使って胴を支えられる必要があります。つまり、ずりばいは主に上半身の力、ハイハイは主に下半身の力で移動をしていると言えます。

ハイハイ直前の「ひじばい」って何??

「ひじばい」とは、上半身を起こした状態で、左右の肘を交互に床につけて前や後ろに移動することをいいます。腕や肩の筋力が強い赤ちゃんに見られます。ひじばいは、動く時にひじを勢いよく床につくので、硬い床はできるだけ避けて、畳やマットの上に寝かせてあげましょう。

いきなりつかまり立ちするケースも!!

ずりばいやハイハイをしないまま、いきなりつかまり立ちをする赤ちゃんもいます。運よくつかまり立ちが成功すると、そのままつたい歩きまでしてしまうことも。また、つかまり立ちができるようになった後にハイハイをし始める場合もあり、一般的な順序が前後するのも珍しいことではありません。発達には個人差がつきものです。赤ちゃんの個性ととらえて大らかに見守れるといいですね。

赤ちゃんのずりばいは必要?

ずりばいをあまりしないまま次のステップに進んでも問題はないとお話ししましたが、一般的にずりばいは、赤ちゃんの成長過程において意味のあるステップであることは間違いありません。

まず、ずりばいの動きは上半身の筋肉を使うので、体幹や腕の筋肉、握力などが鍛えられます。上半身を手で支えられるようになると、手指への刺激が増え、物をつかんだりつまんだりといった繊細な動きや強弱が経験的に身につけやすくなります。下半身を動かす練習にもなり、ハイハイをする準備にもなります。ずりばいは全身運動なので、血流が増えて心肺機能が高まります。また、脳への刺激量が増えることから、脳が活発化にも役立っています。

さらに、自分の意思で移動できるということは、赤ちゃんにとっても喜びでもあります。行きたいところに行けることで、満足感が持てたり好奇心を満たせたりも。精神面でのメリットも無視できません。

「変なずりばい」が気になるママへ

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ずりばいを始めたばかりの赤ちゃんは、ユニークなずりばいをすることが多いものです。後ろに下がったり回転したりは珍しくありません。また、とても早い時期からずりばいを始める赤ちゃんも。ずりばいについての心配事にお答えします。

後ろと回転ずりばいだけで前進しない!!

ずりばいを始めて間もない赤ちゃんは、後ろに下がったり同じ場所をぐるぐる回ったりすることがよくあります。左右の腕の力や使い方が均等でなかったり、腕と脚の動きを連動させることに慣れていなかったりするためです。病気や身体の異常を心配してしまうかもしれませんが、病気でも障害でもありません。

赤ちゃんは、後ろ向きに進んだり回転したりしながら、試行錯誤を繰り返して身体の使い方を学習するのです。自分で気づいて進むことができるようになるまで、温かく見守ってあげましょう。

早くずりばいするのは良くないの?

中には、生後4ヶ月頃にずりばいを始める赤ちゃんもいます。発達のスピードは、遅くても早くても不安になるものですね。しかし、一般的には、ずりばいを始める時期が早くても問題はありません。

ただし、早い時期にずりばいを始めた赤ちゃんは、生後7ヶ月?8ヶ月頃に始めた赤ちゃんに比べるとバランスが悪く、身体の動かし方もぎこちないことが多いようです。ずりばいをやめさせる必要はありませんが、正しい体の動かし方をゆっくり教えてあげましょう。

赤ちゃんにずりばいを練習させるべき?

赤ちゃんは、腕や足の運動機能が発達して適切な時期が来れば、自分からずりばいを始めるものです。したがって、ずりばいの練習は絶対に必要というわけではありません。ただし、ずりばいに脳や運動機能の発達を促す効果があることがわかってきたので、生後9ヶ月を過ぎてもずりばいを始める様子がないときは、適度に練習させてみてもいいでしょう。遊びやコミュニケーションの一つとして、ママやパパも一緒に楽しみながらサポートしてあげられるといいですね。次のような練習方法を参考にしてみてください。

・うつぶせに慣れる

ずりばいの基本はうつぶせです。うつぶせでしっかり筋肉がつくと、ずりばいに移行しやすいようです。1ヶ月健診が終わった頃から、赤ちゃんの機嫌がいいときに時々うつぶせの状態にしてみましょう。うつぶせにしたまま放っておくと窒息する危険があるので、必ず見守りながら行うようにしましょう。

・お手本を見せる

パパやママがずりばいのお手本を見せると、赤ちゃんはじっと観察して動きを覚えるようになります。大人が楽しそうにずりばいをしていると、赤ちゃんもやってみたい気持ちになるはずです。最初は両手・両腕を使って移動する様子を見せ、次に片方ずつ腕や足を動かすようにします。

・足裏を支える

床をキックする動作が上手にできないと、なかなか前に進めません。赤ちゃんがうつぶせの状態でキックするような動作を見せたら、赤ちゃんの足裏を持って、床を蹴る手伝いをしてみましょう。大きめの箱などを足裏に当てるのもよいですね。キックすることで前進する感覚が身についていきます。

・赤ちゃんの目線の先におもちゃを置く

手が届きそうで届かない位置にお気に入りのおもちゃを置いて、赤ちゃんの興味をひくのも効果的です。赤ちゃんはおもちゃを取りたい気持ちから、体を一生懸命動かして前に進もうとします。このとき、ママやパパも腹ばいになって、同じ目の高さで赤ちゃんを呼ぶと効果的です。

赤ちゃんがずりばいしないのは病気?

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寝がえりはできるのにいつまでもずりばいをしない場合、まれに病気や障害が隠れていることがあります。

病気や障害のせいでずりばいしないケース

股関節脱臼で大腿骨の先端が骨盤におさまらず、外れていたり外れかけている状態では、ずりばいが難しくなります。「脚のつけねの皺の数が左右で違う」「左右の脚の長さが違う」「股関節が開きにくい/開きすぎる」「足を曲げた状態で股を広げるとポキポキ音がする」などが特徴です。

聴覚や視覚が弱いケースもあります。追視(対象物を目で追うしぐさ)が少ない、呼びかけに対する反応が薄いと感じることがあったら、医師の診断を受けてください。

この他、低緊張(筋緊張低下症)の場合には、体を支え動かすための筋肉の張りが弱いために思うように体の動きをコントロールすることができず、ずりばいができません。低緊張の赤ちゃんは、脳性麻痺、発達障害、筋ジストロフィー、先天性ミオパチーなどの病気を持っている可能性が知られています。しかし、ずりばいやハイハイをしないという点だけで、発達障害や病気につなげる自己判断は禁物です。

健診でずりばいができないと要観察?

10ヶ月健診で、ずりばいやハイハイをしないために「要観察」となった話をよく耳にします。その後は、毎月保健センターに通い、状況をチェックしてもらうようです。

周りの赤ちゃんが順調にずりばい、ハイハイとどんどんできるようになっていると、ママとしては焦りや不安な気持ちでいっぱいになるかもしれません。健診で「要観察」と言われればなおさらです。しかし、ほとんどの場合、ちゃんと成長が追い付いて、1歳半健診のころには要観察もなくなっていくようですよ。

我が子のずりばいで不安になった時の相談先

赤ちゃんの発達は個人差が大きいものです。いつまでもずりばいを始めない赤ちゃんが、ふとしたきっかけで急にし始めても不思議はありません。しかし、専門家に相談してみることで、思ってもみなかった子育て情報を得られることもあります。

どうしても気になる場合には、タイミングに応じて、小児科、地域子育て支援センター、児童相談所(こども相談所)、乳児健診の場などで相談をしてみましょう。

まとめ

ずりばいやハイハイについて、正しい知識を身につけることで、穏やかに笑顔で赤ちゃんの成長を見守ってあげられるようになるとといいですね。ずりばいの練習も、日々の暮らしの中で親子で楽しみながらできれば理想的です。赤ちゃんの発達は、そのスピードにおいても現れ方においても個人差が大きいものです。わが子となると、早くても遅くても不安になりがちですが、赤ちゃんの個性ととらえてゆったり見守り、それぞれの発達のステップを楽しみましょう。

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