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【医師監修】RSウイルス感染症は乳児がかかると深刻? 症状と予防策

【医師監修】RSウイルス感染症は乳児がかかると深刻? 症状と予防策

感染症が流行しやすい冬から春にかけての時期、子育てをしているママにとって赤ちゃんが感染しやすい病気について気にしておきたいもの。その病気のひとつとされている「RSウイルス感染症」とは、どのような病気なのでしょうか?今回は、RSウイルス感染症の症状や赤ちゃんが感染した際のリスク、治療方法、予防策などについてまとめました。


この記事の監修ドクター
有明こどもクリニック 小暮 裕之先生
地域の皆さまに信頼されるかかりつけの医療機関として、スタッフ一同、より質の高い医療の提供を目指してまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
http://child-clinic.or.jp/concept.html/

RSウイルス感染症ってなに?

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RSウイルスとは、呼吸器系に感染するウイルスのことで、「Respiratory syncytial virus」を略したもの。「Respiratory」とは「呼吸の」という意味を表しています。つまり、RSウイルス感染症とは呼吸器感染症なのです。それでは、RSウイルス感染症とはどのような病気なのでしょうか?まずは、RSウイルス感染症の原因や感染した際の症状についてご紹介します。

RSウイルス感染症の原因

RSウイルスは、最近は通年で流行していますが、特に9~11月をピークに流行するのが特徴です。感染する原因には、飛沫感染と接触感染の2つが考えられます。

飛沫感染は、感染した人が咳やくしゃみをすることによって飛散したウイルスを直接吸い込むことによって起こるもの。感染した後、鼻や咽頭の粘膜で増殖してしまうケースです。

接触感染は、ウイルスが含まれる鼻汁や痰が触れた皮膚や衣服、玩具によって起こるもので、それらに触れた手指が眼瞼や鼻咽頭の粘膜と接触することで伝染するケースです。

RSウイルスの感染力は非常に強いもので、1歳頃までには50%〜70%以上が、2歳頃までにほぼ100%の赤ちゃんが感染するとも言われています。しかも、一度かかっても免疫が十分にできないため何度もかかってしまうのもRSウイルス感染症の特徴です。ただし、繰り返し感染していると免疫そのものは徐々にできてくるので、症状そのものは軽くなることが多いのです。

感染するとどうなるの?

RSウイルスに感染した際には、まず4日〜5日の潜伏期間があります。潜伏期間を終えると、鼻水や咳、発熱などといった風邪の症状が見られるようになります。

RSウイルス感染症にかかったことがない赤ちゃんの場合、症状としてはまず鼻水から始まり、その後に38度〜39度の発熱と咳が続くようになります。再感染した場合には、一般的に症状は軽いようですが、中耳炎を合併することもあります。

RSウイルス感染症の症状そのものは1週間〜2週間で治るものですが、赤ちゃんが感染した場合には重症化のリスクも考えられます。

赤ちゃんの感染には注意を!

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2歳頃までにほぼ100%がかかると言われているRSウイルス感染症。つまり、RSウイルス感染症はほとんどの人が赤ちゃんのうちに感染するということになりますが、赤ちゃんが感染した場合に重症化しやすいのも、この病気の特徴。次は、赤ちゃんが感染した場合についてご説明します。

赤ちゃんの感染は重症化しやすい

RSウイルスに感染した赤ちゃんのうち25%〜40%は、さらに細気管支炎や気管支炎、肺炎を引き起こし、最悪の場合には無呼吸発作を起こして命を落としてしまうこともあると言われています。

急性細気管支炎とは、"ゼーゼー、ヒューヒュー"などといった喘鳴を伴う呼吸困難の症状が特徴の病気で、喘息と間違われることもあります。チアノーゼや呼吸数に注意が必要です。具体的には、唇が黒っぽい、顔色がわるいなどの症状や、1分間に60回近くの呼吸(通常は40回程度)が見られた場合には要注意です。

また、RSウイルスの感染は、ママのお腹の中にいる時にもらう免疫では防ぐことができません。特に満50週未満の乳児(生後40週で出生していれば生後10週)の場合は特に注意が必要です。免疫力が弱いことと、呼吸予備能力が弱いため、感染すればそれだけ重症化しやすくなってしまいます。感染には十分に気をつけておきたいところです。

中でも、低出生体重児や先天性心疾患、慢性肺疾患、免疫不全の赤ちゃんは特に重症化しやすいので、注意が必要です。ちなみに、赤ちゃんだけでなく、循環器系の疾患を持つ子供や呼吸機能の弱い老人、慢性肺疾患患者、免疫不全患者においても重症化のリスクは高いとされています。

【医師監修】クループ症候群の症状は? 原因と治療、予防策まとめ

http://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/1070

クループ症候群は喉の腫れによって、息苦しい状態となる症状を指します。特に乳幼児は症状が急変し、呼吸困難なども起きやすいため、きちんと知っておくべき病気です。

こんな時はすぐに受診を

RSウイルス感染症は風邪と似た症状であるため、病院へ行っても風邪と診断される可能性があります。しかし、機嫌が悪い、元気がない、母乳やミルクを十分に飲めていない、熱が下がらない、咳がおさまらないといった場合には、念のため、もう一度受診しておいたほうがいいでしょう。特に咳がひどく呼吸の状態に異常が感じられた時には、速やかに受診するようにします。

過ごしやすくする工夫を

RSウイルス感染症の症状が出ている間は、咳でなかなか眠ることができなかったりするほか、母乳やミルクが飲めないという事もあるので、こまめに授乳してあげるようにしましょう。そのほかには、部屋の加湿に気をつけたり、楽な体位を心がけてあげるなどといった、赤ちゃんが少しでも過ごしやすくなる工夫も大切です。  

RSウイルス感染症の治療方法は?

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ほとんどの赤ちゃんが感染すると言われているならば、気になるのが感染した際の治療方法。また、赤ちゃんがRSウイルスに感染した場合、どのような過ごし方を心がけるべきなのでしょうか?次は、RSウイルス感染症の検査方法や治療方法、過ごし方についてご説明します。

RSウイルス感染症の検査方法

RSウイルスに感染しているかどうかを診断するには、まず鼻水を用いてウイルスの有無をチェックするところから始まります。これは簡易検査で、10分程度で終わるものです。

呼吸困難などがあることが明らかになった場合には、採血検査にて細菌の二次感染の有無などを調べるほか、胸部X線検査で肺炎・細気管支炎の診断を行います。また、レントゲンによる胸部撮影で、気管支炎の検査もします。

どうやって治療するの?

RSウイルス感染症では、症状を軽減するための対症療法を取り入れるケースがほとんど。風邪をひいた時と同様に、水分や睡眠・栄養をしっかり取って保温も行い、安静にして経過を見ます。

発熱に対しては冷却するとともにアセトアミノフェンなどの解熱薬を使用したり、呼吸器症状に対しては鎮咳去痰薬や気管支拡張薬などを用いることがあります。また鼻水、鼻づまりや喀痰に対して鼻水吸引や吸入療法を行うことが、呼吸状態を安定化させるために最も大切です。細菌感染の合併が疑われる際には、抗生剤を使用します。

RSウイルスには抗生物質は効きませんが、二次感染のおそれがあるときは抗生物質を使うことがあります。また、脱水症状や重度の呼吸困難、二次感染が深刻な状態であったりと重症化してしまった場合などには、入院を必要とすることがあります。

RSウイルス感染症の予防方法は?

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RSウイルスは繰り返し感染する可能性があるもの。できる限り、感染しないように予防しておきたいですよね。次は、RSウイルス感染症の予防として有効な方法についてご紹介します。

ワクチン接種はない

RSウイルス感染を予防できるワクチンは、残念ながらありません。つまり、予防接種によるRSウイルス感染症の予防はできないのです。

ただし、厚生労働省によって定められている対象者に関しては、遺伝子組み換えによって作られたモノクローナル抗体製剤「パリビズマブ」を投与することで、感染そのものの予防は完全にできないもののRSウイルス感染症の重症化を予防することは可能です。

ちなみに、投与対象となるのは、次に該当する赤ちゃんです。
・在胎期間28週以下の早産で、生後12カ月以下の赤ちゃん
・在胎期間29〜35週の早産で、生後6カ月以下の赤ちゃん
・過去6カ月以内に気管支肺異形成症の治療を受けた生後24カ月以下の赤ちゃん
・生後24カ月以下で、血行動態に異常のある先天性心疾患の赤ちゃん
・生後24カ月以下で、免疫不全を伴う赤ちゃん
・生後24カ月以下のダウン症候群の赤ちゃん

パリビズマブの投与は、感染が流行し始める段階で始めます。流行期には1カ月ごとに筋肉注射を行います。注射量は、体重によって決められています。

清潔を保つ

まずは、外出した後や感染者の飛散物が付着している可能性のあるものに触れた後にはしっかりと手洗い・うがいをします。また、玩具やおしゃぶりなどといった赤ちゃんが口に入れる可能性のあるものも、常に清潔に保つようにしておきましょう。

人ごみを避ける

感染を予防するためには感染者との接触を避けることも大切です。特に生後6カ月未満の乳児の場合、感染が流行しやすい時期に外出をする際には、なるべく人が多く集まるような場所を避けるなどの注意を心がけましょう。子どもがマスクができるような年齢になったら、外出時にマスクを着用すると安心ですね。

また、RSウイルス感染症は家庭内での感染が多いのも特徴です。周囲の大人が感染源にならないように注意しましょう。そのためには、やはり大人も調理前や食事前、鼻をかんだ後なども手をよく洗い、清潔を保つことが必要になってきます。

もしも家族の誰かに風邪を疑う症状が出た場合には、別の部屋で過ごすようにするなどできるだけ赤ちゃんと接触しないように徹底しましょう。

消毒薬を活用する

RSウイルスは消毒薬に弱いのが特徴です。ミルトンなどの次亜塩素酸ナトリウムや消毒用アルコール、イソジンなどのポピドンヨードを使うのも感染症の予防には効果的です。

まとめ

RSウイルス感染症は、ママの抗体でガードできるものではないだけでなく、有効なワクチンもないので、赤ちゃんの感染リスクがかなり高い病気です。また、感染しやすい事に加え、赤ちゃんの感染は重症化しやすいため、感染の疑いがある際には速やかに病院へ行き、適切な処置をすることが重要になります。

一度感染してもまた繰り返し感染してしまうのも、この病気の厄介な特徴。最大限に感染を避けるために、流行時期は特に、手洗いうがいや感染者との接触を避けることを徹底し、消毒液の活用といった予防策を意識しておきたいところですね。

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