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【医師監修】ホルモンバランスが乱れる原因と7つの症状

【医師監修】ホルモンバランスが乱れる原因と7つの症状

女性ホルモンのバランスの乱れは、女性の体や心にさまざまな不調をもたらします。ここでは、ホルモンバランスが乱れる原因や、それによってどんなトラブルがもたらされるか、ホルモンバランスを整える方法などをご紹介していきます。


この記事の監修ドクター
産婦人科 太田岳晴先生
福岡大学卒業 福岡大学医学部大学院にて学位を所得。 福岡大学病院、飯塚病院、福岡徳洲会病院、福岡大学産婦人科助教を経て、オーク銀座レディースクリニック院長。日本産科婦人科学会専門医。

ホルモンバランスの乱れが引き起こす体調の変化

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ホルモンバランスとは

女性の体は、「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」というふたつの女性ホルモンによってコントロールされています。これらのホルモンは、一定のサイクルで分泌量を変え、生理周期をつくったり、妊娠・出産を可能にしたり、体や心の状態にも影響を及ぼします。

●エストロゲン(生理終了後から排卵期に分泌量が増えます)
受精卵の着床に備えて子宮内膜を増殖させたり、精子が子宮の中に入りやすくするために、排卵前に子宮頸管の分泌物を増やしたりします。また、肌や髪を美しくしたり、乳房を発達させたり、丸みを帯びた女性らしい体つきをつくったりする作用もあり、「女性らしさをつくるホルモン」といわれています。

●プロゲステロン(排卵して次の生理が始まるまでの間に分泌量が増えます)
受精卵が着床しやすいように子宮内膜を整えて妊娠の成立を助けたり、妊娠成立後は、赤ちゃんが育ちやすいように子宮の環境を維持したりするので、「妊娠のホルモン」といわれています。

正常な状態であれば、エストロゲンとプロゲステロンは、生理周期の中で交互に分泌量を増減させ、バランスを保っています。しかし、その分泌量がおかしくなったり分泌のサイクルが狂ったりしてホルモンバランスが乱れると、体や心にさまざな不調が現れるようになるのです。

ホルモンバランスが乱れる原因

女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、卵巣に「女性ホルモンを分泌するように」と司令を出しているのは脳の視床下部と下垂体です。まず視床下部が下垂体に「性腺刺激ホルモン」の分泌するように司令を出し、この性腺刺激ホルモンの刺激を受けて、卵巣は女性ホルモンを分泌するのです。また、視床下部は血液中の女性ホルモンの濃度をチェックし、その分泌量の調整も行っています。

つまり視床下部は、女性ホルモンを分泌する司令塔にあたるわけですが、ここには周囲の状況に応じて体の機能を自動的にコントロールする「自律神経」の司令塔もあります。このため、不規則な生活や睡眠不足、偏った食生活、過度なストレスなどの影響を受けて自律神経が乱れると、その乱れがホルモンの司令塔にも影響し、ホルモンバランスが乱れてしまうのです。

年齢にも関係が

女性ホルモンは、思春期になると活発に分泌されるようになっていきます。しかし、この時期はまだ卵巣の機能が未熟なため、ホルモンバランスをうまく調整できず、体や心が不安定になりがちです。
また、閉経前後(更年期)になると、卵巣機能が徐々に衰えてエストロゲンの分泌量が急激に減っていきます。体がその変化にうまく対応できず、更年期もさまざまな不調が現れるようになります。

女性ホルモンの乱れで起こりやすい7つのこと

女性ホルモンのバランスの乱れると、次のような不調が現れることがあります。

生理不順

正常な生理周期は25〜38日とされていますが、ホルモンバランスが乱れると、生理周期が短く24日以内で次の生理が始まってしまう「頻発月経」、または月経周期が39日以上に長くなる「稀発月経」になることがあります。また、ホルモンバランスの乱れは、正常なら3〜7日で終わるはずの生理が8日以上も続く「過長月経」、生理が2日以内で終わってしまう「過短月経」、妊娠しているわけでもないのに生理が3ヶ月以上止まってしまう「無月経」を招くこともあります。

生理痛

生理中は、子宮を収縮させて月経血を体外に押し出すために、子宮内膜から子宮を収縮させる働きをもつ「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。ホルモンバランスが乱れていると、このプロスタグランジンが通常よりも多く分泌され、子宮が激しく収縮して生理痛が強くなることがあります。ただし、強い生理痛には、「子宮内膜症」や「子宮筋腫」などの病気が関係しているケースもあります。

PMS(月経前症候群)

PMS(月経前症候群)とは、生理が始まる1週間くらい前から心や体に現れる不快な症状のこと。イライラ、不安、落ち込み、憂鬱、集中力の低下、頭痛、腰痛、肩こり、乳房の張りや痛み、眠気、肌荒れなどその症状は多岐に及び、人によって現れる症状も異なります。

不正出血

不正出血とは、生理でないときに起こる子宮内部や膣からの出血のこと。ホルモンバランスが乱れたことで、子宮内膜が刺激され、剥がれ落ちることで起こります。ただし、不正出血は、「子宮頸管ポリープ」や「子宮内膜ポリープ」、「子宮筋腫」、「子宮がん(子宮頸がん・子宮体がん)」などの病気によっても起こることがあります。不正出血は数日間で止まれば様子をみてもいいですが、長く続いたり頻繁に起こるときは病院を受診することをお勧めします。

自律神経失調症

ホルモンバランスが乱れると、自律神経にもその影響が及び、だるさやめまい、ふらつき、発汗、動悸、偏頭痛、食欲不振、下痢や便秘、不眠、手足の冷えなどといった自律神経失調症の症状が現れることがあります。

不妊

プロゲステロンの分泌量が減ると、排卵後に子宮内膜が分厚くなりにくくなる「黄体機能不全」に陥ることがあります。

また、出産後に乳汁が出るようになるのは、下垂体から分泌される「プロラクチン」というホルモンの影響ですが、このホルモンには、産後にすぐ妊娠することがないように排卵を抑制する作用もあります。このため、このプロラクチンが異常に分泌される「高プロラクチン血症」になると、生理があっても排卵はしていない「無排卵」になってしまいます。

更年期障害

「更年期障害」は、加齢による卵巣機能の低下でエストロゲンの分泌量が急激に減り、ホルモンバランスが乱れたことで、ほてり(ホットフラッシュ)、のぼせ、めまい、動悸、不眠、イライラなど、さまざまな症状が現れることを指します。

女性ホルモンを乱さないための対処法とは

ホルモンバランスを整えるには

ホルモンバランスを整えるには、規則正しい生活を送ることが大切です。朝起きる時間を一定にする、十分な睡眠をとる、食事は1日3食規則正しく食べる、適度な運動をするといったことを心がけ、体のリズムを整えていきましょう。

また、過度なストレスもホルモンバランスを乱す大きな要因になります。意識的にリラックスする時間を持つようにしたり、没頭できる趣味を見つけたりするなど、ストレスを溜め込まないように工夫をしましょう。

漢方やサプリでも改善できる

ホルモンバランスを整えるには日々の生活習慣を改善していくことが基本となりますが、仕事や家事で慌ただしい生活を送っている人にとってはなかなか難しいかもしれません。そんな場合は、漢方薬やサプリメントを活用してみるのもよいでしょう。

漢方薬

西洋医学では、体を臓器や組織の集合体ととらえ、病気は、そのどこか一部分の異常によってもたらされると考えます。このため、検査をして病気の原因を特定し、そこを切り取ったり、正常に戻したりすることで症状を改善しようとします。

一方、漢方をはじめとする東洋医学では、体を全体としてとらえる特徴があり、病気や心身の不調は、体内のバランスの乱れによってもたらされると考えます。そこで、漢方薬などを用いてバランスを整え、その人が本来持っている自然治癒力を引き出すことで、症状を改善していこうとするのです。

女性ホルモンの乱れは、「なんとなく調子が悪い」といった漠然とした不調をもたらしたり、イライラ、頭痛、腰痛、肌荒れなど、心や体に複数のトラブルを同時にもたらしたりします。このため西洋医学では、原因を特定しづらかったり、症状ごとに治療が必要になったりする場合がありますが、東洋医学では、全体のバランスを整えることを目的とするため、むしろこういった不調こそが得意分野になるのです。

女性ホルモンの乱れからくる婦人科系のトラブルに用いられる代表的な漢方薬には、次のものがあります。

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)…血の巡りをよくする作用があり、生理にともなう下腹部痛、腰痛、頭痛、肩こりなどの症状の改善に効果があります。

・加味逍遥散(かみしょうようさん)…気(エネルギー)の巡りをよくして緊張を和らげる作用があり、イライラや憂鬱など、心の症状の改善に役立ちます。また、のぼせや不眠、肩こり、下痢、便秘などの症状がある場合にも用いられることがあります。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)…血の巡りをよくして、体内の余分な水分の排出を促す作用があり、むくみやめまい、疲れやすいといった症状の改善に効果的です。

ただし、漢方薬の処方は、その人の状態や体質に合わせて行われるので、同じように見える症状でも、人によって処方される薬が変わってきます。

サプリメント

体に必要な栄養素は、日々の食事から摂取するのが一番ですが、食事だけでは、どうしても摂りきれないという場合は、サプリメントを補助的に使ってみましょう。女性ホルモンのバランスを整えるのに役立つとされる栄養素には、次のものがあります。

・イソフラボン…体内でエストロゲンと同じような働きをすることがわかっています。

・ビタミンE…プロゲステロンの材料になるとともに、ホルモンの分泌やバランスを整える作用があるといわれています。また、血管を拡張させて血行をよくする作用もあるので、冷え性や肩こりを改善する効果も期待できます。

・ビタミンB6…エストロゲンの代謝に関わるとともに、神経伝達物質の合成にも関係するので、PMSの症状の緩和に役立つといわれています。

ひどい時は病院で診断を

生理不順や生理痛、PMSなど、辛い症状に悩まされている人は、自分だけでなんとかしようとせず、一度婦人科を受診してみましょう。婦人科の病院というと、恥ずかしくて行くのをためらってしまう人も多いかもしれませんが、病気が関係していた場合も、早期発見が重要になります。また婦人科では、低用量ピルを使って、ホルモンバランスを安定させ、不快な症状を改善する治療も行っています。

生活習慣、食事の改善でも症状が変わらないときや、症状が辛くてすぐに改善したいときはピルを飲むことをお勧めします。ピルは本来、経口避妊薬ですが、避妊以外にも生理痛、PMSを抑える効果があります。さらにピルを飲んでいるときは排卵しないため将来妊娠を希望する時期になったとき卵子を少しでも多く残しておける可能性があります。ピルを飲まなければ毎月無駄に排卵し無駄な生理痛で苦しんでいるのです。生理痛を我慢してもいいことは何もありません。

最近の低用量ピルは昔のピルと比べて副作用は殆どなく、たとえ多少の副作用があったとしてもその効果のほうかはるかに大きいと思われます。

食生活の見直しも

ホルモンバランスを整える食事とは

女性ホルモンのバランスを整えるには、食事を規則正しく摂るだけでなく、その内容も見直すことが大切です。栄養バランスの良い食事を心がけたうえで、イソフラボン、ビタミンB6・Eを積極的に摂るようにしましょう。

イソフラボンは、納豆や豆腐、厚揚げ、豆乳などの大豆製品に、ビタミンB6は、カツオ、マグロ、鮭などの魚類に、ビタミンEは、かぼちゃ、アボガド、パプリカ、ごま、ナッツ類などに多く含まれています。

ホルモンバランスを乱す原因の食事とは

反対に、次のような食生活は、ホルモンバランスを乱す原因になります。思い当たるものがある人は、さっそく改善していきましょう。

・食事をする時間が日によってバラバラ
・朝食を抜くことが多い
・インスタント食品やファーストフードをよく食べる
・甘いものを食べ過ぎる
・コーヒーや紅茶など、カフェインの入ったものをよく飲む
・カロリーを気にして肉や魚を控えている
・食事制限だけに頼るダイエットをよくする
・1ヶ月に3kg以上落とすようなダイエットをしたことがある

まとめ

女性ホルモンの乱れは、「なんとなく調子が悪い」「なんとなく気分が憂鬱」といった不定愁訴から、生理のトラブル、不妊など、さまざまな不調をもたらします。生活習慣や食生活を改善し、女性ホルモンのバランスを整えるようにしましょう。

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