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【医師監修】子どもの水いぼの原因と感染経路は? 予防と治療法

【医師監修】子どもの水いぼの原因と感染経路は? 予防と治療法

子どもの皮膚に、肌と同じ色をした丸くツルッとしたブツブツができているという場合は、「水いぼ」かもしれません。ここでは、水いぼができる原因や感染経路、水いぼができたときの治療法や対処法などをご紹介していきます。


この記事の監修ドクター
皮膚科 桑原香織 先生
東京医科大学卒業後、同大学病院にて経験を積み、現在は立川皮膚科クリニックに勤務。女医+(じょいぷらす)所属
http://tachikawa-derma.com/

水いぼって何?原因は?

そもそも水いぼってどんな病気?

水いぼは、正式には「伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)」と呼ばれ、伝染性軟属腫ウイルスの感染によって起こる皮膚疾患です。1〜6歳の子どもに多く見られ、特にアトピー性皮膚炎や、皮膚が乾燥してカサついていたりする子がかかりやすい傾向があります。

水いぼの症状とは?

伝染性軟属腫ウイルスに感染すると、2〜7週間ほどの潜伏期間を経て、直径2〜5mmくらいの丸いブツブツができますが、痛みやかゆみはありません。このいぼは、皮膚と同じような色をしており、数個から数十個が集中してできるのが一般的です。また、表面はツルツルして光沢があり、中央がえくぼのように凹んでいます。

水いぼを潰すと、中から白いお粥のような内容物が出てきますが、この内容物には、ウイルスがたくさん含まれています。このため、内容物に触れた手で周囲の皮膚を触ると、そこにもブツブツができ、どんどん広がってしまうのです。

また水いぼは、頭髪のある頭、手のひら、足の裏以外なら、全身のどこにでもできますが、特にひじやひざの裏側、わき腹、胸、わきの下、股などに多く見られます。

水いぼの感染経路は?

水いぼの感染経路は「接触感染」で、ウイルスが付着している肌に肌が触れたり、感染している子が使ったタオルなどを介して、ほかの子にも感染します。

ただし、私たちの肌の表面には、ウイルスなどの侵入をブロックする「角質層」というバリアがあるので、肌の表面にウイルスが付着しただけなら、水いぼに感染することはありません。皮膚表面に微小な傷があるときにウイルスに触れ、その傷口から肌の中にウイルスが侵入することで感染してしまうのです。アトピー性皮膚炎や乾燥肌の子が水いぼにかかりやすいのは、バリア機能が低下していて傷つきやすい傾向があるからです。

水いぼは自然に治るの?治療法は?

時間はかかるが自然消滅する

水いぼは、ほとんどの場合、伝染性軟属腫ウイルスに対する免疫が体にできれば、自然に治っていきます。しかし免疫ができて治るまでに、一般的に半年から1年、長ければ2〜3年はかかるといわれており、その間にいぼを潰してしまうと、どんどん増えたり、大きくなったりすることがあります。また、ほかの子にうつしてしまう可能性もあるので、水いぼができていることに気づいたら、早めに小児科や皮膚科を受診したほうがよいでしょう。

病院ではどんな治療をするの?

水いぼの治療法には、さまざまなものがあると言われていますが、一般的には、次のような治療も行われます。

1つずつ摘む方法

特殊なピンセット(トラコーマ鑷子)を使って水いぼを1つずつ摘み、中の白い内容物を取り除いていきます。確実に水いぼを除去できる治療法ですが、かなりの痛みをともなうので、局所麻酔のテープを貼ったうえで処置を行います。数が多くなる前に取るのがポイントです。漢方薬を使った治療法もありますが、手や足にできるいぼ「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい):ヒト乳頭腫ウイルスによるもの」には効くと言われていますが、ポックスウイルスに属する伝染性軟属腫ウイルスの感染によってできる水いぼには抑制効果は実証されていません。

水いぼができたら保育園は休むべき?プールは?

保育園を休む必要はない

水いぼは、感染力が非常に強いのが特徴ですが、子どもがかかってしまった場合は、ほかの子にうつさないために、保育園を休ませたほうがよいのでしょうか?

感染症の中には、「学校感染症(学校において予防すべき感染症)」といって、医師が感染の恐れがないと認めるまでは、感染の拡大を防ぐために、保育園や幼稚園、学校を休まなくてはならないと法律で定められているものがあります。

水いぼは、学校感染症の中の「その他の感染症(必要があるときに限り、校長が学校医の意見を聞き、第三種の感染症としての措置を取ることができる感染症)」に含まれていますが、感染しても、出席停止の必要はないとされています。

プールには入って大丈夫?

水いぼは、接触感染するので、露出した肌が触れ合いやすいプールで感染することがよくあります。ただし感染するのは、プールの水を介してではなく、ウイルスが付着している肌と肌が直接触れたり、タオル、浮輪、ビート板などを共有したりすることからです。

ですから、露出している部分にできた水いぼをラッシュガードやパッチで覆うなどの処置をしておけば、プールに入っても、基本的に問題はありません。しかし、保育園、幼稚園、学校などによっては、二次感染を防ぐために、水いぼに感染している子のプールの利用を禁じているところもあるようです。プールに入っても問題ないかどうか、まずは先生に相談してみるとよいでしょう。

水いぼの感染を防ぐにはどうすればいい?

他者への二次感染を防ぐためには?

水いぼを掻きむしらない

水いぼを掻き壊してしまわないように、爪を短く切っておきましょう。

プールを利用するときの注意

肌が露出している部分にできた水いぼを覆う処置をしましょう。また、プールの前後にシャワーでよく肌を洗い流すことと、タオル、浮輪、ビート板などを共有しないことも大切です。

入浴時の注意

お風呂は、ほかの兄弟姉妹と別々に入り、タオルを共有させないようにしましょう。また、タオルなどでこすって水いぼを壊してしまわないように、水いぼの部分は手で洗うようにし、体を拭くときも上から軽く押さえるようにして拭きます。

根気よく何度も通院して完治を

水いぼには、2〜7週間ほどの潜伏期間があるので、治療が終わってからも、潜伏していた水いぼが新しくできてしまうことがあります。「治療をしたから大丈夫」と油断せず、よく観察して、新しい水いぼが見つかったら、根気よく通院し、完治させるようにしましょう。

水いぼに感染しないように予防するには?

肌の保湿をしっかり

肌が乾燥してバリア機能が低下していると、水いぼができやすくなってしまいます。夏場でもお風呂上がりに保湿用ローションを塗るなど、肌の保湿を心がけましょう。

プールで気をつけること

プールでは、タオルや浮き輪、ビード板などをほかの子と共有させないようにしましょう。またプールが終わったら、しっかりシャワーを浴び、肌をきれいにすることが大切です。

まとめ

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水いぼは、いつかは必ず治る病気ですが、潰してしまうと、全身に広がったり、ほかの子にもうつしてしまったりする可能性があります。もし水いぼかもしれないというブツブツができていたら、なるべく早く病院を受診しましょう。治療には痛みをともないますが、数が少なければ、それだけお子さんが治療で受ける苦痛も少なく済むでしょう。

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