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【医師監修】発達障害児の6つの特徴と診断方法とは?

【医師監修】発達障害児の6つの特徴と診断方法とは?

発達障害児とは、健常児と比べて特徴的な発達の仕方をする子供たちのこと。早期の介入や支援サポートが必要となるものの外見的にはわからず身近な母親などの直感に委ねられ発見される場合もあります。けして迷惑でも特別ではないけして迷惑でも特別ではない「発達障害」の個性についての理解を深めていきましょう


この記事の監修ドクター
わだ小児科クリニック 和田直樹先生
これまで30年余りの病院小児科での経験をいかして お子様の健康と病気全般を扱うクリニックにしてまいりたいと思っています。また背の低い子供の診療も積極的に取り組んでいきたいと思っています。
わかりやすい説明をモットーに子供たちの頼れるかかりつけ医をめざしています。日々お母さんたちが抱いている疑問や悩みについても気軽にご相談ください。
http://www.wadaclinic.com/

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近ごろ発達障害と診断されるケースが増えてきたといいます。これは発達障害児が増えてきたというよりは、発達障害の認識が昔よりも増えたため。地域の子育て支援センターや保健センターが「育てにくいと感じる子」のための相談窓口を開いており、少し前なら「様子を見ましょう」とされていたような小さな悩みにも耳を傾け、必要とあれば専門機関へと橋渡ししてくれます。「確かに育てにくいけど、まさかうちの子に限って……」と、親である誰もが可愛いわが子を思って悩んでいるもの。こちらでは発達障害の種類、発達障害児の特徴、診断方法、そして診断後の治療についてご説明いたします。正しい知識を持ってお子さんを見守っていきましょう。

発達障害児ってどんな障害なの?

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育てにくいとされる特徴を抱えた発達障害児の「発達障害」とは、個性の延長線上にあるものを指しています。世の中で発達障害と呼ばれているものを大きくわけると、自閉症・アスペルガー症候群などの「広汎性発達障害」、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)ののタイプに分類されています。育てにくい子という印象の「発達障害」とは、外見的には何ら問題がないようでも「脳の働き方に強い個性があり、物事のとらえ方や行動に目立った違いが生じるために日常生活に困難さがある状態」です。個性がひときわ大きく、関わる側の理解が必要とされます。そのため細かい配慮や支援を必要とする子供の個性の特性を医学的に分類し、可能な限り把握しやすく説明しようとしたのが「発達障害」という総称であるといえます。

発達障害の原因

発達障害の原因は先天的な脳機能の障害とされていることがありますが、脳のどの部分がどのようになっているかは具体的には明らかにされていません。ですがはっきりと「脳の働き方である」とされています。発達障害のある子供には自分勝手と思われてしまうことや「親のしつけの問題」とされてしまうことが多く、周りから責められる、または親自身が自分を責めてしまいがちです。発達障害はしつけや育て方などが原因ではなく、もちろん本人のやる気のなさでもないということを、よく理解しましょう。

発達障害の特徴

発達障害の特徴は以下であるといわれています。

・身体的なハンデを抱えているわけではない場合が大半、外見上わかりにくい。
・専門的な療育などの治療でやわらげることが出来、程度により一般的な生活も可能になる。
・早期発見・早期治療開始が大切。
・その障害は年齢とともに現れてくる。
・本人の努力だけでは成長、改善できない部分もある。
・障害の程度は緩和することはできるが、一生涯にわたり継続すると言われている。

3つに分類される発達障害の種類

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日本で発達障害などの診断が行われるときは「診断基準」を指標のひとつとして慎重に行います。主に用いられる診断基準は、世界保健機構(WHO)が発行しているICD-10とアメリカ精神医学会が発行しているDSM-5の2つ。発達障害は、発達障害者支援法により定義付けられており、日本では世界保健機関(WHO)のICD-10(国際疾病分類-第10版)の基準に準拠するとされています。ICD-10での発達障害は主に「広汎性発達障害(こうはんせいはったつしょうがい)」「学習障害(LD)」「注意欠陥多動性障害(ちゅういけっかんたどうせいしょうがい・ADHD)」の3種類に分類されています。

一方のDSM-5は、2013年にアメリカ精神学会により発刊された新しい基準です。私たちが診察や診断を受ける時はこちらでの区分や名称を耳にすることも多いでしょう。こちらで新たに誕生した「自閉症スペクトラム障害」は自閉症やそれによく似た特製のある発達障害の一群を呼ぶものです。「スペクトラム」が「連続体」という意味であるように、その症状のあらわれ方は強いものから弱いものまで連なっていて個人差も大きいため、線引きをしないという考え方をしています。レット障害を除いて広汎性発達障害と自閉症スペクトラム障害はほぼ同じ内容を指しています。またICD-10で「学習障害」とよばれていたものは、DSM-5では「限局性学習症/限局性学習障害」と名称変更されています。

現代の主な発達障害の種類とは

■広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)
≪自閉症スペクトラム障害(ASD:Autism Spectrum Disorder)≫
細かな分類はせずレット障害と小児期崩壊性障害以外の全てを含む
≪・自閉症
≪・アスペルガー症候群
≪・特定不能の広汎性発達障害
≪・高機能広汎性発達障害 広汎性発達障害の中で知的障害を伴わない(IQが70以上)
・(レット障害)
・(小児期崩壊性障害)

■学習障害(LD:Learning DisordersまたはLearning Disabilities)
≪限局性学習症/限局性学習障害(SLD:Specific Learning Disorder)≫
・読むことが苦手
・書くことが苦手
・聞くこと話すことが苦手
・計算が苦手
・予測や推測が必要な課題が苦手

■注意欠陥・多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)

※知的障害は発達障害者支援法では発達障害には含まれませんが、自閉症の中には知的障害を伴う人もいます。主な3種類にはあがっていないものの他にも発達障害とされるものは存在しており、主な3種類と併発している場合も多くあります。

発達障害児に見られる6個の特徴

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安易に発達障害だと決めてかかり偏見を持つことは良くありませんが、早期発見をすること、早期の対処へと結びつけていくことは、発達障害を持つその子本人の生活のしづらさや苦しみに気づき、適切にケアしてあげられるという意味でとても大切です。まずは発達障害と考えられるお子さんの特徴を確認していきましょう。後半は発達障害の種類ごとに特徴をご紹介します。

人とのかかわり・コミュニケーションが苦手

・視線が合わない、声をかけても視線を合わせようとしない。
・指差しをしない。
・人に物を取ってもらいたいときは手を掴んで訴えてくる(クレーン現象)
・後追いがない。
・人見知りがない。人なつっこく親から離れてどこにでもいってしまう。
・あまりにも手がかからないと感じる。
・言葉の育ちが遅い、オウム返しばかりする。
・3歳くらいまで順調に言葉が発達していたのに、急に何も話さなくなった。
・話が急に一方的にはじまり、聞き返しても会話が成立しない。
・遊んでいる友達に迷惑をかけ、友達とトラブルになってばかりいる。

興味のこだわりが強く、偏っている

・人と関わらず、1人で集中して遊ぶ。
・単語ばかり覚えすぎる。
・限られたものに興味を持ち、やたらと執着する。
・順番・ルールが守れない。自己流のやり方や手順に固執する。
・予定の変更が苦手で、急な変更はパニックになる。

感覚が両極端、動きがぎこちない

・抱かれることを嫌がる、反り返ってしまって抱っこしづらい
・触られることを嫌がる。手をつなぐのが大変。
・歯磨き・爪切り・耳掃除が嫌がってできない。毎回親が工夫を強いられる。
・服のタグが気になって許せない。
・手袋・砂・泥の感触が嫌い、苦手。
・お風呂やシャワーを嫌がる、怖がる。
・オムツが取れない。濡れた感覚に鈍感な様子で、お漏らししても平気。
・偏食がひどく、決まったものしか食べない。
・言葉以外の小さな音に過剰に反応する。
・ある特定の音をとても嫌がる。
・歩きはじめた年齢・月齢が遅い。歩き方がぎこちない。
・体の使い方がぎこちなく、運動全般が苦手。
・手先が不器用で制作などの作業が困難。
・夜なかなか眠れない、朝起きられない。
・瞬きの回数がとても多い・首振り・肩上げなどのチックの症状がある。

不注意

・やりかけ、やり途中が多い。
・着替えが出来ない、なかなか進まない。
・全く片付けられない。忘れ物が多い。
・興味のないことに注意を持続させることが難しい。
・同じミスを繰り返す。

多動性・衝動性

・落ち着いて食べられない、座っていられない。
・目的もなくひたすら部屋の中をぐるぐる回る、とにかくじっとしていられない。
・待っていられない。
・集団行動、集団場面が苦手で行事に参加できない。
・不安を感じたときなど、「泣き叫ぶ」が度を超えている。暴れる。
・要求が通らなかったときに感情が抑えられない。

学習面での困難がある

・文章を読むことが難しい。
・横書きは読めても縦書きは読むのが難しい。
・文字を上手く書けない、筆圧が弱すぎる、鏡文字になってしまう。
・算数・計算が苦手。

各発達障害の種類ごとの特徴

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自閉症

自閉症は「発語や会話・コミュニケーションの困難」「特定の物や事への興味・こだわり」「繰り返し行動」など様々な症状を持っているのが特徴の発達障害の一つです。自閉症というその名前から「引きこもり」や「無口」「親の育て方の問題」などと誤解されがちですが、先天的な脳機能の障害が原因とされています。自閉症の症状は軽いものから、重度の知的障害を伴うものまで幅が広く、人それぞれです。15%から20%の人は癲癇(てんかん)発作の症状を持っているといわれており、癲癇を引き起こすと思われる脳波を持つ人は50%近くいるといわれています。

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群とは、自閉症の中でも知的障害や言語障害を伴わない場合で、 コミュニケーションの困難さや特定の物への興味や活動を特徴とする症状です。知能面で問題が無いことから発見が遅れ、社会人となってから問題が発生してアスペルガー症候群である事を知るといったことも多くあります。特定分野への記憶力や集中力に目を見張るものがあり、コミュニケーション能力の不足から自分勝手ととられる、相手を攻撃するほどに論破するも的を得ない発言、場の空気が読めないなどが特徴です。

特定不能の広汎性発達障害

非定型自閉症と同じもので、(PDD-NOS:Pervasive Developmental Disorder - Not Otherwise Specified )と呼ばれています。「特定不能の広汎性発達障害」という診断は、自閉症やアスペルガー症候群とされる判断材料である「社会性が乏しい」「コミュニケーション能力が極めて低い」「想像力の欠如」などは満たさないまでも何かしら問題を抱えている場合に診断されます。しかしながら自閉症と関係が深く「自閉症の発症年齢が合わない」「自閉症の発症年齢が合っていても症状が非常に軽度」「症状や発症年齢が条件を満たさない」の3種類に分類されて診断される場合も多くあり、アスペルガー症候群の非常に軽度な症状の場合にもこの診断がくだされる場合があります。特定不能と名がつくように、その診断は専門医でも難しく、有効な治療法が見つからないなどの問題があります。

高機能広汎性発達障害 

広汎性発達障害の中で知的な遅れの見られない、IQが70以上の場合に、高機能広汎性発達障害と呼ばれます。高機能自閉症と同じとされるアスペルガー症候群と同様、知的障害がなければ本人の抱えている問題も軽いとは限らず、その苦しみは測れるものではありません。

レット障害

レット症候群とはX染色体のMECP2遺伝子の突然変異によって引き起こされる発達障害です。主に知能・言語・運動能力の遅れ、ある動作の繰り返し行動などが見られ、手足が小さいなども特徴です。男性は遺伝子的に発生時に死産となってしまうため、女性に発生するものとされています。80%近くの人は癲癇(てんかん)発作を持っているといわれています。

小児期崩壊性障害

小児期崩壊性障害(CDD:childhood disintegrative disorder)とは、 少なくとも2年間の年齢相応な発達の後に出現する障害です。2~5歳で言語能力の後退や崩壊がみられはじめ、その後も言語、遊び、社会的・適応的行動、排便・膀胱コントロール、運動能力の障害が起こり、6ヶ月程度でその症状が平衡に達します。予後は何らかの中等度精神遅滞や自閉症と類似の臨床症状を残します。神経学的疾患との関連があるかもしれないとされながらもその原因はいまだに不明で、小児の0.005%に発症し、男性はその発症率が4~8倍多いとされています。

広汎性発達障害(PDD:pervasive developmental disorders)/自閉症スペクトラム(ASD:Autistic Spectrum Disorder(s))

こだわりが強く人とのコミュニケーションが取りづらい一方で、まじめ・約束を守る・きちんとしているといった印象であることが多くあります。特定の感覚が以上に過敏・または鈍感、想像力の障害も見られる場合が。言葉が遅い・オウム返しや単語だけで話そうとする。いつも同じ服を着る。くるくると回る、手のひらをひらひらさせるなどの行動が多い、などが特徴です。記憶力がずば抜けて良いなどの能力を発揮する子もいます。

学習障害(LD:Learning DisordersまたはLearning Disabilities)/限局性学習症・限局性学習障害

基本的に知的発達の遅れがないものの、読み・書き・聞く・計算するなどのある特定分野においての習得が困難なため、その発見が遅れる傾向にあります。多くは就学以降に明らかになるケースですが、幼児期から実は形の認知が出来ていなかった、大人の説明がわからなかった、などつらい思いをし続けている子がたくさんいます。ASDやADHDと併発する場合も多く、社会性の困難さや不器用な面が学習の困難性をより強いものにしていることがあります。

注意欠陥・多動性障害(AD/HD:Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder)

年齢相応に不釣り合いな注意力や多動・衝動的な行動が主な特徴。7歳以前にいくつかの症状がみられ、家庭や学校生活でいろいろな困難をきたしていく行動・状態が続きます。AD/HDをもつ子供の脳は、中枢神経系に何かしらの機能障害があると考えられています。

発達障害の診断方法

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もしお子さんが発達障害かもしれないと気がかりに思うのであれば、1歳半健診や3歳児健診での発達状態のチェックを待たずに早めに専門の機関である児童相談所、児童精神科や小児神経科などの専門外来に相談しましょう。最終的に発達障害検査の検査結果により診断名を下すのは児童精神科や小児神経科の一部の医師です。もう少し様子をみるようにと言われることもよくあることですが、受診したいと思った時に取れる予約が半年待ちである場合もあります。その診断方法は脳波やMRIといった生理学的な検査ではなく、問診や本人の様子をメインに医師が慎重に診断基準と照らし合わせ、決定していきます。早い段階でその症状の特徴に気づき、適切な治療をはじめることで、症状の改善・緩和を早めることが出来、お子さん本人の人格を守ることにもつながります。親のその行動がマイナスに働くことはありません。

診察時に持参するとよい物

・指定の問診票(ある場合は記入しておきましょう)
・母子手帳
・成育歴や病歴の書かれたもの(各種検査結果、お薬手帳など)
・園の連絡帳、学校の通知表
・親がつけている育児日記
・気になる表情や行動が見られる写真、アルバム、ホームビデオ
・絵や工作物などの本人の作品、ノート
・発達検査の結果や紹介状(先に別の機関で得た情報があれば持参しましょう)

医療機関で診断するうえでは、診察室でのその子の様子や親からの話を手掛かりに、生育歴、その過程のライフスタイルや困難さの聞き取りをし、診断基準に基づいて総合的な判断を下していきます。何度も面接を繰り返し、経過観察を経てからようやく診断名が付きます。ただし、一度ついた診断名が年齢を追って変わっていく場合も多くあります。発達障害を診療できる専門の医療機関はまだまだ少なく、お子さん的にも親側にとっても担当の医師との相性が大切です。地域の「発達障害者支援センター」などに相談をして、根気強く納得のいく医療機関を探すようにしましょう。

地域で発達障害が相談できる場所

【子どもの場合】
・保健センター・子育て支援センター・児童相談所・児童発達支援事業所・発達障害者支援センター

【大人の場合】
・発達障害者支援センター・障害者就業・生活支援センター・相談支援事業所

生まれてすぐに診断されるものではありません

発達障害は適切な治療や支援によって緩和され、現れづらくなりますが、先天的に脳の働きが特徴的であるという状態のため、根本的に改善・完治するものではなく、生涯その特徴は続くと言われています。目に見える障害ではないことから、生後すぐに診断がおりるものではなく、各障害によって診断を受けられる時期も違います。

各発達障害の診断を受けられる時期

「広汎性発達障害(PDD)・自閉症スペクトラム障害(ASD)」は早くて1歳半頃にその疑いがかかり、3歳以降に正式に診断されます。「注意欠如多動性障害(ADHD)」は4歳以降。「学習障害(LD)・限局性学習症 / 限局性学習障害(SLD)」は本格的に学びの場に身を置いてから判明していくので、小学校以降にその診断を受けます。周囲にその特性を気づかれることもなく、診断されることもなく、適切な治療や支援を受けずに成長し、学齢期や大人になってひどく悩み、自ら診断を受ける人もいます。診断が早いほど重度ということではなく、早くに診断が下ったことで何か生きづらくなるということはありません。いち早く発達障害を持つ子供や人のそれぞれにあった環境と支援体制を整えることが、その本人の苦しみを軽減させる手立てとなります。

もし我が子が発達障害と診断されたら

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発達障害を克服・完治させるような方法や薬は今のところ存在しません。発達障害と診断されたら症状をいかに緩和するかに重点を置いて、まずはお子様へどのような支援ができるのかを確認し療育を開始しましょう。その子の障害を理解し、適切な接し方や環境を整え、療育という治療を受けることによって、本人が生きやすくなります。薬物療法は自傷他傷行為、多動、興奮、パニック、不眠、執着などの症状を抑えるために対症療法として用いられますが、発達障害自体を治療するものではありません。あくまで療育を効果的に、や日常生活を円満に過ごせるようにするものとして使われます。

発達障害を受け入れる・環境調整をする

発達障害は「強い個性」であることには違いないのですが、しっかりと周りが配慮していく必要があります。どうしても本人の努力だけでは成り立たない部分もあります。成長や改善を期待する気持ちを親が押し付けないこと、無理を強要しないこと、環境の方を整えていくことに意識を向けることが重要です。

治療ではなく「療育」を通して「指導」を受けていく

療育は本人の持ち味を生かしつつ、その力を引き出し、子ども自らがその行動をコントロールして充実した生活を送れるよう導いていく「社会的な自立支援」です。必要であれば親へのその子の関わり方の指導も行われます。療育はただその症状を抑える、扱いやすい子どもにしようと仕向ける、といったことが目的ではなく、その子に合わせた援助を総合的に行います。プログラムが組まれた療育の通信教育などもありますが、あくまで「本人に合った療育」が行われることが大切です。発達障害を抱える子供たちは褒められる機会が極端に少ないことも特徴であるため、成功体験を重ねることで本人に必要な自信を十分に持たせてあげることも療育の担う重要な役割の一つとなっています。

さまざまな専門家を信頼しましょう

療育機関には施設によってさまざまな専門家がその子のための支援計画に基づいて指導にあたります。「作業療法士(OT)」は遊びや作業を通して基本的な生活動作、運動、不器用さのための指導を行います。「理学療法士(PT)」は基本的な運動機能である立つ・歩く・座るなどの発達を促し、必要な指導と相談に応じます。「言語聴覚士(ST)」は言葉の発達や発音、聞こえなどに心配のある子供への指導をします。そしゃくや嚥下機能の発達を促す指導にもあたります。「臨床心理士(CP)」は情緒面に心配のある子や発達の偏りを抱えている子供の相談を受け、幅広いフォローと指導を行います。

「療育」の具体例

施設によってそのプログラムは異なりますが、大きく分けると、専門スタッフと本人が1対1で行われる「個別療育」と、専門スタッフ1人に対して発達障害を抱えた子供が2人以上で行われる「グループ療育」があります。3歳以下の場合は親同伴の個別指導で、様子を見ながら親から離れて指導を受け、グループ療育へとシフトしていく場合が多いようです。「個別療育」では言葉・手先を使った作業・全身運動など、その子の苦手とされる分野や伸ばしたいところに合せたプログラムを組みます。「グループ療育」ではグループでルールのあるゲームや協力が必要になる遊びなどを通して社会性を身に着けていきます。

正しい理解と対応で二次障害を防ぐ

発達障害を持つ人の二次障害とは、周囲の誤解や間違った対応による自信の喪失などから、不安障害、不登校、ひきこもり、うつ状態などを併発することをいいます。大きくなってからアルコールなどの依存症を発症する場合も見られ、発達障害を持つ人に適切な支援や対処をせずにいるとコミュニケーションがうまく取れずに孤立してしまったり、症状が悪くなったりと、新たに問題を抱えてしてしまいます。これは周囲の対応や環境によって生じる後天的な障害で、正しい理解と適切な支援があれば防げるものばかりです。

まとめ

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発達障害児の特徴や種類、診断方法、その後の療育についてご紹介しました。発達障害は一時期よりは周知されてきているものの、日本ではまだまだ理解が追いついていないのが現状で、世界的にも未だその原因の神髄や根本的な治療法に結論が出ていません。本人だけでなく家族も悩まされている場合が多く、早期発見・早期療育開始が求められる背景には悩んでいる親御さんを追い込まないための配慮も含まれています。心配をすること、その声を上げることはけして恥ずかしいことではありません。必要なサポートの元、本人と母親、父親などのその家族が毎日笑顔で過ごせるよう、発達障害児への理解を深めて行動していきましょう。

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