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【医師監修】赤ちゃんのおたふくかぜは合併症の恐れも? 予防接種のすすめ

【医師監修】赤ちゃんのおたふくかぜは合併症の恐れも? 予防接種のすすめ

子どもの間で特に流行しやすいおたふくかぜ。耳の下の部分が腫れてしまう症状として知られていますが、実は後遺症が残ることもあり、また命に関わることもある恐い病気なのです。今回は、おたふく風邪の感染によるリスクや予防方法を中心にご紹介します。


この記事の監修ドクター
しむらクリニック 羽鳥幸恵先生
群馬県桐生市 しむらクリニック 院長
日本小児科学会認定専門医、日本小児栄養消化器肝臓学会認定医
群馬大学病院小児科、群馬県内の主要病院勤務を経て、平成27年11月、皮膚科専門医の実妹と共に小児科・皮膚科クリニック開業。

おたふくかぜとは?

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まずは、おたふくかぜの病状や原因について説明します。

おたふくかぜってどんな病気?

おたふくかぜは、ムンプスウイルスに感染することで起こる感染症です。感染しても軽症で済むケースが多いですが、まれに重度の合併症を引き起こすこともあります。ただ、おたふくかぜはワクチンによって防ぐことが可能です。世界の多くの国ではおたふくかぜワクチンを定期接種として取り扱っており、2回受けることになっています。そのため、あまり流行しない病気とされているようです。

その一方で、日本の場合にはおたふくかぜワクチンは任意接種ワクチンとなっています。日本小児科学会では1歳過ぎてから2回の接種を推奨しています。おたふくかぜの感染のリスクは決して低くなく、毎年平均で約60万人が感染しています。その中には重い合併症を発症してしまう子どもも。しっかりと免疫をつけるためには2回の接種が重要です。

おたふくかぜの原因

おたふくかぜを引き起こす原因は、ムンプスウイルスによる飛沫感染。ムンプスウイルスは麻疹ウイルスの仲間ですが、非常に感染力が強いのが特徴です。咳やくしゃみなどで飛び散ったツバから感染するケースが多いです。

おたふくかぜの症状・経過

おたふくかぜは、ウイルスに感染してから2〜3週間の潜伏期間があります。発症すると、唾液を作る耳下腺や額下腺、舌下腺などが腫れるため、両方またはどちらかの耳の下の部分が腫れてきます。手で触ってみてもわかるようなはっきりしたしこりができるわけではありませんが、外見からは腫れているのに気づくほどになっています。

最初は片方だけ腫れている場合でも、しばらくすると反対側も腫れてきます。それに加えて、次のような症状を伴うこともあります。

・発熱
・食欲低下
・倦怠感
・頭痛
・筋肉痛
・頸部痛

耳下腺の腫れは発症してから1日〜3日がピークとなり、それ以降は1週間ほどかけて落ち着いてきます。一方で、中には不顕性感染と呼ばれる症状が出ないケースもあります。

重症化すると命を落とすことも

おたふくかぜにかかってウイルスが全身にまわると、難聴や無菌性髄膜炎、脳炎などの合併症を発症するリスクがあります。合併症の中には一生治らない病気もあり、最悪の場合には死亡する可能性もあるほか、命をとりとめても障害が残ってしまうこともあります。また、妊娠中におたふくかぜにかかると流産してしまうこともあります。

おたふくかぜによる合併症

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おたふくかぜは、重症化すると合併症や後遺症を引き起こすリスクがあり、命に関わることもある深刻な病気です。それでは、おたふくかぜから引き起こす可能性のある合併症にはどのようなものがあるのでしょうか?次は、おたふくかぜに感染した際にリスクのある合併症とその確率についてご紹介します。

難聴

おたふくかぜにかかると、音を感じるところ(内耳)の神経が破壊されてしまうことがあります。そうなると、片耳が聞こえなくなってしまう「ムンプス難聴」となります。

まれに両耳ともに難聴になるケースもありますが、多くは片耳のみの難聴です。そのため、特に子どもの場合には難聴を引き起こしていてもすぐに気付けないことがあります。大人がムンプス難聴になってしまうと、難聴のほかにもめまいや耳鳴りなどといった日常生活に支障をきたすような症状を引き起こす事もあり、より深刻です。

ムンプス難聴そのものは、これまで15,000人に1人程度の割合で発症する、ごくまれな難聴であると考えられていましたが、最近の調査ではおたふくかぜにかかった人の約100~1,000人に1人という報告があります。

発症年齢は15歳以下が多く、中でも5~9歳に多いと報告されています。

治療はステロイドやビタミン剤などの投与ですが、回復したという症例報告は少ないようです。

おたふくかぜからムンプス難聴になるかどうかは、熱や腫れの程度やその他の合併症を伴っているかどうかなど、症状だけでは判断できるものではありません。おたふくかぜにかかれば誰にでも可能性があると考えた方が良いでしょう。特に注意したいのが、感染してもおたふくかぜ特有の症状が出ない不顕性感染のケースです。

卵巣炎

思春期以降の女性にリスクがある病気で、おたふくかぜの合併症となって発症する確率は約5%ほど。妊娠中におたふくかぜに感染しても先天奇形や早産・低出生体重児などのリスクは無いとされていますが、妊娠初期の場合には自然流産となってしまうことがあります。

無菌性髄膜炎

おたふくかぜからの無菌性髄膜炎の発症率は、約1%〜10%。発熱や頭痛、嘔吐といった症状が見られる病気ですが、予後は良好なのが一般的です。

おたふくかぜの治療法

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おたふくかぜによって起こる合併症は後遺症のリスクを持つ重大なものもあり、現在の医療ではそれらの後遺症を治すことは困難です。そのような深刻なリスクを伴うおたふくかぜですから、対策は徹底しておきたいところですよね。次は、おたふくかぜの治療法や予防法についてご説明します。

おたふくかぜには治療法がない

実は、おたふくかぜには治療法がありません。感染してしまったら自然に治るのを待つしかないのが現状です。また、おたふくかぜの合併症であるムンプス難聴や無菌性髄膜炎にも特別な治療法は存在しません。耳下腺炎や無菌性髄膜炎は後遺症の心配もなく治りますが、難聴に関しては重い聴力障害を残してしまいます。

予防方法は、ワクチンの接種のみ

治療法がないのであれば、できる限り予防に努めたいところですよね。おたふくかぜの予防方法は、ワクチンの接種です。現在、日本ではおたふくかぜのワクチンは任意接種として取り扱っており、費用は自己負担のもと行われています。

ワクチンは1歳から接種することができるほか、大人でも希望すれば接種が可能です。

おたふくかぜの予防接種

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おたふくかぜには治療法がないため、あらかじめ感染しないように対策をとっておきたいところですよね。日本ではおたふくかぜの予防接種は任意接種となっているため、ワクチンがどのようなものかもあまり知らない人も多いのではないでしょうか。ここでは、おたふくかぜのワクチンの効果や副反応、接種時の心構えなどについて解説します。

ワクチンの効果・副反応

ワクチンを接種することによって、約90%の人に免疫がつくとされています。100%確実というわけではないため、ワクチンを受けていながらおたふくかぜにかかってしまうケースもありますが、多くの場合が軽症で済みます。

一方で、ワクチンを接種することによる副反応はあるのでしょうか?

まれに、ワクチンを接種して2〜3週間後に発熱や耳下腺の腫れが見られることがあります。しかし、これらの症状は自然に治るものなので特に心配いりません。

また、数千人に1人の割合で、ワクチン接種後16日前後に無菌性髄膜炎を発症することもあります。ワクチンを接種後に発熱や嘔吐、不機嫌な状態が続くようであれば受診しましょう。そのほかにも、脳炎を起こすリスクもありますが、これは大変まれなケースです。

自然感染よりもリスクは低い

ワクチンによる副反応を考えると、ワクチン接種よりも自然にかかって免疫をつけた方がリスクが低いと考える人もいるかもしれません。また、ワクチンによる免疫よりも、自然にかかったことによってつく免疫の方が強いのではないかと考える人も多いのではないでしょうか。

しかし、ワクチンを受けたときの副反応のリスクは、自然感染による合併症のリスクよりもはるかに低いので、免疫の強さ以前に合併症のリスクをある程度伴う自然感染よりもワクチン接種によって免疫をつける方が良いと考えられます。また、自然感染しておたふくかぜにかかることは、他の人に移してしまう原因にもなるので、おすすめできるものではありません。

いつ、何回接種するの?

おたふくかぜのワクチンは1歳から接種が可能となります。しっかりと免疫をつけるためには、1回目の接種から2年〜6年後に2回目を接種することが必要となります。予防効果を確実にするためには、2回接種が必要です。1回目は1歳を過ぎて早期に、2回目は小学校入学前(5歳以上7歳未満)が推奨されています。

接種はなるべく早めに

おたふくかぜの予防接種は、なるべく早く受けておきたいところ。1歳になったら、麻しん風しん混合の次、あるいは同時に接種するのがおすすめです。最近では、地域で流行していたり保育園に入園するなどでおたふくかぜにかかるリスクが高い環境にいる人の場合には、1歳前でもワクチン接種を行っているようです。

また、1歳ですぐにワクチン接種することにより、無菌性髄膜炎のリスクが大幅に下がることもわかっています。

まとめ

おたふくかぜは一度感染すれば二度と感染しない病気としても知られていますが、重症化した際の合併症や後遺症などのリスクを考えると、しっかり予防をしておきたいですよね。きちんと予防接種を受けるようにしましょう。

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