ママのための悩み解決サイト
【医師監修】妊娠中はどんな飲み物がいいの? 飲んではいけないものはある?

【医師監修】妊娠中はどんな飲み物がいいの? 飲んではいけないものはある?

妊娠中は、しっかりと水分補給をすることが大切です。でも、お母さんが口にしたものが、赤ちゃんに影響することを考えると、何を飲めば良いのか、と悩んでしまう人もいるかもしれません。そこでここでは、妊娠中に気をつけるべき飲み物と、オススメの飲み物をご紹介していきます。


この記事の監修ドクター
産婦人科医 巷岡彩子先生
産婦人科専門医、医学博士。都内の大学病院やクリニックでの勤務を経て、現在、不妊治療専門の産婦人科クリニックにて勤務。 ママドクターとして育児や家事と仕事を両立しながら活躍中。 女医+(じょいぷらす)所属

妊娠中は1日にどのくらい水分を摂ればいいの?

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

妊娠中は水分をたっぷり摂ろう

妊娠すると、新陳代謝が活発になったり、赤ちゃんを守るために脂肪が増えたりするため、ふだんよりも汗をかきやすくなります。また妊娠中は、赤ちゃんや子宮に血液を供給したり、出産時の大量出血に備えたりと、体を流れる血液の量が妊娠前に比べて約40〜50%も増えます。このため、妊婦さんは普段以上に、しっかりと水分を摂ることが大切です。

水分をしっかり摂ることの効果

しっかりと水分補給をすることは、血流を良くするだけでなく、老廃物を尿とともに排出しやすくしたり、便をやわらかくして便秘を予防したりするのに役立ちます。

1日の水分摂取量の目安

妊娠中の1日の水分摂取量は、食事で摂る分も合わせて、1.5〜2.0リットルくらい必要だといわれています。こまめに水分を補給するようにしましょう。

妊娠中にカフェインはダメ?

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

妊娠中は、こまめな水分補給が大切ですが、たくさん飲みすぎると、赤ちゃんに悪影響を及ぼす恐れがあるものもあります。その1つは、コーヒーなどの「カフェイン」を多く含む飲み物です。

妊娠中にカフェインを飲みすぎてはいけないのはなぜ?

カフェインには、中枢神経を興奮させるという一種の興奮剤のような作用があるので、過剰に摂取すると、気持ちが昂ぶったり、眠れなくなったり、めまいや頭痛などを引き起こしたりすることがあります。

しかも妊娠中は、カフェインを分解に時間がかかるため、ふだんよりも長く体内に留まってしまうのです。また、お母さんの尿に排出されるカルシウムや鉄分の量を増やしたりと、栄養面にも悪影響を及ぼす可能性があります。

さらに、カフェインは、お腹の赤ちゃんにも直接影響を及ぼします。というのもカフェインは、胎盤を通過して赤ちゃんに移行してしまうからです。しかも、赤ちゃんは肝機能がまだ未熟なので、カフェインをうまく分解して体の外に排出することができません。
こうしたことから、妊娠中にカフェインを大量に摂取すると、発育障害や流産、早産のリスクがあるという報告があります。

1日にどのくらいまでなら飲んでいい?

とはいえ、妊娠中にカフェインを全く摂ってはいけないというわけではありません。日本では、1日のカフェイン摂取量の上限はきっちり定められていませんが、WHO(世界保健機構)では300mgまで、北欧諸国や米国では200mgまでを推奨しています。ちなみにコーヒー1杯に含まれるカフェインの量は約100mgなので、これらの量は、だいたいコーヒー2〜3杯までに相当します。

カフェインを含む飲み物

カフェインを含む飲み物は、コーヒー以外にもさまざまなものがあります。どの飲み物にどのくらい入っているかを把握し、過剰摂取にならないように注意しましょう。

飲み物(浸出液100ml中)に含まれるカフェインの量

・コーヒー…約 60mg
・玉露…約 160mg
・煎茶…約20mg
紅茶…約30mg
・ウーロン茶…約20mg
・コーラー…約10〜19mg

※ただし煮出す茶葉の量によって、浸出液に含まれる含有量が多少異なってきます。

妊娠中のアルコール摂取はNG?

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

アルコールが赤ちゃんに与える影響とは

妊娠中に注意したい飲み物には、もう1つ「アルコール」があります。アルコールもまた、胎盤を通じて赤ちゃんに届きます。赤ちゃんはアルコールを分解する力が未熟なため、長時間、体の中にお酒が残ってしまいます。このため、妊娠中のお母さんがお酒を大量に飲むと、赤ちゃんが「胎児性アルコール症候群」になるリスクが出てくるのです。

胎児性アルコール症候群って何?

胎児性アルコール症候群とは、妊娠中の過剰なアルコール摂取によって引き起こされる先天性疾患で、主に次のような症状が現れます。

・容姿への影響…頭が小さい、顔が平たい、顎が小さい、上唇が薄い、目が小さい、鼻が低い、鼻と上唇の間が狭く、人中(鼻と上唇の間にある溝)が浅い等の特徴ある顔貌となります。

・発育の遅れ…低体重や低身長など、お腹の中や産まれてからの発育が悪くなる傾向があります。

・中枢神経の障害…精神発達の遅れやADHD(注意欠陥多動性障害)などの中枢神経症状が見られることもあります。これらの障害は子供が大きくなるにつれて徐々に現れる事もあります。

これらの症状のうち、奇形は妊娠初期の飲酒で、発育不全と中枢神経の障害は妊娠後期の飲酒で現れやすいといわれています。

アルコールはどのくらいなら飲んでいいの?

胎児性アルコール症候群は、飲酒量が多いほど発症するリスクが高まり、1 日に60ml以上の純アルコール(エタノール換算)を飲むと、高頻度で発症するという報告があります。これは、ビールなら中瓶約2.5本、日本酒なら3合、ウイスキーならダブル約 2.5 杯、ワインならグラス 約 4 杯に相当します。アメリカで胎児アルコール症候群の危険性がないとされる飲酒量は1日1ドリンク週に7ドリンク以下(1ドリンク:ビール250ml程度)ですが、人種差もありますので、この飲酒量をもって安全とすべきでない、としています。

妊娠に気づいたら禁酒を

アルコールは、たとえわずかな量でも、妊娠中のお母さんが口にすれば、赤ちゃんに届いてしまいます。お母さんにとっては、「たった1杯だけだから」「アルコール度数が低いから」と思えても、体が小さく、機能が未熟な赤ちゃんにとっては、大きな負担になってしまいます。また、胎児性アルコール症候群は、残念ながら治療法がありません。後になって後悔することがないように、妊娠中は、きっぱりとお酒をやめるようにしましょう。

妊娠中にオススメの飲み物は?

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

では、妊娠中、どんな飲み物を飲めばいいのでしょうか?ここからは、妊婦さんにオススメの飲み物を紹介していきます。

麦茶、黒豆茶

大麦を原料にした麦茶、黒豆(黒大豆)を原料にした黒豆茶など、穀類でできているお茶には、カフェインが含まれていないため、妊婦さんでも安心して飲むことが出来ます。ただし、麦茶は体を冷やす作用があるので、冷えが気になる人は、温めて飲むとよいでしょう。

たんぽぽコーヒー

たんぽぽコーヒーは、コーヒー豆の代わりに乾燥させたタンポポの根を焙煎してつくる飲み物です。名前に「コーヒー」とついているように、コーヒーに似た味と香りがしますが、カフェインが入っていないので、妊婦さんでも安心して飲めます。妊娠中でも、コーヒー風味を気軽に楽しみたいという人は、たんぽぽコーヒーを試してみるといいかもしれません。

ルイボスティー

ルイボスティーは、南アフリカ共和国のセダルバーグ山脈一体にのみ自生しているルイボスというマメ科の植物を原料としたハーブティーです。ハーブティーなのでもちろんノンカフェインですし、カルシウムや鉄分など、妊娠中に不足しがちミネラルも豊富に含まれています。

ローズヒップティー

ローズヒップティーは、レモンの20倍近くのビタミンCを含むとされるローズヒップの実を原料にしたハーブティーです。妊娠中は、免疫力が低下するため、風邪やインフルエンザにかかりやすい傾向がありますが、ビタミンCには、免疫力を高める効果があります。また、ローズヒップティーには、カルシウムや鉄分、βカロテンなども含まれています。

ネトルティー

ネトルティーは、日本では西洋イラクサと呼ばれるネトルの葉を原料にしたハーブティーです。特に鉄分が豊富なので、妊娠中に陥りやすい鉄欠乏性貧血の予防に役立つといわれています。

ハーブティーを飲むときの注意点

ハーブティーというと、ノンカフェインで薬効もあり、体によいイメージがありますが、カモミールティーやジャスミンティー、セントジョーンズワート、ハトムギ茶など、中には、子宮を収縮させる作用があり、妊娠中は飲むのを控えたほうがよいものもあります。ですから、ハーブティーを飲むときは、事前にパッケージをよく読み、妊娠中に飲んでいいものかどうかを必ず確認しましょう。また、効果には個人差があるので、ハーブティーを飲んで体調が悪くなった場合は、飲むのをやめてすぐに医師に相談してください。

まとめ

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

「コーヒーやお酒が大好き」というお母さんにとっては、今回は、少し耳の痛い話だったかもしれません。でも、それもこれも、全て赤ちゃんのため。妊娠・授乳期を過ぎれば、また飲めるようになります。それまでの間は、安心して飲めるもので水分補給をしていきましょう。

【医師監修】妊婦に紅茶はNG?医師もすすめる2種の紅茶とは?

http://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/277

妊婦に紅茶はNGと思われていますが、実は飲んでもOKな種類も。妊娠期にはお腹の中の赤ちゃんの成長のために様々な栄養素が利用されるため、栄養が足りなくなる傾向があります。紅茶の中でも妊婦さんが不足しがちな栄養素を豊富に含んだ紅茶を二種類紹介します。妊娠のお祝いプレゼントにもぴったりかも知れません。

関連する投稿


【医師監修】ノロウイルスとロタウイルスの症状の違い、予防法や治療法は?

【医師監修】ノロウイルスとロタウイルスの症状の違い、予防法や治療法は?

冬が深まるとテレビのニュースなどで「小学校でノロウイルスが流行し……」といったニュースを見かけることが多くなりますよね。感染すると下痢や嘔吐の症状を引き起こすノロウイルスやロタウイルスなどの感染性胃腸炎。実はどちらも流行る時期やかかる年齢、感染経路が異なります。今回はこれらの違いや治療法についてまとめました。


【医師監修】赤ちゃんにメープルシロップをあげるのはNG?

【医師監修】赤ちゃんにメープルシロップをあげるのはNG?

赤ちゃんにメープルシロップ入りのケーキシロップを与えても大丈夫なのでしょうか。「妊娠中、授乳中もダメ?」「アレルギーの心配は?」「メープルシロップ尿症の原因になる?」など気になる疑問に答えます。蜂蜜との違い、離乳食に混ぜる方法、1歳から3歳向けの咳対策のシロップ情報も必読!


【医師監修】妊娠線はいつからできて、いつ消える?原因や治療法を紹介

【医師監修】妊娠線はいつからできて、いつ消える?原因や治療法を紹介

妊娠がわかると、嬉しい反面、体の変化に戸惑うこともたくさん。特に妊娠線に悩む方が多いようですね。今回は「妊娠線」について解説していきます。


【医師監修】肉割れを消したい!赤い線を目立たなくするマッサージ法

【医師監修】肉割れを消したい!赤い線を目立たなくするマッサージ法

妊娠や体重の増加、成長期……と様々な理由でできてしまう「肉割れ」。女性にとっては、深刻な問題ですよね。消しやすい肉割れと、消しにくい肉割れってあるの? 肉割れにマッサージは効くの? 肉割れに効く治療法は? さまざまな肉割れについて紹介していきます。


【医師監修】口内炎ができる原因は?治療法やおすすめの薬を紹介

【医師監修】口内炎ができる原因は?治療法やおすすめの薬を紹介

「口内炎ができてしまった。早く治したい、でも、口内炎で病院に行くっていうのも大袈裟かな……?」そんなとき、役に立つのが市販薬。でも、薬局に行くと、いろんな種類が並んでて、どれを買ったらいいのか悩みますね。今回は、口内炎の薬について調べてみました。


こんな記事も読まれてます
Recommended by

最新の投稿


母乳パッドはなぜ必要?正しい選び方と人気の母乳パッドを紹介

母乳パッドはなぜ必要?正しい選び方と人気の母乳パッドを紹介

赤ちゃんに授乳するようになると、おっぱいの出る量が増えるにしたがって、自然におっぱいが溢れ出てくるということがあります。そんな時に便利なものは「母乳パッド」です。一口に母乳パッドといっても布製と使い捨ての2種類があります。母乳パッドについての解説とおすすめ商品をご紹介します。


飽きない幼児食の献立とは?幼児食の重要性について知るべき事

飽きない幼児食の献立とは?幼児食の重要性について知るべき事

離乳食から切り替える幼児食。幼児食はどのようにしたら良いのでしょうか? 献立の内容や栄養バランスなど、どのように注意したら良いのかをまとめました。手軽に必要な栄養を摂り入れる献立のコツも紹介しているので、参考にしてください。


節分の豆を子どもにあげる時はご注意を【ママ女医と娘の○○な日常 vol.29】

節分の豆を子どもにあげる時はご注意を【ママ女医と娘の○○な日常 vol.29】

1月もあっという間に過ぎ、もうすぐ節分です。楽しい行事ですが、実は豆やナッツは誤嚥すると大変なんです。子どもにあげる時はご注意を。


室内用ジャングルジムを購入したい!注意事項と人気3選を紹介

室内用ジャングルジムを購入したい!注意事項と人気3選を紹介

室内でも子どもが思い切り遊べる室内用ジャングルジム。運動することで体力づくりにもなり、人気があります。そんな室内用ジャングルジムは何歳くらいから遊べるのか、購入に関しての注意点をまとめました。おすすめの室内用ジャングルジムも紹介します。


ハンドブレンダーで離乳食が簡単に作れる!おすすめのメーカーは?

ハンドブレンダーで離乳食が簡単に作れる!おすすめのメーカーは?

離乳食作りは子どもが食べやすいように、柔らかく煮込んだり刻んだりして作るので意外と手間と時間がかかります。そのひと手間の軽減に役に立つのがハンドブレンダー。ハンドブレンダーを離乳食作りに使うコツや、選び方のポイントなどを紹介します。