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2022年12月14日 16:13 更新

【医師監修】妊娠23週(妊娠6ヶ月)の赤ちゃんとママの変化|5つの腰痛対策

妊娠16週~27週までは「妊娠中期」と呼ばれています。今回は妊娠6ヶ月の最終週である妊娠23週にスポットライトを当て、この時期に起こるママの体の変化やおなかの胎児の様子、起こりがちな腰痛対策についてお伝えします。

妊娠23週ってどんな時期︖ 赤ちゃんとママの変化

妊娠23週にフルーツを食べる妊婦
Lazy dummy

妊娠期間が進むにつれ、胎内では目まぐるしい変化が起こります。それだけでなく、ママの心身にも変化が生じます。ここでは妊娠23週(妊娠6ヶ月)に起こる体の変化を詳しく見ていきましょう。

⾚ちゃんの変化|体の細部も成長、エコーで性別がわかりやすく

妊娠23週の赤ちゃんは、体重は650gぐらい、身長30cm前後に成長しています[*1]。妊娠19週からの4週間で体重は2倍以上に増えています。身長の約3分の1を占めていた頭の大きさも徐々に目立たなくなり、体のバランスも整ってきます。

赤ちゃんの体重は、超音波検査で計測した赤ちゃんのおおよその大きさを基に算出されます。これを「推定児体重(EFW)」といい、赤ちゃんの頭の横幅の直径、腹囲、太ももの骨の長さを計算式に当てはめることで推定できます。あくまで「おおよその体重」なので多少の誤差はありますが、赤ちゃんの成長の目安のひとつとされています。

なお、妊娠6ヶ月以降であれば赤ちゃんの体重は「(妊娠月数の3乗)×3」で概算することも可能です。この式によると妊娠6ヶ月の場合(6×6×6)×3=648gとなり、さきほど紹介した妊娠23週の赤ちゃんの体重の目安とほぼ一致します。

まぶたが分かれ、外性器も発達

この頃の赤ちゃんはまつげや眉毛が生え、まぶたが上下に分かれるなど、顔のつくりがはっきりしてきます。筋肉や骨格がいっそう発達するほか、皮膚にしわができてくる、手の指に爪が生えるといったように、体の細部もどんどん成長していきます。

外性器の発達も進み、これまで性別がわかりにくかった赤ちゃんも超音波検査での判別がより可能になってくるでしょう。「性別がわかったら、パパや家族と名付けやベビー服について、より明確に話せるようになった」という声もよく聞かれます。

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このころの赤ちゃんの様子について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
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ママの変化|マイナートラブルに悩みつつも胎動に癒される

10ヶ月にわたる妊娠生活も半分以上過ぎたことになります。そのことから慣れを感じて余裕が出てくるママも多いかもしれません。

しかし一方で、赤ちゃんの成長に伴って体にかかる負担が増し、新たな悩みの種となるケースもあります。お腹がせり出してくることで足下に不安を感じたり、むくみやこむら返り(足がつる)が起きたりすることに悩まされる人もいるでしょう。

また腰や背中、わき腹に痛みを感じることもあります。座ったり、横になったりして休むと回復する分には心配いりませんが、出血を伴ったり、長期間痛みが続いたりする場合は主治医に相談するようにしましょう。

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このころの母子の様子について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎妊娠6ヶ月のママと赤ちゃん
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多くのママが胎動を感じ始めている時期

胎動の感じ方や感じ始める時期には大きな個人差があります。早い人は妊娠18週頃で感じることもありますが、そうでない人は「胎動を感じられないけど大丈夫?」と不安になることもあったでしょう。

しかし妊娠23週ともなれば、多くのママがはっきりと胎動を感じ取れるようになります。このころの赤ちゃんは聴力が完成し、お腹の外の音も聞こえるので、朝には「おはよう」、夜には「おやすみ」など挨拶をしてコミュニケーションをとってみては。反応が返ってくると、赤ちゃんの存在をよりリアルで身近なものに感じられるようになるでしょう。

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胎動について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎胎動はいつから?一般的な時期と感じ方
関連記事 ▶︎胎動が痛いときはどうしたらいい? 赤ちゃんの動きが激しい時の対処法

妊娠23週ごろに気になる「腰痛」5つの対処法

妊娠中は程度の差こそあれ、ほとんどの人が腰痛に悩まされますが、妊娠中期になると痛みを訴えるママが増える傾向にあります。その原因は大きく2つあります。

ひとつは妊娠中に分泌されるホルモン(エストロゲン、プロゲステロン、リラキシン)の影響です。これらのホルモンには出産に備えて赤ちゃんが産道を通りやすいよう、骨盤の関節を緩める作用があります。骨盤の関節が緩むとそれを支える腰や背中の筋肉に負担がかかり、痛みが起きやすくなります。

それに加えて、妊娠中期になると次第にお腹が大きくなり、重心が前にかかるようになります。そのバランスを取ろうとして妊婦さんは反り返った姿勢になるため、腰への負担が増し、腰痛を訴える人が増えるというわけです。

妊娠後期もお腹はさらに大きくなるため、こうした状態は出産まで続きます。したがって痛みがひどくならないうちに注意点を知って、できるだけ対策しておくのがよいでしょう。

1. 腰への負担を減らす

まずは腰にかかる負担を防ぐことが大切です。

中腰の姿勢をとる、重いものを持ち上げる、長時間同じ姿勢を続けるなどは腰に負担がかかりやすいので避けましょう。

また無意識に行っている姿勢の癖(荷物を片方の肩にばかりかける、足を組んで長時間座るなど)も体に負担がかかるので避けるように心がけましょう。

2. 正しい姿勢を心がける

背骨や腰への負担を減らすためにも上体はあまり反らさず、背骨が本来の自然なS字カーブを描くことを意識してみましょう。

正しい姿勢は壁を使って簡単にチェックできます。壁を背にして立ち、後頭部、背中、お尻、ふくらはぎを壁につけます。そして足を自然に開き、足首~腰~肩~耳が1本の直線上にくるように調整しましょう。チェックする際、肩の力を抜いて、体重を足の裏全体にかけるように、まっすぐ立つのがポイントです。

3. 適度な運動をする

腰痛の予防や痛みの緩和には、適度な運動を行うことも効果的です。妊婦体操やマタニティーヨガ、ストレッチング、マタニティーエクササイズなど、無理のない範囲で体を動かし、心と体をリラックスさせましょう。

適度な運動は腰痛を防ぐとともに、出産に必要な体力を維持したり、急激な体重増加を抑えたりする効果、便秘や肩こりなどの緩和なども期待できます。なお運動する際は専門の指導者の下で安全に行い、個人で行う場合は運動を行っていることを主治医に伝えるようにしましょう。体調に不安がある時は医師によるメディカルチェックやアドバイスを受けるようにしましょう。

なお、重い心臓病や呼吸器の持病がある、過去に早産したことがある、切迫流産・早産、子宮頸管の異常がある、破水している、性器出血が続いている、胎盤の異常がある、妊娠高血圧症候群などがある場合は、基本的に妊娠中の運動は勧められないとされています。心当たりのある妊婦さんは、運動する前にかならず主治医に相談するようにしましょう。

腰痛対策エクササイズ1
① 骨盤を後ろに倒して背中の力を抜きながら丸める
② 次にお腹を突き出すようにして骨盤を前に倒しながら背中を反らす
を数回繰り返します。
腰痛対策エクササイズ2
① 胸の位置を少し高くするように意識して、上に伸びるように背骨を整える
②「はぁ〜」と呼吸の音がするように息を吐ききる

(エクササイズ指導:近藤可那 先生
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腰痛対策のエクササイズについて、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎妊婦のエクササイズ!家でできる目的別マタニティ体操

4. 骨盤ベルトなどの装着する

骨盤を締めるベルトや腹帯の着用は、腰まわりを安定させる効果があります。ベルトのタイプやメーカー、種類もさまざまで、締める方向も「後ろから前へ締めるもの」(恥骨結合部を支えるもの)と「前から後ろへ締めるもの」(仙腸関節を支えるもの)があります。使い方や選び方に迷ったら、妊婦健診の際に相談してみましょう。

5. 湿布薬は、使う前に医師に相談を

腰痛の症状に悩まされると湿布薬に頼りたくなることもあるでしょう。しかし、使う前にはまず主治医に相談しましょう。湿布薬にはインドメタシンのように、妊娠中に使用すると赤ちゃんに悪影響のある成分を含むものもあります。自己判断での使用は避けるようにしましょう。

まとめ

妊娠23週ごろのお腹をさする妊婦
Lazy dummy

妊娠23週は妊娠6ヶ月の最終週で、翌週からは妊娠7ヶ月に突入します。10ヶ月にわたる妊娠期間も残り約4ヶ月です。その4ヶ月間で赤ちゃんの体重は、現在の4~6倍程度にまで成長して生まれてきます。妊婦さんの足腰にかかる負担は今後も増していきますが、できるだけ無理はしないようにしながら、出産まで過ごすようにしましょう。

(文:山本 尚恵/監修:齊藤英和先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]文光堂「最新産科学 正常編_胎児の成長」P.59

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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