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2022年12月14日 16:20 更新

【医師監修】妊娠17週|ママと赤ちゃんの変化、よくある症状やすごし方

妊娠17週は妊娠中期(妊娠16週~28週未満)、妊娠5ヶ月の2週目、俗に言う安定期に入ったころです。「安定期」と呼ばれていても、切迫流産や流産の可能性がなくなったという意味ではありません。この時期の体内の変化や、食生活など生活面で注意すべきことを紹介します。

妊娠17週ってどんな時期?

妊娠17週で子供と遊ぶママ
Lazy dummy

自然流産の約8割は妊娠12週までに起こるとされており[*1]、妊娠17週に入ると、流産の頻度は少なくなっています。つわりもこのころには落ち着いているママが多いでしょう。妊娠5ヶ月(妊娠16週~19週)からは、一般に「安定期」といわれていますが、切迫流産などの可能性もあるため、遠方への旅行などは勧められません。このころの赤ちゃんとママの体にはどんな変化があるのか、具体的にみていきましょう。

赤ちゃんの変化|性別がわかることも

妊娠中期は、胎児の主要な器官が発達し、それぞれの臓器の働きが確立されていく時期です。妊娠中期のはじめ、16週ぐらいから、赤ちゃんの体では水分量が低下する一方でたんぱく質や脂肪の割合が増え、皮下脂肪、頭髪、爪などができていきます。胎動を感じ始める人もいるでしょう。

また、妊娠17~18週を過ぎると、超音波検査で性別がわかることが増えてきますが、赤ちゃんの向きによっては判断できないこともあります[*2]。

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赤ちゃんの性別について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎赤ちゃんの性別がわかるのは妊娠何週目?

ママの変化|つわりが落ち着く一方、動悸・息切れがあることも

16~17週を過ぎたあたりから、お腹や乳房のふくらみが目立ってきます。健診では16週ぐらいから子宮底長 (恥骨の端から子宮の端までの長さ)を測ることがありますが、これは赤ちゃんの体の大きさや羊水量 を知る目安にするためです。このころ、子宮は子どもの頭ぐらいの大きさになり、子宮底はおへその下あたりまできています 。

つわりはおさまることが多いのですが、今度は胃や肺が圧迫されるため、深く息を吸うことができず、動悸や息切れが起こるママもいます 。集中力が落ちることもあります。

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妊娠17週目ごろのおなかの大きさやエコー写真について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎妊娠17週のエコー写真

妊娠17週にできること/しておくこと

妊娠17週で神社に安産祈願のお参りにきた女性
Lazy dummy

戌の日には安産のお参りへ行く人も

昔から、日本には妊娠5ヶ月の最初の戌の日に 、腹帯をまいて、神社やお寺に安産祈願のお参りに行く風習があります。犬は多産で、しかもお産が軽いということにあやかるためと言われていますが、地方によっては、酉(とり)の日や妊娠9ヶ月に帯祝(おびいわい)をすることもあるようです。

腹帯は、お腹が大きくなると重心が前に移動して、腰痛になりやすいため、お腹を下から支え上げるように巻きます。 また、いわゆる「冷え」予防についても期待して腹帯を巻くのだと言われています 。

体調の良い日に、気分転換も兼ねて安産と生まれてくる赤ちゃんの健康を祈願すると良いですね。あらまった空気のなかで、より妊娠の喜びを感じることができるでしょう。

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戌の日の日程について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎2021年戌の日カレンダー 安産祈願や腹帯について

里帰り先の病院の受診を

里帰り出産を希望している場合、予定日が近づいてから突然行っても、受け入れてもらえないのが普通です。この時期までには主治医に紹介状を書いてもらい、希望の医療機関を一度受診しておきいたほうが良いでしょう。

ただ、産院によって、一回目は妊娠何週までと決まっているため、あらかじめ確認しておく必要があります。また、転院はいつまでにすればよいかも聞いておくようにしましょう 。

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里帰り出産の準備について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎里帰り出産で準備したいものや事前に確認しておきたいこと

妊娠17週の注意点

妊娠17週のバランスの良い食事の例
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食事|摂り方を意識してみましょう

つわりがおさまり、食欲が出てくるこの時期。つわりのときのように、食べたいものを食べるという食生活はそろそろ見直すべきころです 。

妊娠中期からは、ママのエネルギー消費量に加え、赤ちゃんのエネルギー消費量を確保する必要があります。それに合わせて妊娠中期以降の食事の摂り方が変わります。妊婦健診を受けている医療機関でも指導があるはずですが、厚生労働省が示す「妊産婦のための食生活指針」で具体的に見ていきましょう。

妊娠中期の推定エネルギー必要量は、非妊娠時より250kcal多くなります。主食と牛乳・乳製品はこれまで通りにとり、副菜、主菜、果物の摂取量をそれぞれ増やすようにしましょう。副菜は野菜や豆、キノコ類を一品増やします。たとえばほうれん草のおひたし、具だくさんの味噌汁など。主菜はタンパク質を中心にし、メインの料理の他に目玉焼き、納豆、冷ややっこなどを一皿追加します。果物は、みかん、柿、桃なら一個、リンゴやナシは半個、ブドウなら半房増やしましょう[*3]。

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妊娠中期の食事について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎妊娠中期の食事|摂るべき栄養素と避けたい食べ物

吐き気|つわりの症状がぶり返すことも

妊娠17週で風邪にかかってしまいマスクをしている女性
Lazy dummy

つわりがおさまり、食が進むようになったのもつかの間、今度は子宮が大きくなってきたことで胃や肺が圧迫され、吐き気がぶり返すことがあります。

食道の下側が押されて、食道と胃をつなぐリング状の筋肉、胃食道括約筋がうまく働かず、胃酸や食べものが逆流するためです。妊娠中に分泌量の多いホルモン、プロゲステロンやエストロゲンに筋肉を緩める作用があることも影響しています。

消化の悪いものを避ける、何回かに分けて食事をする、食べてすぐ横にならないなど、食事にもまだ工夫が必要です。

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妊娠中期の吐き気について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎妊娠中の吐き気・気持ち悪い原因と対処法

まとめ

つわりもおさまり、一般に“安定期”と呼ばれる妊娠中期に入ると、気持ちが楽になりますね。ただし、何をしてもよい時期に入ったというわけではありません。安定期であっても流産や切迫流産の可能性はまだあるので、旅行や激しい運動は控えましょう。赤ちゃんはお腹の中でぐんぐん大きく育っているところです。食事の量やバランスに気を配るようにしましょう。

(文:山崎ひろみ/監修:中林稔先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生省心身障害研究班報告書(平成3~5年度)
[*2]日本産婦人科学会 監修, 『Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本』, 身体の変化と胎児の成長まるわかりシート
[*3]厚生労働省 妊産婦のための食事バランスガイド
[*4]『病気が見える Vol10 産科』第3版 メディックメディア p204~206

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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