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【医師監修】溶連菌は自然治癒するの? 知っておきたい4つのこと

【医師監修】溶連菌は自然治癒するの? 知っておきたい4つのこと

子どもたちの間で、流行しやすい「溶連菌感染症」。今回は親として知っておきたい、溶連菌の症状や治療法・予防を紹介します。


この記事の監修ドクター
有明こどもクリニック 小暮 裕之先生
地域の皆さまに信頼されるかかりつけの医療機関として、スタッフ一同、より質の高い医療の提供を目指してまいりますので、どうぞ宜しくお願いいたします。
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子どもの喉風邪の2割は溶連菌感染症ってほんと?

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子どもの喉風邪の2割前後は、「溶連菌感染症」が原因だと考えられています。子どもたちの間で流行しやすいため、正しい知識を身につけておくべきです。


Q1.溶連菌感染で知っておきたい2つのこと

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溶連菌感染症は、3歳~13歳の子どもに多く発症し、秋の終わりごろから初夏にかけて流行しやすくなります。対象年齢の子どもを持ち、なおかつこの時期に喉風邪のような症状を見せる場合には、溶連菌感染を疑ってください。

溶連菌で起こる「発熱&のどの痛み」

溶連菌(溶血性連鎖球菌)には「α溶血」と「β溶血」の2つが存在します。溶連菌感染症の9割は「β溶血のA群」と呼ばれるもので、主に喉が感染します。喉の痛みと38〜39℃の発熱をメインに、舌の腫れ(イチゴ舌)や、発疹、首筋のリンパ節の腫脹などが見られます。このほか、頭痛や吐き気を伴うケースもあります。

喉は、痛みとともに非常に赤みを帯びている状態で、その周囲には出血斑が確認されます。ただし年少児童の場合は、喉の赤みがあまり強くないケースもあります。発疹については、腹部や胸ほか、脇の下などにも出現するケースが多いです。

溶連菌の合併症

溶連菌感染症には、急性期症状の3週間前後後に起こる「続発症」と言うものがあります。溶連菌の合併症のようなイメージで、続発症の中で最も怖いのが「リウマチ熱」です。リウマチ熱にかかると、発熱とともに、輪状の紅斑、心炎、舞踏病(不規則な不随意運動が起きる病気)といった症状が出ます。国内ではほとんど見られない病気となりましたが、念のため、続発症を防ぐため治療はしっかりしておきましょう。このほか、尿タンパクや血尿、高血圧やむくみの症状が出る「糸球体腎炎」も続発症の1つで、かかった場合は入院が必要になります。

Q2.溶連菌の治療法は?

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溶連菌感染症の治療は、抗生物質の服用で済みます。ただし、勝手な判断で薬の服用をやめさせることを避けて下さい。医師の指示に従って、薬をしっかり飲んで治しておかないと、合併症(足発症)の原因となります。

抗生物質でOK

溶連菌感染症の疑いがある場合には、まず医師の診察が行われます。10分以内にすぐ結果が出る溶連菌検査もありますが、子どもの喉や舌の状態を見ただけで、すぐに溶連菌感染を見分けることも可能です。

溶連菌の治療は、抗生物質の服用で比較的簡単に治すことができます。適切な治療を行えば、24時間程度で熱がひき、他人への感染力も失われます。ただし、それで抗生物質の服用が終わりというわけではなく7日から10日程度は飲み続けなければなりません。半端に薬を飲んでしまうと、症状が繰り返す恐れがあります。2日目以降も熱がひかない場合は、他のウイルス性感染症を併発していることが考えられます。このような場合も再び病院へ連れて行きましょう。

自然治癒するの?どれくらいで治るの?

溶連菌感染症の風邪症状は、1週間程度で自然治癒することが多いです。したがって、溶連菌感染症とは気づかず、そのまま治癒してしまうケースも少なくないと考えられます。ただし、先ほどご紹介した溶連菌感染症の症状(せきや鼻水は出ず、喉の痛みと発熱がある。このほか舌の晴れ、発疹など)が見られた場合には、小児科へ連れて行き、抗生物質の処方を受けましょう。

小児科で抗生物質の処方を受けるべき理由の1つめは、他人への感染を防ぐため。理由の2つ目としては先ほどご紹介した合併症を防ぐためです。クリニックによっては、発病から半月と1ヶ月目までの2回程度、念のため尿検査を行うこともあります。

Q3.溶連菌は予防できるの?

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予防をすることは難しく、保育園・幼稚園・小学校などで、溶連菌を持っている子どもは「100人中5人〜10人程度いる」と考えられています。溶連菌を喉に持っている「保菌者」は、症状が出ていない場合もあります。そして100人中1人が発症すると、症状が出る子と症状は出ないが菌を持っている子が数名ずつ発生するとされています。

なお、溶連菌の感染ルートについては、くしゃみや咳といった「飛沫感染」もあります。このほか、溶連菌に汚染された食物で感染してしまうケースもあるようです。このように溶連菌は大変身近で、飛沫感染する菌なので、予防することは難しいと考えられています。治療が済んだ後に、再発した場合は、身近な家族内に保菌者がいる可能性が疑われる場合もあります。

このように溶連菌感染は予防が難しいからこそ、疑いのある症状が出たら速やかに子どもを病院へ連れて行くことが必要です。

Q4.溶連菌は再発しやすいの?

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溶連菌感染症は再発の可能性がある病気です。いずれにしても医師の指示に従って薬をちゃんと飲み続ける、発症(再発)したらきちんと治療するの2点が大切です。

1年以内の再発は1〜2割

溶連菌感染症で喉の炎症が起きた場合、1年以内に1〜2割の子が再発すると言われています。1ヶ月程度ですぐ再発する場合は、抗生物質がうまく効いていなかったことが考えられます。ただし再発すると症状が重くなることはありませんので、発症後にまた適切な治療をすれば問題ありません。

風邪との見分け方は?

咳や鼻水が出ないのに、喉の痛みと発熱がある場合には、溶連菌感染症の可能性が高いです。溶連菌感染症以外の喉風邪の場合、8割以上がウィルス感染によるものと考えられます。

ウイルス性感染症の喉風邪であれば、抗生物質がなくても治ります。それにもかかわらず安易に抗生物質を処方してしまうと、薬剤に対する耐性菌を増やしてしまったり、髄膜炎・肺炎・中耳炎などの病気の難治化(病気が治りにくくなること)につながります。したがって溶連菌感染の疑いがある場合は、きちんと病院へ連れて行き、適切な診断のもと適切な薬を処方を受けるべきです。

注意したい溶連菌

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最後に、溶連菌感染症になった場合に家庭で気をつけることと、大変恐ろしい「劇症型ケース」を紹介いたします。

家庭で気をつけること

溶連菌感染症にかかると、喉に大変な痛みを伴うことが一般的です。したがって食べ物や飲み物には気をつけてあげてください。具体的には、熱いもの、冷た過ぎるもの、すっぱいもの、苦いもの、辛いものなど「喉への刺激が強い食べ物・飲み物」を与えることは避けます。基本的には、お粥や煮込みうどん、スープ、ヨーグルト、プリン、ゼリーなど「喉ごしと消化の良いもの」がベストです。入浴に関しては、熱がひけば問題はないでしょう。

なお子どもの経過観察をすることも、家族の大切な役目です。特に熱が下がらない、喉の痛みが消えない場合には、薬が効いていないことも考えられます。この場合は、速やかに医師にご相談ください。

「人食いバクテリア=劇症型溶連菌感染症」とは?

ものすごい早さで細胞を壊死させ、早ければたった1日で死に至るケースもあるという「劇症型溶連菌感染症」。その、恐ろしさから「人食いバクテリア」という異名も持ちます。実際に「死亡率30%」という高さの、大変怖い劇症感染です。劇症型溶連菌感染症は、90年頃から先進国を中心に報告され始め、日本でも92年の段階で最初の報告がなされています。最近では、年間100〜200人の劇症型溶連菌感染症患者が報告されています。2015年の患者数は8月の段階で290人以上、2016年の患者数は11月の段階で440人を超えるなど、急激な増加を見せました。しかし劇症化の原因や、感染経路などに不明点が多く予防はなかなか難しいと考えられます。

なお「劇症型溶連菌感染症」を引き起こすのは、喉風邪を起こす「β溶血A群溶血性連鎖球菌」と同じです。「もしも我が子が…」と考えると、いてもたってもいられない気持ちになるかと思いますが、発症は30歳以上の成人が多いため、あまり不安を抱く事はありません。

ただし、万が一と言う時のために、国立感染症研究所が発表している「劇症型溶連菌感染症の症状」(*)を紹介しておきます。

・手足のうずくような痛み
・インフルエンザのような症状(1/5の患者に見られる。おかん、発熱、下痢、筋肉痛など)
・低体温(患者の1/10がショックのため低体温になる)
・今水や好戦的な態度
・皮膚にできる紫色の水泡

このような症状が見られる場合には、念のため速やかに病院へ連れて行ったほうが良いでしょう。症状が大変急激であるために「一晩寝たら患部が壊死していた」というケースもあります。


(*「劇症型溶血性レンサ球菌感染症とは」国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/encycropedia/392-encyclopedia/341-stss.html

まとめ

溶連菌感染症は、子どもがかかりやすい感染症です。適切に治療すれば、スムーズに回復すできますが、一方で劇症型のような怖いケースがあることも知っておきましょう。気になる点があれば、速やかに病院を受診してください。

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