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【医師監修】おたふく風邪の初期症状って? 潜伏期間と治療、合併症の危険性は?

【医師監修】おたふく風邪の初期症状って? 潜伏期間と治療、合併症の危険性は?

おたふくかぜは潜伏期の長い病気ですが、何か初期症状はあるのでしょうか?今回は、おたふくかぜの症状や治療方法、合併症や予防接種までをお伝えします。


この記事の監修ドクター
北浜こどもクリニック 北浜 直 先生
医療機関併設型の病児保育やインフルエンザ等の予防接種、育児相談などお気軽にご相談下さい。
http://www.kitahama-kidsclinic.jp/

おたふく風邪ってどんな病気?

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おたふく風邪は「流行性耳下腺炎」の俗称です。耳下腺が腫れることで、おたふくのようなふくれ面になることからそのように呼ばれています。予防接種をしないという人もいますが、人からうつされたり、あるいはうつしてしまう危険性も出てきます。

ウイルス感染する病気

おたふく風邪はムンプスウィルスの感染によってかかる病気です。流行の規模は毎年異なりますが、国内で「数十万人から140万人程度」の人が毎年かかっています。なお、おたふく風邪は飛沫感染するので、病院や駅、公園など、あらゆる公共施設が感染場所になります。

発症する年齢

2歳以降の発症が多いとされています。特に、保育園に通うようになると集団生活をする時間が増えることもあり、大体10歳頃までには多くの子が発症します。

ちなみにおたふく風邪は「学校保健安全法の学校感染症(第二種)」に指定されていますので、疑わしい症状があれば保育園や学校を休んで、病院に行く以外の外出は控えてください。なお、再登校できる基準は「耳下腺や顎下腺などの症状が出てから5日以上経ち、なおかつお医者さんによって治癒が認められた場合(感染の恐れがないと判断される場合)」であり、それまでは出席停止の対象となります。

おたふく風邪の初期症状は?

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おたふく風邪は「酸っぱいものを飲んだときに、耳下腺に痛みを感じること」が初期症状になります。

しかし意外なことに、おたふく風邪は無症状であることも多いのです。もちろん、それでも周囲の人へは感染しますから、日頃から手洗いを徹底して、タオルや食器など「唾液がうつる可能性のあるもの」は別にするようにしましょう。

感染しても3割前後は症状が出ない

おたふく風邪に感染すると、必ず症状が出ると多くの方は思っているでしょう。おたふくかぜの典型的な症状は「感染した人の半分以下にしか出現しない」と考えられています。

実は、おたふく風邪のムンプスウイルスに感染しても「3割前後は症状が出ない」のです。特に子どもの場合、知らずに感染して免疫だけがついていたというケースもあります。2歳未満の乳児に限っては、ほとんどが症状が出ないとも言われています。

また、おたふく風邪はウィルス感染してから実際に症状が出るまでも遅い病気です。症状が出るのは、ウィルスをもらってから2~3週間後であり、症状が出ない期間を「潜伏期間」と言います。

潜伏期間後の症状とは

■唾液腺の腫れ
耳下腺や顎下腺といった唾液腺が腫れます。いずれも耳の前下に存在する腺で、この場所が膨れるとおたふくのような丸顔になります。症状初期はどちらか一方が腫れ、数日後に両方が腫れるケースが多いようです。なお、腫れよりも先に「すっぱい飲み物」(酢やレモンジュースなど)を口にしたときに耳下腺などに痛みを感じるのが初期症状と考えられています。なお、言葉をしゃべれない乳児の場合は、あごの辺りなどを触った時に痛がりますので、それで判断してください。

■発熱
3日程度熱が出ます。ただし、3日過ぎても高熱がひかない場合は、合併症を疑ってください。

■鼻水・せき
口が開けにくくなることに加え、鼻声となるため、喋り方がぼそぼそした感じになることがあります。

おたふく風邪の治療・ケアは?

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おたふく風邪には「治療薬」がありません。したがって、おたふく風邪にかかって症状が出てしまった場合には、お家でのケアが中心となります。

病院での治療

おたふく風邪そのものを治す治療はありません。ウィルス性であるため、抗生剤も効果はありません。しかし、熱や痛みがひどい場合は、解熱鎮痛剤などを処方してもらえます。また次にご紹介する「合併症」の恐れがある場合には、そちらの治療に当たりますので早めに病院へ連れて行ってください。合併症を疑うべきサインは「3日たっても症状が軽くなっていない」か、あるいは「高熱、頭痛、痙攣嘔吐など別の症状が出ている」といった場合です。

家庭でのケア方法

食事については、耳下腺の腫れが引くまでは、子どもにとって喉越しのよい食べ物がおすすめです。一例としては、プリン、ゼリー、ヨーグルト、スープ、お豆腐などがいいかと思います。ただし、すっぱい味は耳下腺を刺激するので、避けてください。

あとは、安静にさせて充分休ませてください。ほほが痛む場合は冷たいタオルや冷却シートなどで冷やすと和らぎます。

おたふく風邪の合併症とは?

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おたふく風邪は比較的軽症の病気と考えられています。しかし、おたふく風邪そのものの症状は大した事がなくても、合併症の中には命に関わるようなものもあるのです。おたふく風邪は、合併症が多い病気ですから、1つずつチェックしていきましょう。

おたふく風邪の合併症

■難聴(ムンプス難聴)
おたふく風邪のウィルス(ムンプスウィルス)は、音を感じる神経を破壊するケースがあります。多くの場合は片耳が聞こえなくなりますが、まれに両耳が難聴になるケースもあるようです。

■膵炎(すいえん)
膵炎を併発すると、嘔吐やひどい腹痛といった症状が現れます。これは、膵炎によってタンパク質を溶かす物質が全身に巡るためで、各臓器にダメージを与えます。放っておいて重症化すると命にも関わりますから、このような症状がないから気をつけて見てあげましょう。

■脳炎
その名の通り、脳に炎症が起きる病気です。通常、脳には病原体が入り込むことはできませんが、免疫力の低下などが原因で侵入してしまうケースがあるのです。症状としては、意識の混濁や、痙攣が見られます。また、後にご紹介する髄膜炎と同様に、首の後ろ部分に痛みが生じ、曲げることが難しくなります。発達障害やてんかんの後遺症が残る危険性もあるため、気になる場合はすぐに病院で診察を受けてください。

■髄膜炎
耳下腺の腫れがひいてきた頃に、吐き気やひどい頭痛が始まったら、髄膜炎の危険性があります。
髄膜とは脳を被っている膜であり、おたふく風邪のウィルス(ムンプスウィルス)だけでなく、他のウィルスや細菌、カビなどがここに侵入することも病気の原因となります。症状としては、38度以上の高熱が出たり、何度も嘔吐したり、あるいは痙攣や意識障害が出るケースもあります。乳幼児の場合には「常に機嫌が悪い」というような様子を見せることもあります。治療が遅れると、後遺症が残ったり、死亡するケースもあるため注意が必要です。ただし、おたふく風邪による髄膜炎は、無菌性であることが多いと言われており、予後は比較的良いと考えられています。したがって、早めに病院に行くなど適切な対処をすれば、心配しすぎる必要はありません。

合併症にかかる確率は?

難聴(ムンプス難聴)はこれまで「数万人から数十万人に1人程度」という低い発症率だと考えられていました。しかし近年ではそれを疑問視する声も多く、医師などの専門家によっては「1000人に1人〜5人程度」の発症率であると言う意見もあります。このほか、脳炎については最大0.3%、髄膜炎に至っては最大10%もの発症率であるという説もあります。

おたふく風邪の予防接種について

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おたふく風邪の予防接種は、1歳を過ぎたら誰でも受けることが可能です。方法としては、0.5ミリリットルの生ワクチン(毒性を弱めたムンプスウィルス)を皮下注射します。本来は期間をあけて2回摂取することが望ましいですが、せめて最低1回は受けさせておくべきです。

一度感染すれば二度とかからない。しかし…

おたふく風邪の大きな特徴は「たった1度でも感染すれば、その先二回目はかかりにくい」ということです。これはムンプスウィルスに対する免疫ができるためで、したがって1度おたふく風邪になってきちんと治った方は、特に予防接種を受ける必要はありません。実際におたふく風邪の30%以上は「不顕性感染」(気づかないうちに感染すること)すると言われており、それによって免疫ができている方も少なくないと推察されます。

しかし問題は「1度もおたふく風邪にかからず、大人になってしまう場合」です。おたふくかぜは大人になってからかかることも多く「大人になってから感染する方が重症化しやすい」と考えられています。

「大人のおたふく風邪」の流行

国立感染症研究所が2016年始に発表した「感染症発生動向」では、「おたふく風邪の患者の増加」と「日本国内の流行の兆候」が報告されました。実は4〜5年前にも流行の兆しを見せたことがありますから、子どもだけでなく大人もおたふく風邪感染の危険性が定期的に訪れる、ということを意識しておきましょう。

また確率は低いものの、成人してからのおたふく風邪が「不妊」へつながる可能性もゼロではありません。具体的には、睾丸炎、卵巣炎を引き起こす可能性もあります。一説によればおたふく風邪の合併症としての「精巣炎発生率は30%前後、卵巣炎発生率は5%程度」とも言われていますので、決して油断はできません。また、妊娠初期の妊婦さんがおたふくかぜにかかると、流産のリスクが高まると考えられています。

すでにご紹介したように、おたふく風邪には特効薬がありません。したがって有効な対策は、事前の予防接種に限られます。子どもの頃の感染は比較的軽症で済むケースがあることもほとんどですが、万に1つでも命の危険がある以上、絶対に予防接種を受けさせておくべきです。幼少時の健康を守るだけでなく、成人してからの健康を守ることにもつながります。

まとめ

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おたふく風邪は危険な合併症などもあり、気をつけるべき病気です。しかしワクチン接種で感染を防ぐことができるので、必ず受診するようにしましょう。

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