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2021年03月29日 10:47 更新

【医師監修】妊娠超初期はおりものも変わる?

妊娠初期(妊娠0〜13週)の中でも、生理開始予定日前の時期を俗に「妊娠超初期」と呼ぶようです。妊娠の可能性がある女性の場合、妊娠超初期に起こる体の変化は些細なことでも「これは妊娠の兆候?」と気になることもあるでしょう。今回は妊娠超初期のおりものの変化について解説したいと思います。

妊娠するとおりものは変化する?

思い悩む女性

結論から言うと、妊娠するとおりものがいつもの変化パターンと異なることがあります。それはなぜなのでしょうか。

おりものとは

おりものとは、腟や子宮、子宮頸管などから出る分泌物。「帯下」とも呼ばれ、妊娠していない女性でも分泌されています。

妊娠超初期で起こるおりものの変化

生理周期に伴うおりものの変化の図

おりものの分泌量や状態(ネバネバ、サラサラなど)などは、月経(生理)周期の中でホルモンの影響を受けて変化しています。例えば、生理が終わった後はおりものの量が増えていき、排卵のころにピークを迎えた後、減っていきます。また状態についても、排卵前はサラサラした状態で、排卵期になるととろみが出て、生理開始前には白く濁る傾向があります。

妊娠すると粘り気のあるおりものが続くことも

一方、妊娠すると、生理ごろに減るはずの女性ホルモン量が維持される影響で、おりもの量が減らず粘り気が続くことがあります。
しかし、これは個人差の大きいことなので、おりものを見るだけでは、妊娠しているか否かの判断は難しいでしょう。

おりものの変化で着床はわかる?

排卵から受精、着床までを説明する図

着床とは、排卵された卵子が精子と合体(受精)したのち、細胞分裂しながら子宮に移動してきて、受精卵が子宮内膜にもぐり込むことです。この着床をもって、妊娠が成立したことになります。着床したかどうかを、おりものの変化で判断することはできるのでしょうか。

おりものだけでは着床に気づかない

妊娠週数と着床のタイミングを説明する図

着床は妊娠超初期である受精してから5〜6日後(次回月経開始予定日の1週間前ごろ)にスタートします。着床とおりもの量には直接的な関係はないので、おりものの変化だけで着床に気づくことは難しいでしょう。

着床すると起こうるおりものの変化は?

おりもの自体に大きな変化は見られないものの、着床すると一般的に「着床出血」と呼ばれる月経様出血という少量の出血が見られることがあります。
着床出血は、着床したら必ず確認できるものではありませんが、着床出血があった場合はおりものに混ざり、ピンク色に見えることもあるでしょう。

妊娠以外でおりものの変化は起こる?

妊娠や月経周期でもおりものが変化することはありますが、それ以外の要因で変化が見られることもあります。

性感染症の影響

クラミジア感染症、淋菌感染症、腟トリコモナス症、カンジダ症などではおりものの色や性状、量に変化が見られることがあります。例えば、トリコモナス腟炎などの感染症では、おりものが黄緑のような色に見えることもあります。治療せず放置すると、妊娠していた場合に赤ちゃんや妊娠経過に影響を与えたり、妊娠していなくても不妊症につながるなどのリスクもあります。また、これら以外の病気でおりものに変化が生じることもあります。

いつもと違うおりものが見られたら、婦人科に相談しましょう。

そのほかの影響

通常、腟の中は善玉菌(デーデルライン桿菌)によって酸性に保たれ、雑菌などから守られています。しかし、疲れやストレスなどの影響で善玉菌が減ってしまうと、おりものの量や色・性状などに変化が見られることがあります。これは、腟洗浄のしすぎなどでも起こります。

おりもの以外で妊娠の兆候はある?

以上、おりものの状態は個人差が大きく、また妊娠以外でも変化することがあるため、おりものだけで妊娠超初期の変化に気づくことは困難であることを解説しました。最後に、妊娠の初期症状として見られる主な兆候についてご紹介します。

妊娠初期から現れる症状・状態

妊娠すると見られる変化には以下のようなものがあります。

生理が止まる

スマホで生理が遅れていることを確認する女性

妊娠が成立すると、生理予定日になっても生理は来ず、そのまま出産してしばらく経つまで生理がストップします。生理が止まったことで妊娠に気づく人も多いでしょう。

基礎体温が高温のまま続く

通常時の基礎体温と妊娠時の基礎体温の変化の図

通常は生理が始まるころに基礎体温が低温期(低温相)に移行しますが、妊娠している場合は高温期(高温相)が続きます。生理がこないまま17日以上高温期が続けば、妊娠の可能性があると考えていいでしょう。

妊娠検査薬で陽性反応が出る

妊娠検査薬で陽性が出た女性

妊娠すると分泌されるホルモン(hCG:ヒト絨毛性ゴナドトロピン)によって妊娠の可能性を判断する妊娠検査薬を使った場合、陽性の反応が出ます。通常の妊娠検査薬は生理予定日の1週間後から、早期妊娠検査薬では生理予定日から使用可能です。

つわりの症状が起こる

つわりに悩む女性

妊娠したら必ず全員が経験することではありませんが、5〜8割の場合で吐き気やおう吐などのつわりの症状が現れるとされています。つわりは、妊娠週数でいうと5〜6週ごろから始まることが多いです。

そのほか、乳房が張る、おしっこが近くなる、便秘気味になる、だるいなど、妊娠初期は様々な体の変化を感じる女性が少なくありません。

まとめ

妊娠超初期は、妊娠検査薬で正確な結果が出るとも限らない時期なので、妊娠しているのかどうか不安になることもあるでしょう。おりものは妊娠超初期でも変化することがありますが、それ以外の要因でも変化が見られやすいものです。適切な時期に妊娠検査薬を使うなどして妊娠の有無を確認し、陽性だったら受診するのはもちろん、陰性でもおりものの異常が見られる場合は婦人科を受診しましょう。

(文:マイナビ子育て編集部/監修:窪 麻由美先生)

※画像はイメージです

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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