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【医師監修】ママになる人の葉酸マニュアル<妊娠前>

【医師監修】ママになる人の葉酸マニュアル<妊娠前>

妊娠を希望する女性や、プレママの間で注目されている「葉酸」。その効果について、どこまできちんとした知識を持っていますか?今回は、葉酸の重要性について紹介していきます。


この記事の監修ドクター
藤東クリニック 藤東淳也先生
女性のトータルライフをお任せいただけるような診療を目指し、
女性のライフサイクルを応援します。
https://fujito.clinic

妊娠前の葉酸摂取の意味

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妊娠前に葉酸を摂取するメリットとして1番に挙げられるのは、「赤ちゃんの先天的な障害リスク」を防いでくれること。また女性の血行・貧血改善も期待でき、妊娠の成功率を上げると考える専門家もいます。

赤ちゃんの障害を防ぐ

残念なことですが、すべての赤ちゃんが健康な状態で生まれてくるわけではありません。特に生まれつきの障害は、事前に対策できることがごく限られています。しかし、妊娠初期までの充分な葉酸摂取によって「神経管閉鎖障害」(二分脊椎)という障害はリスクの軽減が期待できます。厚生労働省をはじめ、各国からも認められています。

着床〜妊娠しやすくなる可能性もある

精子が卵子にたどり着くことを受精と言いますが、これはまだ妊娠とは言えない状態です。妊娠とは、受精卵が子宮内膜にきちんと根を張る「着床」、そして細胞分裂を経て、初めて成立します。葉酸は子宮内膜の強化に働き、着床をスムーズにするとともに、着床した受精卵の細胞分裂をサポートする働きが期待できます。葉酸の摂取により、着床・妊娠しやすくなるとも考えられています。

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葉酸で着床しやすくなる可能性がある

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着床前後はホルモンバランスの変化などもあり、体からさまざまなサインが出ます。頭痛や微熱、倦怠感のほか、肌トラブルやおりものに変化が見られたり、精神的に不安定になるケースもあります。妊娠3週目程度までですが、その間は検査薬でも反応が出ないため、妊娠の可否を正確に判断することは難しいと言えます。着床は排卵から1週間程度でおこなわれますが、その間、受精卵の細胞分裂には充分な量の葉酸が必要となります。

着床〜妊娠のタイミングを把握することはほぼ不可能です。そのため日頃から十分な量の葉酸を摂取しておくことが重要となります。

葉酸で着床しやすくなる仕組み

葉酸をきちんと摂取しておくことで、子宮内膜を着床しやすい状態にしたり、受精卵が育ちやすい子宮環境を整えることが期待できます。葉酸には細胞の分裂や増殖をサポートする働きがありますが、これが、着床しやすい子宮内膜を作ると考えられます。具体的には子宮内膜に厚さと柔軟さが生まれることで、受精卵が付着(着床して根を張ること)がしやすくなるわけです。

さらに葉酸がもつ細胞の分裂・増殖をサポートする働きは、着床後の受精卵が成長するためにも不可欠です。さらに葉酸には造血作用(赤血球の生成をサポートする働き)があるため、子宮の血行も良好な状態となります。そのため、酸素や栄養がきちんと運搬されることで、受精卵のスムーズな成長へとつながることが期待できます。

男性にとってもプラス?

着床をするためには、精子と卵子が出会って受精しなければなりません。しかし正常な精子の量が少ない状態の場合は、そもそも受精すら叶わないケースが考えられます。ただし、せっかく受精〜妊娠しても精子に染色体異常などがあった場合、赤ちゃんの先天性障害や流産などの原因となる可能性が出てきます。

実際に、不妊の原因の半分程度は男性側にあるという指摘もあり、不妊の男性の9割が精子を作る機能に問題があるとも言われています。男性も日頃から葉酸をきちんと摂取することで、細胞の分裂・増殖が充分におこなわれ、正常な精子の数のキープ・増強を期待することができます。実際にオランダで行われた研究では、葉酸と亜鉛を毎日摂取することで、正常な精子の数が増加したという結果も出ています。

このように葉酸の摂取は、男性にとってもプラスな点が多く期待できます。妊活中はパートナーの女性と一緒に、葉酸を摂取することが望ましいでしょう。

赤ちゃんの障害を防ぐ

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「神経管閉鎖障害」や「二分脊椎」(にぶんせきつい)という、赤ちゃんに起こりうる先天的な障害を知っていますか? 葉酸の摂取がこの先天的な障害のリスクを大幅に低減します。これらの障害が起こりうるタイミングは、妊娠のごく初期の段階なので、その時期に葉酸を充分に摂取しておくことが重要です。

葉酸不足で赤ちゃんに生じる恐れがある障害

葉酸が不足した状態だと、赤ちゃんの成長に悪影響与え、先天的な障害の原因となる可能性があります。特に、胎児の脊髄神経が収まる「神経管」は、受精からわずか4週間程度で形成されますが、形成がうまくいかなかった場合には「神経管閉鎖障害」となります。神経管閉鎖障害には「二分脊椎」と「無脳症」が含まれますが、無脳症は死産のケースも多いです。二分脊椎の場合は、いずれも生まれてすぐ手術が必要ですが、後遺症が残る可能性も高いです。

サプリでの摂取を国も推奨

二分脊椎は、先天性障害の1つですが、これは「発生率を下げることが期待できる、唯一の先天性障害」とも言われています。そして、発生率を低下させる手段こそが「葉酸を摂取すること」なのです。

厚生労働省は21世紀初頭から、妊婦の葉酸摂取の必要性について告知するようになりました。欧米では一足早く、二分脊椎に対する葉酸の有効性が認められ結果を出していたため、それを受けてのことです。現在、日本では妊娠前の女性(妊娠計画中、もしくは妊娠の可能性ありと思われる女性)は「1日に400マイクログラムの葉酸を付加的に摂ることが望ましい」とされています。

なお「付加的に」とは「食事から摂取する葉酸の量に、さらに付け加えて」という意味で、具体的には、サプリメントや強化食品で葉酸を摂取することを推奨しています。

また、食事で葉酸を摂取する方法を考える人もいると思いますが、葉酸は熱に弱く、調理で約半分が分解されてしまいます。また水にも溶けやすいため、簡単に減少します。したがって「葉酸を豊富に含む、生野菜などを350グラム以上」を毎日摂取するのはなかなか難しいことです。加えて生野菜の食べ過ぎが体を冷やすことにつながると指摘する専門家もいますので、サプリメントで摂取するのがおすすめです。赤ちゃんへの安全性を考えるならば、天然原料(食品由来)で、食品添加物がなるべく含まれていない葉酸サプリメントを選ぶと良いです。

妊娠前に摂るべき葉酸の量

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「妊娠前に摂るべき葉酸の量」が厚生労働省からはじめて通知されたのは、2000年末頃と言われています。葉酸の具体的に推奨されている量をチェックしていきましょう。


推奨量は640マイクログラム

妊娠前後は、葉酸の摂取量を通常よりも増やす必要があります。その中でも、妊娠前の摂取量が最も多くなります。

通常、女性の場合には240マイクログラムの葉酸を、食事から摂取することが推奨されています。一方で妊娠を希望する女性や妊娠の可能性がある女性は、400マイクログラムの葉酸を摂取するように推奨しています。先ほどもご紹介しましたが「付加的に」とは「食事以外に、サプリメントや強化食品で葉酸を摂取すること」を指します。厚生労働省が推奨する基本的な方針となっています。

つまり、食事(240マイクログラム)と、サプリメント・強化食品(400マイクログラム)で「合計640マイクログラム」の葉酸を1日に摂取することが推奨されています。

いつから摂ったら良い?

妊娠の1ヵ月以上前から摂取することが、望ましいと考えられています。その理由として、先天異常が多くのケースで、妊娠直後〜妊娠10週以前に起きており、特に中枢神経系(注:神経管閉鎖障害など)については妊娠7週未満で起きているかです。つまり「妊娠したかも?」と感じた頃にはすでに、対応が遅いということになります。

排卵日を正確に予測することが難しい以上、狙った時期に確実に妊娠するという事は不可能です。さらに、妊娠の超初期については検査薬も反応しないので、妊娠が判明した時期から葉酸を摂取するのでは間に合わない、ということになります。したがって妊活中の女性ならば誰でも「1日640マイクログラムの葉酸摂取(食事とサプリメント・強化食品)」をはじめることが必要と考えられます。

「摂りすぎ」に気をつけて!

葉酸は「1日に900〜1,000マイクログラム」までは、摂取しても問題ないと考えられています。しかし、通常の食事だけでこれだけの量を摂取することはほぼありえないため、安心してください。つまり食事によって葉酸を摂りすぎることはほぼないと言えるでしょう。

しかし、注意しなければならないのはサプリメントの摂取です。サプリメントは食事よりも生体利用効率(体の中で使われる割合)が高く、過剰摂取することも可能となります。しかし、耐用上限量を超えた葉酸を摂取し続けると、内臓へのダメージや、吐き気、神経障害など体にさまざまな悪影響与えることが考えられます。

葉酸は妊娠前後の女性にとって、とても心強いビタミンです。ただし推奨量を大きく超えて摂取したからといって、効果が増すわけではありません。サプリメント(もしくは強化食品)の摂りすぎだけは、充分にご注意ください。

まとめ

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妊娠前後の女性は、食事や栄養バランスで悩むことでしょう。実は妊娠前〜妊娠初期までは、食事や栄養バランスも、通常時とほとんど変わりません。そのような中で唯一、厚生労働省が「妊娠前からの摂取」を強く推奨している栄養素が「葉酸」です。神経管閉鎖障害のリスクを低減させる働きを、国も正式に認めていて、その摂取を推奨しています。

妊活中の方は毎日の不足ない葉酸摂取を心がけ、妊娠を計画中の女性は「妊娠の少なくとも1ヵ月以上前」から、葉酸サプリメント(あるいは強化食品)を飲み始めるのがベターです。

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